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ギルドのチートな受付嬢  作者: 夏にコタツ
支部と竜
14/53

3-3:「依頼があります」

 月日が流れるにつれて、リュネヴィルは新しい宿場町としての姿を成していく。

 街道の整備も進み、宿の建設に当たる大工さんや街道で作業員の護衛のギルド員に品物を売りつけようとする商業ギルドの商人、工業ギルドの鍛冶屋なんかも続々とリュネヴィルに集まってくる。

 連合支部のホールと厨房が忙しさを増したのは皆が予想していたけど、事態はそれだけじゃ済まなかった。


「受注登録が完了しました。ご武運を」


 丁寧にお辞儀したバルドさんに差し出される依頼表。


「だいぶ受付らしくなったんじゃねぇの?」

「お陰様で。登録証の提示をお願いします」


 以前の五人組が差し出す登録証を受け取り、バルドさんは受注登録を開始する。その手つきも、初めのたどたどしさは無い。それどころか、黒豹っぽい堂々とした立ち振る舞いが様になってたりする。


「しっかしすげぇ依頼の数だな。魔物が増えまくってるって話、本当なんだな」

「ええ。おかげで新米の俺がサポートなしで駆り出される始末ですよ」


 リュックが休憩に出てる今、私とバルドさんが受付に立っている。


「ピィっ」


 ハクの声でこっちも登録が完了したことに気づいて、依頼表と登録証をカウンター越しのギルド員に渡す。


「受注登録が完了しました。ご武運を」

「うん。じゃあねイリアちゃん」

「また来るからね~」

「お待ちしております」


 二人組の傭兵をお辞儀して見送り、顔を上げた矢先に依頼表が差し出される。


 依頼希望者が来たら応接間に案内して、事務の皆と連携してすぐに依頼表の作成。成功報酬と仲介金をサインと一緒にもらったあとは掲示板に張り出して、受付と厨房と給仕の人手が足りないところに回る。

 ここのところ、そんな多忙な毎日だった。


「イリア、エリーが休憩に回る。リュックが戻ったらホールに出て?」

「わかった。カティももう少し頑張って」

「うん。頑張る」


 相変わらずの口調だけど、表情はかなり豊かになったカティ。今のところ二人とも順調に成長してくれてるし、何より順応性が高くて助かった。


 それから数人の受注を終えた頃、風変わりな連中を引き連れたエクトルさんが来た。

 ぞろぞろと歩く彼らは白衣に似たコートを羽織り、その胸には研究使節団を示すエンブレムが縫い付けられている。この不思議世界でも、はっきり言って変。そのくせ悪目立ちしてるのに彼らはそれを誇示するように歩くから、私たち一般人の印象は最悪だった。

 それはそれ、仕事は仕事だ。


「お待ちしておりました。支部長より応接間にご案内するよう申し付けられております」

「うん。頼む」


 予定調和の会話を済ませ、三階に案内する。

 その時、使節団の一人が声を上げた。


「おお! 竜の子がいるというのは真であったか!」


 普人の男はハクに駆け寄り、その身体を持ち上げた。


「ピィ?」

「白い表皮に青い瞳……! このような竜は聞いたこともない!」

「マンセル殿、今は護衛の者を」

「やかましい! この魔物を目の前にして何が研究使節団か!」


 は? こいつ今なんて言った?

 竜を魔物って……ロンドヴィルの研究ってまだその段階だったんだ……。


「ピ、ピィッ!」

「珍しい個体……どれほど研究のし甲斐があるのだろうなぁ!」

「放していただけますか?」


 マンセルからハクを取り上げると、彼は忌々しげに私を睨みつけた。どっちを助けたのか分からないんだから、敵意を向けられる謂れはないんですけどね。

 私にしがみつくハクを宥めるように撫でると、下卑た笑みに変えて私を見据える。


「竜の飼い主がエルフというのも真であったか」

「それが何か?」

「いや何、獣人だろうと何だろうと構わんよ。で、幾らだ?」

「……仰る意味が分からないのですが」


 バルドさんを含め、勘のいい数人が顔を引きつらせるのが見えたけど、私はこれでも怒りを抑え込むので必死だった。

 なのに、目の前の無能は全く気付くことなく声高々に提案する。


「竜の子ともなれば我がロンドヴィルの研究は十年以上他国に先んじるであろう。貴様もロンドヴィルの国民であればその誉れを拒みはすまいが、ただ手放すのも癪であろう? 言い値で買い取ってやろう」


 こいつ……。


「ピィ……」


 おっといけない。

 大丈夫だよー。怒ってないよー。


「お断りします」

「な……き、貴様は馬鹿か!? 一介の受付でしかない貴様如き、私が国王に具申すればすぐに処刑することもできるのだぞ!」


 唾飛ばすな汚い。

 それにしても、国王ですか。


「どうぞご自由に」


 あのアホにそれだけの勇気があればの話だけど。


「き、キサマぁ……!」

「マンセル殿、それくらいにしていただきたい」

「領主如きが口出しするか!」


 そろそろ周囲の視線が痛い。エクトルさんと目配せして、取りあえず三階に連れて行くことにした。


「こちらにどうぞ」

「待たんか亜人が!」


 あ、まずい。


「ピィッ!?」


 一階に渦巻く怒気に、ハクが怯えたような声を上げる。

 亜人……ニンゲンもどき。普人至上主義者が言うところの、普人ではない人種はすべて人間のなり損ないである、っていう主張だ。

 私は別にどうも思わないけど、普人以外の人種は勿論その人種と親交のある普人なんかにとってはタブーに近い言葉だ。


「大丈夫だよ。怖くないからね」

「ピィ~……」


 ハクを撫でると、身を丸めてすり寄ってくる。

 一方、カウンターには休憩を終えたリュックが戻ってくるところだった。

 彼を見てマンセルは表情を凍らせる。顔面は蒼白で、もともと痩せこけていた顔がまるでゾンビみたいだった。


「リュック、今の発言は聞きましたか?」

「ええ。この耳でしっかり」


 リュックは相変わらずの無表情で頷く。


「ご足労をかけて申し訳ないけど、報告をお願いしても宜しいでしょうか」

「勿論。ロンドヴィルは普人至上主義者を外患誘致に準ずる国賊と認めています。然るべき処罰を与えてくれるでしょうね」

「それは良かった」


 私たちのやりとりを、本当の意味で理解できたのはほんの一握り。

 それでも、マンセルがガタガタと震えていたのを見て少しは溜飲が下がったのか、一階に満ちていた淀んだ空気が薄まっていく。


「ではこちらです」


 周囲に無関係な人のいない三階についた時点で私は振り返り、


「そうそう」


 マンセルに告げる。


「この子は竜の子ではなく、竜神の子です」

「      」


 ざわつく使節団の中で、マンセルが絶望に満ちた表情で固まる。


「研究というのがどういった行為かは追及しないでおきますが、言葉はもう少し選ばれた方が宜しいかと存じます」


 言い終えると、マンセルは完全に崩れ落ちた。

 目には目を、歯には歯を。権力こくおうを振りかざす人には権力りゅうじんを。竜神に伝わるってことが分からないほど馬鹿じゃないらしい。

 実際は面倒だから伝えたりしないし、言われた方からしたら死刑宣告みたいなもんだからいい薬になるだろうって思ったけど、予想以上でした。


 生きた屍マンセルを無視して、応接間のドアをノックする。


「支部長、エクトル様と使節団の方々がお見えになりました」

「入ってくれ」


 応接間には、フランクさん以外に4人の人物がいた。皆高ランクのギルドパーティの代表で、今回使節団の護衛を務める人たちだ。

 今回ばかりはあのくそ野郎と同じ空気を吸いたくないので有無を言わせずに退室。

 私室に篭り、しばらくハクを甘やかしまくった。




 さて、あの馬鹿がそのままフェードアウトしてくれれば良かったんだけど、そうは問屋が卸さなかった。


「おはようございます、カロンさん」

「ああ、おはようイリアちゃん。朝早くに申し訳ない」


 使節団の来訪から数日が経過して、あの馬鹿が遺していった妙な空気は既に霧散していたある日。まだ連合支部を開けてもいない早朝にカロンさんがやってきた。

 いつになく焦った様子の彼に、私は気を引き締める。


「緊急事態だ。王都に飛竜の群れが向かってきてるらしい」

「……群れ、ですか」

「ああ。既に幾つかの村が被害を受けていて、城と連合本部で対策を練っているところだよ」


 飛竜……竜因子が最も少なく、風竜の下位にあたる種族の中でもっとも獣に近い竜。とはいっても魔物じゃない生物の中では最も強い種族だから、それが群れで襲ってくるとなると災害指定の魔物と脅威度で言えば同じくらいだ。

 他の竜種と同じ様に縄張り意識が強い反面、よほどのことがない限り縄張りを出ようとしない習性をもっている。群れで移動するってだけで今回の行動が異常だってわかる。


「原因はわかりますか?」

「……竜の卵だってさ」


 絶句。

 見かねたカロンさんが続きを口にしてくれる。


「使節団の連中が調査中に見つけて運んだらしい」

「……親も狩らずに、ですか?」

「その通り。護衛の連中は狩ることを提案したけど、危険だって聞く耳を持たなかったそうだよ」


 馬鹿だ馬鹿だと思っていたけど、そこまで馬鹿だとは思わなかった。

 いくら金ヅルだっていってもそこは拒否するか、最悪狩っておこうよ護衛の人。


「……対策ってなんですか? まさか卵を返すかどうか、とか言いませんよね」

「大当たり。まさにその通りだよ」


 ……。

 呆れてものも言えません。


「もしかして、王都を狙ってるっていうのはその卵があるせいだ、っていう憶測じゃないでしょうね」

「またまた大正解! 被害が出てる村はもともと巣に近い地域で、飛竜が真っ直ぐ王都に向かってきてる様子もない。でも何かを探してるようだっていうんで、そりゃ卵しかないって結論だね」


 ……ハクを預かる身としては、飛竜の手伝いをしてあげたいところだ。

 でも、王都にまで行けば飛竜は全滅だろうなぁ……。群れの規模にもよるけど、良くて王都半壊ってところか。

 ……いけない。本当に飛竜よりの思考になってる。


「……わざわざ私のところに来たのは何故ですか?」

「君の意見を聞きたいそうだよ。王と本部長じきじきのご指名だ」

「わざわざ行くまでもありません。卵を探してるなら返してあげてください」

「その心は?」

「使節団が卵を欲しがったのって魔物の研究をしたいからですよね? 竜種は魔物じゃありませんから、無駄です。竜の生態を知りたいならミスリレージュ王国と交渉した方が早いです」


 なるほど、とカロンさんは納得してくれた。っていうか私の推測当たってたのかよ。

 私の表情がすべてを物語っていたのか、カロンさんは苦笑する。


「なんでも、使節団の長が功を焦ってるらしくてね。ハクちゃんが卵から生まれたなら、魔物も卵から生まれるだろうって考えたらしい。魔物の生態は殆どが謎だからね。解明すれば処刑されずにすむとか考えたんじゃないかな」


 あ・い・つ・かぁ……!

 本当に馬鹿って余計なことしかしないな! 周りに迷惑かけんな!


「余計な被害と費用を防ぎたいなら、絶対に返してくださいとお伝えしてください」

「了ー解っ。で、返却方法は?」

「こちらで人員は確保します。依頼表もすぐ用意しますので、確認だけ取らせてください」

「よしわかった。じゃあ僕は走りすぎたから少し寝るよ。おやすみ~」

「お休みなさい」


 ふらふらのカロンさんを見送った後、私は二人を呼び寄せた。

 二人っていうのはバルドさんとカティ。


「お二人に依頼があります」

「んだよ改まって」


 少し前のようにはぐらかす様な物言いをするバルドさん。それは緊張した場の空気を嫌ったからだろう。


「依頼というのは、飛竜の卵を巣に返すことです」

「「 !! 」」


 息をのむ二人。

 それはそうだ。普通なら竜種の巣に少人数で行けっていうことは、死ねって言ってることに等しい。

 この二人でも、三体以上を倒そうとすれば、そこには確実な死しかない。


「……なんで、今さら」


 拳を握りしめながらバルドさんが呟く。

 隣に座るカティも悲しそうな表情を浮かべていた。


「これが貴方たちへの罰だからです」

「なっ」

「え……?」

「この依頼を終えたら無罪放免。貴方方は自由の身です」


 私の言葉に呆けていた彼らだったけど、その内容を理解すると同時に声を荒げる。


「……イリアは、私たちに死ねっていうの?」

「死んで無罪ね……ハッ。最低だな、あんた」


 それは、怒りに似て、だけど悲しみに満ちた言葉だった。

 そんなに信頼してくれていたと思うと心苦しいけど、私はそんな聖人君子じゃない。


「貴方たちは成長してませんね」

「なん、だと……!?」

「なんで捕まったかわかりませんか? 貴方たちの判断が甘かったからですよ?」


 バルドさんは最初から【鑑定】と同じ【神の目】の下位互換、【観察】スキルを持っていた。

 その能力は初見のギルド員の戦闘能力を見破るくらいだったのに、私の危険性を察知することはできなかった。まぁ【隠蔽】スキルで九割は隠してるけど、残り一割だって十分脅威だってわかった筈なのに。


 何故か。


 答えは簡単。察知しても、それを認めようとしなかったせいだ。

 依頼を失敗する焦りだろうと、自分の強さを過信していようと、自己評価を違えなければもう少し冷静にことを運べたはずだった。そういう意味では、私は二人を過大評価していたとも言える。


「バルドさん。貴方に受付業務を覚えてもらったのは、人や周りを見る目を養って欲しかったからです。貴方の気配を殺す術は一級品です。あとは自分と相手の実力を推し量り、冷静に事を運ぶ余裕を持たなければなりません」

「……一級品とか、簡単に見つけるあんたに言われても信憑性ねぇよ」


 本当にあまり嬉しそうじゃなかった。


「嘘は言いませんよ。バルドさんは気配を消し、卵の運搬を担当してください」

「俺……だけ?」

「はい。カティには飛竜の誘導を担当してもらいます」


 カティはただまっすぐに私を見る。

 彼女は良くも悪くも真っ直ぐすぎた。素直すぎて、まるでバルドさんの腰巾着なのが普段の会話や態度からも見て取れてしまうほどだった。でもバルドさん程【気配遮断】スキルが高いわけでもなく、有体に言ってしまうと彼の鈴になっているようなものだった。

 彼女がバルドさんと一緒に潜入しなければ、フランクさんはきっと気づかなかった。


 彼女の適正は【気配遮断】じゃなくて【気配察知】の方。


「カティに給仕を担当してもらったのは、自己判断能力を養ってもらいたかったからです。貴方は身軽で敏捷性に優れている上に、周囲の気配にも敏感です。周囲の状況を把握しつつ、自分で何をどうするべきか。今の貴方なら一人で判断できるはずです」

「……わかった。頑張る」


 カティが目に涙を浮かべながら頷くから、毀れた涙で前掛けにシミがついてしまった。せっかく似合ってたのに、見納めとなると流石に寂しいな。


「本音を言えばもっと覚えてほしいことは有りましたが、今回の依頼は急を要しますし、貴方方程の適任が他にいません。ですので、この依頼を罰として受けていただきます。宜しいですか?」

「わかった」

「……これで自由になれるってんなら仕方ねえか。で、報酬額は?」


 私は満面の笑みを返す。努めて、わざとらしく。


「あるわけないじゃないですか。無報酬。罰ですから」

「ま、マジかよ……」

「はい。だって貴方方なら熟せる依頼ですから。それで報酬まであったら罰にならないでしょ?」


 私の笑顔にカティは笑顔を浮かべ、バルドさんは力なく肩を落とした。でも、その俯かせた顔の下で、口角が上がってるのを私は確かに見た。


 その後、カロンさん経由で入手した地図を頼りに、巣へのルートと誘導方法を二人に説明。

 登録証で受注登録を済ませ、二人に手渡す。二人はその登録証に驚きを隠せなかった。


「これ、俺らのじゃねぇぞ」

「盗賊ギルドじゃなくなってる……」


 そう。新しく傭兵ギルドとして作っておいた登録証だった。


「以前の登録証では盗賊ギルドに足がつきますからね。今の貴方方ならどこでも生活できると思いますから、新しい門出をするなら使ってください。あ、2つ使って悪用とかしちゃダメですよ? それと、今日まで働いていただいた給料はその登録証の口座に振り込んであります。無くさないでくださいね?」

「ありがとう……イリア」

「……チッ」


 こうして、誰もいないホールを歩きだす二人を、他の誰もいないカウンターから見送る。


「無事と成功を心より願っております」




 巣にできるだけ近いベリュネで卵を受け取ったバルドさんが迂回するように巣に向かい、その反対側からカティが回り込む。先行した彼女が巣周辺の竜を誘き出しつつ、人里に出た飛竜と合流させている間にバルドさんが卵を巣に返して離脱。

 巣から十分離れたところでバルドさんが発光するタイプの火の結石を上空に飛ばしてカティに離脱を知らせ、彼女はぎりぎり敵を引き付ける距離のまま巣に向かう。


 ここで問題が起きた。


 魔物……ロンドリーフモスが発生して、木の葉状態で【気配遮断】スキルで取得する【隠遁】を発動していたせいで、カティはその存在に気づくのが遅れてしまった。おかげで鱗粉の毒を食らってしまって、見るからに俊敏性が下がってしまう。ロンドリーフモスに囲まれ、飛竜の間合いも近づいてくる窮地。


 そんな彼女を救ったのは、作戦では先に離脱してるはずのバルドさんだった。


 流石暗殺者だっただけあって、毒と一緒に解毒の魔術も覚えていたおかげで何とかロンドリーフモスの包囲網を抜けた。持久走の速度で劣るバルドさんがいたから何度か攻撃を受けてしまったけど、そのバルドさんも離れながら【気配遮断】スキルを使ったおかげで無事離脱。

 巣に到着したところで全速力でカティが離脱したから、彼女を見失った飛竜は追いかけることをやめて巣の防衛と警戒に切り替えたようだった。


 こんな時ばかりは、飛竜に“人間が持って行った卵を返しに来ただけ”って理解するだけの知能がなくて良かったって思う。まぁそのせいで今回みたいに、今の逆の陽動で卵奪われたりするんだけどね。


「……はぁ。良かった」

「ピィ?」


 【千里眼】を切ってハクの頭を撫でる。

 これ以上は二人の自由。安全に離脱したこと以上を知ろうとするのは野暮だよね。

 口座を見たら桁に驚くかもしれないけど、正当な行動には正当な報酬があるっていう最後の授業みたいなものだ。


 ……騙されたって怒らせるだけかも。


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