<2014年1月2日>
初売り。
それは戦場、目当ての物をゲットするために、兵士達は全力を尽くす。
ただ他の戦場と違う特徴があるとするならば。
この戦場、基本的に男は役に立ちゃしません(え)
人の流れに飲み込まれるまま流されるまま、目的の物が遠い遠い。
と言うか、デパートってこんなに人口密度凄かったですかね。
そうですね、あえて小説風に語るのであれば……。
◆ ◆ ◆
タイミングは完璧だった。
目標を捉え、手を伸ばし、そして取る。
ただそれだけのこと、これまでの人生で何度も繰り返した「作業」。
誰にだって出来る、簡単な作業……!
私「馬鹿なっ……!」
なのに、それが出来ない。
いや違う、させて貰えないのだ。
誰にでも出来る簡単な作業を、させて貰えないのだ。
手が伸ばせない、腕が伸ばせない、目的の物に指が届かない。
遮っているのは、人の壁だ。
先程まではそこに無かった、だが今は確かにある、無数の人の壁が。
私「……!」
無数の目が無力な自分を貫く、まさに自分の無力さを嘲笑うかのように。
言うなればそれは、不可侵の壁。
何者の侵入をも防ぎ、なおかつ、成長する無敵の壁だった。
そして、次の瞬間。
私「う、うごごぉ~~!?」
第二第三の壁が出現し、なだらかに、しかし確実に視界を塞いで行く。
ゆっくり、だが止めることは出来ない。
数秒の後には、目的の物は遥か遠くへと消えていた……。
◆ ◆ ◆
とまぁ、こんな感じでして。
いや本当、あの女性達はどんな訓練を受けて。
妹「お兄ちゃん、何へばってるの? 次に行くよー?」
私「あ、はい」
そして、うちの妹はいつの間に訓練されていたのでしょうか。