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イモ☆バナ  作者: 竜華零
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<2012年4月19日>


 私の家では普通、両親と兄妹(つまりは4人家族)で晩御飯を食べるのが慣例(カッコ良く言ってみました)です。

 今日も今日とて、いつものように広くも無いテーブルを囲んで晩御飯をしていたのですけども。


「今日のお味噌汁は、私が作ったんだよー」


 と、妹がにっこにこしながら(超可愛い)言ったんですよ、確かに味がいつもと違いましたです。

 妹はここの所、ちょくちょく母と一緒にお料理してるのですが。

 あまりににっこにこしてるものですから(絶可愛い、誤字にあらず)、何をそんなに嬉しそうにしているのかと思ったわけです。

 妹の笑顔が可愛いので、私も父も結局は何も言いませんでしたけど。


母「これで、貴女もいつでもお嫁に行けちゃうわねー」

妹「えへー、そう? そうなっちゃう?」


 母と妹のその会話に、私と父は超反応しました。

 こう、100年に一度の天才と言われる某アメフト選手並の反応速度で。


 とにかく、私と父が……。



 ――聞いた?


 ――聞いたぞ、息子。


 ――お嫁さんだって、超可愛いよね。


 ――そうだな、息子。実に綺麗だろうな。


 ――でも行かないよね、てか行かせねーよね、お嫁さん。


 ――もちろんだ。ところで息子。


 ――うん?


 ――ウェディングドレスを着せたり雛飾りを出しっぱなしにしておくと、婚期を遅らせることができるらしい。


 ――マジか。


 ――マジだ。父は息子に嘘を吐かない。


 ――父さん、アンタ天才だな!


 ――ははは、まぁそれにアレだ、娘は昔「パパとけっこんするー」って言ってくれたしな。


 ――は? 「おにーちゃんのお嫁さんになゆー」だったろ?


 ――あ?


 ――おぅ?



 ……と言うようなアイコンタクトを3秒で行った後、妹のお味噌汁の味を褒める私と父。

 あまり褒めるので妹はテレテレしちゃって超絶可愛いかったです。

 でも普段からお料理してる母が不満そうにしてました、ごめん母さん。


妹「でもやっぱり、ママのご飯には敵わないよね」

父「ははは、母さんも新婚の頃は酷……新婚の頃から料理上手だった、父さん嘘吐かない」

妹「やっぱり、ママ凄いね!」

母「あらあら、うふふ」


 父さん、母さんと目を合わせた一瞬で何があったんですか。

 まぁ、今日も今日とて平和な我が家でした。

 ずずず……うん、美味。

 妹のお味噌汁が飲めるって幸せなことですよね、兄として。


 ……まー、現実問題として、どこかの歌よろしくいつか妹も貰われてっちゃうんでしょうけど。

 それまでは、物わかりの悪いお兄ちゃんとして最大限の抵抗を図る次第であります(え)。

 ………………。


 ……うおおおおおおおおおおおっ!!

 やっぱダメだ、そんなこと絶対に認め(以下省略)。


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