<2013年5月24日>
偽予告で、そしてネタです。
◆ ◆ ◆
――――それは、いつまでも続くと思われた穏やかな毎日。
妹「お兄ちゃん! いい加減私が来なくてもちゃんと起きてよ!」
兄「……すぴー」
妹「寝たフリしない!」
ちょっと妹が好き過ぎる兄と、しっかり者だけど甘えたがりの妹が過ごす、どこにでもある、ありふれた兄妹の日常。
少しだけ年が離れていることを除けば、本当に普通の時間。
穏やかで、幸福な、そんな時間が過ぎていくばかり。
妹「もう、お兄ちゃんは本当、しょうがないんだから」
兄「あはははー、お兄ちゃんはお前がいないとダメな人なんだ」
妹「自分で言った!? それ普通、私が言うべき台詞だよね……」
昨日と変わらない今日、今日と変わらない明日、ずっとずっと続くと思っていた日々。
父「くそぅ、私だって娘に起こされたいのに……会社さえ無ければ!」
母「あら、私が起こしてあげるんじゃ不満なのかしら?」
父「ハニーに起こされて幸せ者だな私は」
母「あらいやだ、ハニーだなんて」
その日も、いつもと同じだった。
同じように妹に起こされて、同じように妹と一緒に家を出て、しばらくすれば通学路で別れて、涙ながらに別れる兄に妹が溜息を吐くと言ういつもの光景が展開される。
――――はず、だった。
だけどその日は、いつもと少しだけ違った。
夕方になり、妹が猫を拾ってきたのである。
捨て猫らしきその猫は、妹の命名で「シャルル・ゴ・ドール」と名付けられた。
しかしその猫は、普通の猫では無かった。
猫「世界の危機が迫っている、力を貸して貰いたいのである――妹御にはその才能が、魔法の力があるのである」
妹「し、喋るぬこさん! ぬこさんだ――――!」
猫「や、やめるのである、喉を撫でては……ふにゃ~、ゴロゴロ」
世界の裏側からの使者、全ての姉妹が迫害される「シスター・コンプレックス」の世界からやってきた猫シャルルは、世界最高の妹である妹に救いを求めに来たのだった。
しかしそれを知った家族は、猛然と反対した。
兄「僕と契約して魔法少女になってよだと!? 絶対反対だ! ボロ雑巾のように捨てられる未来しか幻視できない!(デジカメ用意)」
父「そうだ! 日曜の朝の番組とはわけが違うんだぞ!(ビデオカメラ用意)」
母「真面目に話しなさい」
兄&父「げぼぁ(何故か身体がくの字に折れて吹き飛ぶ)」
心優しい妹は、喋るぬこさんに誘われるままに異世界へ旅立つ。
家族同伴で。
妹は、姉妹達が姉妹だと言うだけで迫害される世界を目の当たりにする。
そして気付く、家族に愛される自分の恵まれた環境を。
そのことに苦悩し、苦しみ、それでも目の前の人々に愛を知ってほしいと願う。
その願いは、確かに人々を救う。
旅の中で明かされるのは、妹を異世界に導いた猫シャルルの陰謀……!
猫「さぁ、その身に刻まれた愛を、己自身の血を雨に変えて世界に降り注がせるのである!」
兄「そおおおおんなこったろうと思った! バリバリフラグ立ってたもんな、わかります!」
シャルルの陰謀から妹を守る兄、元の世界へ妹と帰るための旅が今始まる。
はたして兄は、妹を元の世界に連れ帰ることが出来るのか?
この世界の姉妹は何故迫害されるのか? 世界を渡る猫シャルルの真意とは?
謎が謎を呼ぶ展開の中、兄妹は――――。
妹「ごめんね、お兄ちゃん。私がいなくなれば、お兄ちゃんが戦う必要なんて、無い、から――――……」
兄は。
兄「や……やめろおぉ――――ッッ!!!!」
妹を、救えるのか。
――――『イモ☆バナ the movie 1st』。
兄の愛が今、異界の地で試される。
キミは、本当の妹魂を見たことがあるか。
◆ ◆ ◆
と言う夢を、見ました。
何て夢を見ているんだ私は、妹成分が不足しているのでしょうか……。
偽予告なので、この場限りですけどね。
でもこの調子でイモ☆バナやると、いつか「まお○う」みたいな形式で書籍化したりして。
シスコンの全国進出、世界初の試みかもしれませんね……無いでしょうけど。
最後までお読み頂きありがとうございます、竜華零です。
一応ストックはこれで打ち止めなので、これ以降は更新ペースが落ちます。
何しろイモバナが出ないと更新しないので、なんともかんとも。