表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イモ☆バナ  作者: 竜華零
5/100

<2012年2月20日>


 今日、私は皆様にあるカミングアウトをしたいと思います。

 カミングアウトと言うのは、いつも緊張いたしますね。

 しかし人間、いつかは声を大にして叫ばねばならない時があるものです。

 だから私も、勇気を出して言います。

 皆は知らなかったかもしれませんが……実は、私。


 妹が好きだったんです。


 ああ、ついにカミングアウトしてしまいました。

 私がドがつく程のシスコンだと言うことに。


妹「今さらだよ、おにーちゃん」


 ですよねー!

 というわけで、今日はそんな私の一日についてご紹介したいと思います。

 単純にある日曜日のことを話すというだけで、日記のようなものですね。

 なので、どうぞ気軽にお読みくださいませ。



朝:

 今日も妹が起こしに来てくれた、ギリギリまで粘った甲斐があった。

 母親に怒鳴られようと父親に踏まれようと、妹が起こしてくれるまで寝るのをやめない私。


 実に……努力家であると言えるだろう。


 妹はいつも「あー、も~」とか言いつつ起こしてくれる、超可愛い。

 ディ・モールト可愛い、もうどうすれば良いんだろう、おやすみ。


妹「早く起きないと、明日から「おにーちゃん」って呼んであげないよ」


 おはよう諸君!!

 何をトロトロやってるんだ、さっさと起きろ!

 良いか、人間は朝の太陽の光を浴びることによって健康な身体を保つことができるんだ、それをいつまでもダラダラダラダラと……おおっと、奇遇だね妹、今日も最高に可愛いなぁもー!


妹「……ダメだこの人、早く何とかしないと……」


 おや?



昼:

 妹とゲームの後は深夜アニメの録画した奴を見たりして過ごす。

 他に何か無いのかって? あるわけ無いでしょう(超断言)。

 お休みの日はこうして、妹と過ごす・・・何も問題は無い。

 むしろ、平日は一日の半分を離れて過ごすのだから足りないとすら言える。


母「そんなんだから、彼女できないのよ」


 良いんです母さん、僕には妹がいるから。


妹「……彼氏とか作ろっかなー(ぼそっ)」


 !!??


父&私「どこのどいつだぶっころしてやるぅうああああああああああああっっ!!」


 暴走する父と私、そして……一瞬だった。

 光が見えたと思ったら、私と父さんは床に倒れ伏していたんだ。

 何が起こったかわからない、とにかく全身が殴打されたように痛い……。


母「……ウチの男共は、本当に馬鹿なんだから」

妹「ママすごーい(パチパチ)」


 母さん最強伝説。



夜:

 晩御飯の後はお風呂です。

 ウチではヒエラルキーが決まっているので、妹が一番風呂です。

 年頃なので、気を遣わなければなりません。

 妹に関しては、大体のことは私と父さんは同盟関係にあります。

 なので、妹がお風呂上がるまではリビングの隅で父さんとテレビ見てます。


父「最近……どうだ」

私「父さん、そのフリはベタ過ぎるよ」


 今日は3回も母さんに叱られた、何故だろう。

 僕と父さんは、妹が心配なだけなのに。

 ついでに言うと、妹に構って欲しいだけなのに。

 実に不思議だ、解せぬ。


妹「ママー、ドライヤー知らなーい?」

母「はいはい・・・って、そんな格好で走り回らないの!」

妹「えへへ、はーい(ぱたぱた)」

母「パパもお兄ちゃんもいるんだから・・・」

妹「お兄ちゃんなら別に良いよー、見られたって」


 !!!!!


私「(がばっ)今兄と言った! 確かに言った! 父と言わず兄と! ハハハ、ざまーみろ父め!」

父「わざわざ口で言われないといけない対象と言うことだろうな、実に哀れだな息子」

私「やんのか、やんのかー!」

父「ドラ息子め・・・!」


 夜は父さんと「みん○る」しました、まる。



深夜:

 最近、夜に寝たら負けな気分がするのは何故だろう。


妹「それ、おにーちゃんだけだよ・・・(ふわぁ)」


 そうか、私だけか。

 ところで、妹の欠伸が凄く可愛いのだけど私はどうしたら良いのだろう。

 抱き締めれば良いと思うよ。

 ……はっ、今誰かが私に乗り移って!?


妹「と言うか、おにーちゃんまだ寝ないの?」


 うん、まだ起きてる。

 明日も妹に起こされたいからね!


妹「凄く面倒くさいんだけど・・・」


 え、何故?


妹「と言うか、ナチュラルに私がお兄ちゃんを好きだってどうして思えるのかな」


 ……死のう。


妹「はいはい、大好き大好き」


 生きよう、私はここにいて良いんだ……!

(おめでとう、おめでとうー……)。


妹「まったく、これじゃ本当に彼氏も作れないよ」


 大丈夫、お兄ちゃんが一生面倒見る、これ約束。

 兄ちゃん、頑張って働くぞぅ!?

 大丈夫、お兄ちゃんは妹が生きてる限り200年でも300年でも生きてる生き物だから。

 ……あ、でも妹に先立たれるのは嫌だな……。

 死が2人を分かつ時まで一緒な?


妹「いや、何で兄妹が同時に死なないといけないのさ……」


 え、ダメ?


妹「はぁー……ホント、お兄ちゃんは私がいないとダメなんだから。しょうがないお兄ちゃんだなぁ、もう」


 ――説明しよう。

 今の妹の「しょうがないなぁ」な苦笑とも微笑とも取れる笑顔はまさに至高でありこの時点で人間国宝に登録されてもおかしく無いと言うかするというか申請しようかなああでも私が独り占めしたいのでやっぱり登録はしませんあしからず……っっ!!


 つまり、おやすみ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ