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<2013年1月24日>
「ねぇ、お兄ちゃん。私、思うんだ……大好きなものを大切にするだけじゃ、世の中、どうしようも無いことがあるんだって」
妹が、いつになく真剣な顔でそんなことを言っていました。
いや、きりりとした表情の妹はそれはそれで可愛いのですけどね。
「どうしてだろうね……あんなに想っていたのに、なのに、私、忘れちゃってたんだ……人間の感情なんて、そんなものなのかな」
妹が、いつになく沈痛な顔でそんなことを言っていました。
いや、哀しみを背負った妹はそれはそれで可愛いのですけどね。
ですけどね?
「そんなことを言ったって、その限定ワッフルの賞味期限が5日過ぎている事実は消せないんだぞ」
「ううぅ……」
私の言葉に、妹がいつになく哀しそうな顔をしました。
ゾクゾクしま……心配になりました(え)。
「……お兄ちゃん、新しいの買ってきて……?」
「良いよー」
「良いのかよ」
突っ込み要員、母。




