【7】 深窓の淑女、田舎の淑女
これは、ノーマルカプ小説です。百合ではありません(笑)
ウィルソン様よりは色薄いすけるような金髪で
緩やかなウェーブをえがいて髪を後ろにたらし
毛先がくるんとカールしてる。まつげはお兄様と同じく長く
こぼれそうな蒼い瞳がジッとこちらを見ている。
警戒されているのだろうか、眉をキッと寄せて見ている。
その姿も絵画のように美しいですがッ!!
しかし、とても綺麗な人です。眉目麗しいご兄妹なのですね。
確かに、ちょっと私も身構えてしまいますが
それ以上にレフィリア様の美しさに見惚れてしまいます。
私も、緊張しているのか興奮しているのかドキドキしてたら
『その冷たい視線、我々にはご褒美です!!ありがとうございますっ!!』
以前、お姉さまに求婚するために決闘を申し込んだ男性達が
敗北した後、そう言って去っていったのを思い出しました。
(お姉さまは自分に勝った人と結婚すると公言なさっているのです。
兄様も最初はバカかお前は!と仰っていたのですが兄様を説得されたようで
その後は何も言わなくなりました。どんな強い方と結婚なさるのかしら)
…私の記憶の引き出しどうなっているの!?なんでここでその記憶!?
「…ょう」
今の私の心境があの殿方たちと同じってこと!?
というか睨まれて“ご褒美”ってなに!?
「…トじ…う」
睨んだ姿もお綺麗…とか思ったけどそういうこと!?
「ココット・エルベリー嬢!」
「ひゃっ」
ウィルソン様にすごい険しい顔で腕掴まれて揺さぶられた
……びっくりしたー。
「やはり疲れているのか?」
「す、すみま…申し訳ございません。ゴホン、大丈夫です」
「そうか。レフィリア、彼女が先月話したお前の話し相手
エルベリー子爵令嬢ココット・エルベリー嬢だ。
ココット嬢、彼女が妹のレフィリア・ノールフェストだ。
私は、このまま仕事に戻るが君はどうする?」
紹介を受けたあとレフィリア様はそっと立って淑女の礼をされた。
私も慌ててその礼に同じ礼を返す。ふぁ、本物の淑女はお辞儀も優雅…
「はいレフィリア様のご都合がよろしければ少しお話させていただきたいです」
「レフィリア、君はどうだ?」
「私はかまいませんわ」
こ、声まで美しすぎるなんてっっっっ!
少女らしい甘い高さがありながらもピンとはりつめた気品ある響きもある。
本当に何から何まで美しい深窓の令嬢とはレフィリア様のことを言うのですね。
「では、私はこれで失礼する。サナ2人分のお茶を用意しろ」
「かしこまりました」
そう言って、ウィルソン様と侍女のサナさんと仰るのね
2人は私がさっき通った重厚な扉の中に消えていった
本当にお忙しいのか当人に引き合わせて足早に帰っていかれた
お忙しいのに申し訳なかったな。
…さて、なんて話しかけようかな。
「あの、さっそく質問してもよろしいですか?」
「そのために貴女は残られたのでしょう?その椅子におかけください」
「は、はい。失礼します。
レフィリア様は刺繍がご趣味と伺ったのですが、
今はどんな刺繍をされていますか?」
「今は、なにもしておりません」
「そうなのですか。冬は休業ですか?」
「休業?」
「あぁ、違う。お休みってことです、申し訳ございません」
「気が向かないだけです」
「そうなんですか。それでは、毎日なにをなさっているのですか?」
「見てのとおり本を読んでいますわ」
確かにレフィリア様が私が入ってくるまで読書をされていたらしい
まだ手元にはその本が置いてあってどうやら恋愛小説みたい。
「なんですの?本ばかり読んでつまらないとか仰りたいの?」
「そんなことないですよ!
やっぱり本物のお嬢様はすごいなって感動しているんです
私を育ててくれた侍女のタバサは、いっつも言うんですよ。
『リシアスにいらっしゃる多くのご婦人方は
毎日それはそれは、たくさん本を読んでいらっしゃいます
本を読むことで学ぶこともたくさんございます
たくさんの本を読んで立派な淑女になられてくださいましっ』
って、それはもうヒステリックに叫ぶんですよ。
本は、勉強の時に読んでいるからいいって言ったら今度は本気で怒鳴られて、
書庫に軟禁されたんですよ。本を読むまで出しませんわって。
跡を継がれる兄様はともかく
お姉さまもさほど本を読まれない方なので私も気にしていなかったのですが
たくさん本を読んでいらっしゃる女性にお逢いしたの初めてなんです
尊敬しますやっぱり本から学ぶべきことはあるのでしょうか?」
「えぇ、まぁ…」
さっきまで険しい顔だったのに、今度は顔が引きつっていらっしゃる。
私、またやってしまった?
あのあと、報告を受けた兄様が心底あきれた顔でただ一言
“アホだろう、お前”
と、たいした説教もなく終わってしまったからかなりムカムカして、
話しているうちにムカムカが再燃してぶわーっとまくし立てるように
早口で話してしまった。初日からやっちゃったー。
どうしようかと、背中から冷たい汗が流れるのを感じながら
おそるおそるレフィリア様を見た。
……なんか、クスクス笑っていらっしゃる。
「おかしな方」
初めて見る微笑のレフィリア様は…
『我々にはご褒美で…』
違う!!!
深窓のツンツン姫レフィリア様のご登場です。
声優好きの私は、キャラの声を色んな声優に当てて書いています。
(あ、人格危ないけど通報しないで!)
ココットはまだ未定ですが、伯爵はコニタンこと小西さん、
レフィリア嬢はピングドラムのヒロインの声やってた人。
あんな声で囁かれたらそら萌えるよなって思って…
(だから、人格危ないけど通h(ry)
ココットは兄や姉についてまわっていたので同年代の子とは会った
ことはなくても濃い大人はたくさん見ています(笑)
その濃い男に求婚されるお姉さんいつ出てくるんだろうか…