表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/42

【37】 有能な侍女がお勧めする暇な時間の過ごし方

どさくさにまぎれたのか用意周到なのか…

4日後にお茶会をするので急いで用意を手配しました。


リウムさんには、簡単に食べられるケーキを数種類

あとは…机とか椅子とかの手配はヘレンがしてくれて

ベランダに飾る鉢植えはアバウトな提案だけでロダムさんが

なんか持ってきてくれる事になって、かなり小規模だから

私が持ってこようと思ったものをここの有能な使用人さんたちが

てきぱきセットしてくれる事になったので

とりあえず新しいクロスを作っとこうかなーと。

前使ったのが大型でそれに交差する形で上からかぶせると

前のも再利用できていいわよね。


しかし、2日で出来たけどね!


こんなことなら3日くらいにしておけばよかったー!

しかし、レフィリア様のお体の調子が戻ってなかったら

意味ない話だし。でも、ひまだぁ~~。


「ヘレン、やっぱり勝手にお外に行ってはダメかしら?」


「何か御用がおありですか?

ロダムに御用でしたら私が代わりに伝えてまいりますが」


「そうじゃないの、ただの散歩。エルベリーにいた時は暇になったら

庭に出てお花を眺めていたの。家にこもっていてもつまらないから

庭に出て色々眺めてみたいんだけど、なんというか私も雇われの身じゃない?

他所様の家をうろつくのってよくないことなのかなと思って…

できればいつもの庭じゃなくいろんな所もいってみたいのだけれど」


「普段なら旦那様もお許しいただけると思いますが、

先日も旦那様が仰ったとおりレフィリアお嬢様のパーティ準備のために

屋敷中人の出入りも多くなりますので、今しばらくお控えください」


そうなんです。殿下がいらした翌日ウィルソン様から

屋敷内を大改装!とはいかないにしても色々整備するから

しばらく外に行かないで欲しい。と言われてしまったの。

そりゃ、準備する人の邪魔はしたくないからその時はわかりました!と

言ったけどさ…部屋にこもるのがこんなにも窮屈で退屈だったなんて……


うぅ、ひまだよぅ………




「ココット様!勉強です!」




優雅に仕事をこなす美人なヘレンが眩しい笑顔で走り入ってきた時は

多忙なスケジュールのせいでヘレンの疲れもピークなのかと思ったわ。

(常に一緒に居るわけじゃなく何か打ち合わせとかでちょいちょい離れるの)


「ヘレン…少し休んだら?」


「私は疲れてはおりません、ココット様。

それよりも暇をもてあましておいでのようでしたので

お嬢様の講師の先生に勉強を教えてくださるようお願いしました!」



………ナンテコトヲ



勉強が退屈で退屈で抜け出して兄様に叱られること何度か…

そんな私に勉強だなんて。ヘレンは本当に疲れてしまったのかしら。


「ヘレン、やっぱり休んだら?」


「疲れてはおりません。お部屋の中で知識を広められるのは

ココット様のご趣味にもまた将来のためにもなるかと思います」


「将来…?」


「人の将来は誰にもわかりません。ですから

ありとあらゆる知識を詰め込んでも損ではないと思います」


「趣味に関係あるって事は、針子の先生とか服飾か植物学の先生?」


「いいえ、歴史学の先生です」




私の趣味と何の関係があるのーーーーーーーーーーーーーーー!?




タバサくらいの老齢の女性が現れて国の歴史を教えてくださると思ったら

国の歴史はお家で一通り習っていらっしゃいましたよね?

と先生は仰られて、なぜノールフェスト家の歴史のお勉強……

あの、先生…ここはあと半年未満に去る場所なので今更勉強してもなぁ。

そんな思いが顔に出たのか先生はふわっと笑って


「複雑なお立場にいらっしゃるレフィリア様をお支えするお仕事を

されていらっしゃるなら、今すぐに活用できなくともいつの日にか

お役に立つ情報もございましょう。身に付けて損はないと思いますわ」


そうですよね!レフィリア様の背景を知らないと

お助けする事も出来ませんものねっ。


と人物相関関係をお勉強すると思ったのに…


ゲトゥイレ暦872年、第4王子ロドレント殿下が創設された

ノールフェスト家の話がレフィリア様のお役に立つとは思いませんが…


でも、なんとかレフィリア様のお役に立つかもと出来る限りメモってメモって

メモってメモってメモってメモってメモってメモってメモってメモって…

……私の生涯の中で一番書いた、か…も…



「ノールフェスト家の歴史はこのあたりで終わりといたしましょう。

何かご質問はございますか?ココット様」



あれだけ情報詰められて疑問とか考える余裕はゴザイマセンデス…

とりあえず、王家の方が創られた伯爵家の中ではもっとも古い家で

男子が継承するから甥に…とか叔父の孫に…とか結構複雑に継承されたとか

えーと、レフィリア様の手助けになりそうもない感じのを学びました。



おしまいっ。



「次は、モルトバーン伯爵ついてお勉強いたしましょう♪」


「おしまいじゃないんですかっ!?」


次は周りのご親戚についてじゃないの!?

というか、もう日も暮れてきたからお開きではないの!?

先生…ウィルソン様はとても素敵な方だし

王城で大変なお仕事をされてるのはなんとなく知ってますから。

いや、あの…もうすぐお夕飯だし、お腹すいたし…ヘレン助けて…



ちょっと!頷いて満面の笑みで応援しないでよ!



「では、早速モルトバーン伯爵ウィルソン・ノールフェスト様は

ミュニテ暦1899年11月生まれの御年32歳になられます」


えっ、兄様より3つも上!?

大人な方だと思ったけど本当に大人な方だったのね。

私には遠い世界の方だわ…


でも、大変な事にお役目を拝命した数々の歴史を語ってくださってるのに

お腹がすきすぎて頭に入ってきません先生!!

うーうーうーお腹すいたよー。今日ティータイムもしてないわ。


喜々としてご当主の華麗な略歴と実績を語る先生に

お腹がすいたからお勉強もういいです。とは言えず

結局、お夕飯食べられたのもいつもの夕食の時間1時間過ぎてからでした。



「ココット様、お夕食がおすみになりましたら

ノールフェスト家のご親戚についてお勉強いたしましょうか」










もーーーーーーーーいやぁぁぁぁ!!!








こ日付が変わって3時間半後ベッドに沈むように深く深く眠りにつきました。

もう、ヘレンに暇だ。なんてぼやかないっ。

ヘレン「次はマナー講習を受けていただこうかしら♪」


ココットは好き勝手動いているようですが、

侍女にヒトコト言ってから出歩いてます。

でもたまに忘れて周りの者をあたふたさせていますが(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ