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【18】 お茶会準備 ―1―

「レフィリア様に、花壇のお花を見ていただきたいのです」


前回の自分の事しか考えない行動を改め、

レフィリア様のためになる事は…と考えたら

以前お庭に出られた事が無く一度見てみたいと仰られていたので

花を見るためのお茶会などをしてみたいと提案してみました。


自分の家ならともかく他人様のお宅なのだからご当主の許可が必要よね。

それにレフィリア様個人にも何やら制約があるみたいだし

こういう大掛かり(?)なことも参加していいのかお聞きしなくては。


「かまわない。君の好きにするといい。

屋敷の人間には連絡しておくので気兼ねなく頼むと良い」


「はい!ありがとうございます!!」


…あれ?あっさり、許可いただけた

とても厳しく行動制限されていると思ってたから

行動計画とか内容とかを厳しくチェックされるのかと思った。


「邸内は自由にしていいというのに

趣味があのように屋内で行えるものばかりで

外を出歩かなくてな。君が彼女を外に連れ出して欲しい」


「はい、お任せください…あ、ありがとうございます。いただきます」


「レフィリアは、元々小食で私もここにいないことが多く

シェフが腕をふるえなくて困ってたらしい。君が良く食べるので喜んでいた」


……わ、私そんなに大食デシタカ?


そ、そりゃ、ここの料理はとても見た目が豪華で

味も繊細で美味しいから食が進むけど…なんだか暴食する人みたい、私。

報告を兼ねてウィルソン様がお屋敷に居られる時には

執務室でレフィリア様のご様子と邸内を散策した時の感想を

お伝えしているのですがその時にいつも美味しそうなケーキとお茶を

用意してくださるんです。


お仕事なのにこんなに美味しい思いしていいのか?


と常に思っているけどご厚意を無にする発言もどうかと思うし

(前もご厚意を無にしちゃった話をしてしまったし)

せっかくこんな綺麗で美味しいケーキを用意してくださったのだから。と

ありがたくいただいてます。ちなみにケーキは私だけ。

ウィルソン様は砂糖なし紅茶を優雅に飲んでいらっしゃいます

甘いモノはあまりお好きでは無いのかな。パーティでもそうだったし。


でも、そんなにガツガツ食べる女の子ではないですから!


美形な方はどんな行動も絵になるから素敵ですね。

なんだか世に言うデートのようなシチュエーションですが

立派に仕事していますよ。し・ご・と!

気品あるお顔でじっと見られていますがドキドキしますがお仕事です。


はっ!


試練なのでしょうか。惚れることなくお仕事をまっとうできるかって言う…

確かに惚れてしまって目的を忘れ恋に現を抜かしては社会人失格ですから

最近私が問題ばかり起こしているから試されているのかもしれません!

レフィリア様のために、ちゃんとお仕事するかどうかを。



ちゃんとお仕事完遂するためにも、ご当主の美貌には負けません!



そういう気持ちを心の中で決意して行動開始しました

まずは、レフィリア様の予定を管理しているミセス・フェブリーに

日程を決めてもらいました

材料の調達やらを考えて10日後にする事にしました


次は、主役。お花の管理者ロダムさんに花壇の配置を相談しなくちゃ

しかし、いない。いつもの花壇に居ないから塀の方まで行ったら

新人さん達が居たので聞くと奥の花壇の手入れをしているとの事

広くて道に迷うから。と、一人の新人さんが呼びに行ってくれました。


「もしかして、ロダムさんの彼女?」


もう一人の新人さんが、好奇心旺盛な顔で聞いてきました

とてもキラキラした顔で申し訳ないけど違うんです。


「ううん。あっちの花壇を少し入れ替えたいから相談したいと思って…」


「…あそこ、この伯爵家のプライベート花壇だよね。何かあったの?」


「…?何も?反対に何かあるの?」


「だって…アレだろ?旦那様の思い出の花壇で立ち入り禁止なんだろ?」


「っえ?だって私何度も入ったしウィルソン様に咎められなかったわ」


「え!?君、旦那様の奥方になる方なの?」


「まままままさかっ!!どうしてそうなるの!

私は、レフィリア様のお話相手として呼ばれたココット・エルベリーです」


なんで、咎められなかったことがウィルソン様の奥様候補につながるわけ!?

確かに外部から来た貴族の娘。って状況だけ聞くとそんな感じするけど

ぜんっっっっっっぜんだよ。ウィルソン様に失礼だよ!

話飛びすぎてものすごくビックリしたわ~。


すると小柄な体格のロダムさんが大急ぎで走ってきた。


「…ぉ、ハァ…お待たせして、も申し訳ございませっ…ゴホッ」


「どっ、どうしたんですか!?」


「…ハァ…ゴホン。ま、お待たせして申し訳ございま、せん」


「ロダムさん?そんなものすごく丁寧な話し方でなくてもいいんですよ?」


「…いや……、あ、用件は何でしょう?あ、こちらへどうぞ」


なんだかものすごく丁寧な応対をされながら、

ロダムさんに最初に会ったあの花壇まで案内された

最初に会った時はあんなにフランクな感じがしたのにな…

エルベリーが貴族の名前って教えられたのかな。


屋敷の人何人とお友達なれるかとワクワクしたのに

貴族の名前って想像以上に強力なんだ…なんか悲しい。


レフィリア様に、花壇を見ていただくために

お好きな花とか誕生花とかふさわしい花言葉のお花がないかと

聞いたらさすがお花に詳しい庭師!あれこれ構図を練ってくれました

詳しい解説と花言葉を書いてくれたので、私も暖かい気持ちになるよう

黄色の花の周りにオレンジの花を配置して

暖色系でレフィリア様を迎えていただくことにしました。


植え替えを手伝おうとしたらロダムさんは頑なに手伝うことを拒否します。

私は、私の我侭でみんなの仕事が増えてしまうことが心苦しいから

手伝わせて欲しいというのにそれでもロダムさんは駄目だって

力仕事は、お父様の畑仕事を手伝ってたから自信あるの。って言ったら、


「ココット様、小さなパーティといえど準備はたくさんあります

僕の方はいいですから、他の方に指示を出してください」


「でも…」


「ここに勤めて22年。やっと伯爵家の皆様に見ていただく機会を得ました。

とても嬉しいんです

いつも、綺麗に育てて飾り植えても見てくださいませんでしたから

それに、色々な案を考えながら決めていくのも

仕上がりを想像しながら配置していくのもとても楽しみなんです

苦ではなくむしろお礼を申し上げたいくらいです

それに、皆さん少しずつこの話題を知り始めて参加できるのを

楽しみに待っているんですよ。だから、どうか皆さんのところへ

声をかけてあげてください。みんな待っていますから」


「人手が足りなくなったら言ってね。すぐに行くから」


「若い者にやらせますから大丈夫です!ありがとうございました!」


「うん!ありがとう!!」


やっぱり、私が貴族だから。と丁寧な口調はそのままだけど

話す雰囲気は、出会ったころの温かい優しさに戻ってて


なんだか、ほっとした。


どうしても、接し方は貴族向けになってしまうのはしょうがないけど

やっぱり、親しみある暖かい雰囲気で話せるといいな

友達になるのは、まだ無理かもしれないけれどそれに似た幸せが来るもの。



そうしたら、みんな自然と笑顔になるもの!



ね、素敵ね。


あまりトキメキのない日常が3―4話続きます。すみません。

…しかし、ラブが無いかといえばそうでもなかったりする。


伯爵様が、秘かにお茶デートらしい事なさっています(´;ω;`)ブワッ


不器用なのかヘタレなのか、わけありなのか…

いつか、伯爵様視点で書ける日が来たら解るかもしれません。


伯爵邸についてですが、長方形の形をしたお屋敷で(真ん中開いた部分は中庭)

お屋敷から敷地外へ続く道は屋敷の中央から(~)のように波をうって伸びていて

ココットのいた伯爵家専用庭園は、建物の(建物を前から見て)右端

ロダムは、道路を挟んだ左奥に居たのでココットでは無理だろうと

新人に走らせました。ココットは、いつもその伯爵家専用庭園にしか現れません。


左側庭園は、ウィルソンの代になってからは行われない

パーティなどの来賓向けの庭園です。どちらにしろ伯爵家は現れないという…ね

だから、ロダムはあんなに喜んでいたんです。

ちなみに、ウィルソンは本当に仲のいい友人しか家に招かないので

家のもの達も退屈な生活を送っています。

これから、その屋敷の者たちとの交流の話です。


……伯爵様と、いつラブるんだよぅ(つд⊂)エーン

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