【14】 夢で会いましょう。
熱いお風呂で夢を見ていました
心臓が早鐘のようになっています…のぼせますね
早く出たいのですが…フワフワしたものにくるまれて出たくないです
気持ち良いかと思ったら…全身が重くなってきました…
さすがにこのまま寝てしまったら…沈んでしまいますね。
あぁ、冷たいです~
侍女さんがのぼせ対策に冷たいものを頭に乗せてくれました
ここの侍女さん達は本当優秀で私が言わなくても
欲しい物が出てくるので気をつけないと私…
ダメ人間になりそうです~
ハァ。ハァ…ハ…
息が熱いですね。そろそろ出ようかな………
でようかな。
どうしようかな…
出たく、ないな。
あぁ、冷たいですね。
頭につめたいものが追加されました
『調子はどうだ』
あれ、兄…さま?
『寒くは、ないか?』
(はい、さむくないです。あたたかいですよー)
ここは、風呂だと思ってたのに私の部屋だったのか
どうりで………なんだっけ
あ、布の感触しますね。
おふとん、とーん。
でも、熱くなってきましたよ
(あにさま、あついです。おてて…つないで)
あひ。冷たいですね。兄様いっつも冷たい手なんだもの。
血が通わない手だって言ったら…
愛はあるぞー。ってほっぺたにじゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…って
口付けくださいましたよねくすぐったかったわ
(おてて、つめたいですよ…ふ…あたたかくしなくちゃ…だめだからね)
『君から熱をもらった。十分温かい』
また、そんなこと言って
『何かほしいものはないか?』
何か欲しいものかー
何かのご褒美…か、な……
(ぬのとーはりーー…ほしいー)
『…………。食べられるものはないのか?』
(はり…はり、、はりで…たべます。ぬのたべます)
『それは…食べてはいけない』
(ししゅう、するの…れふぃり…さまにおみま、い、したいの)
『それは、元気になってからだ』
(あい…)
『冷たいものはいらないか?』
(つめたぁーい、はぁ、アイス…たべた、い…な………)
目を開けると部屋はオレンジ色に染まっていた
えぇ?
何でかな昨日はきちんと夜になって寝巻きに着替えて休んだはずなのに。
しかも、体がものすごく重い。
頑張って起きると頭がグラングランする…何で目を回しているの?
「まだお起きになってはなりません。お布団にお入りください」
かけてくる音の方をみると、美貌のヘレンがいた。
布団に強制連行された私。起き上がっただけなのにすごく重い。
「へ、レ゛…あ゛」
声が出ない、しかも、のどが猛烈に痛い。
「お風邪を召されたのでございますよ。
お久しぶりでございます、ココット様。昨日から復帰いたしまして、
しばらくココット様のお世話をさせていただくことになりました」
「な゛、で…」
「あまり無理にお話しにならないでください。
今朝、朝食を運んだ侍女からココット様のご様子がおかしいと
ミセス・フェブリーに連絡がありお医者様をお呼びしたのでございますよ
今、お目覚めになるまでずっと意識が朦朧となさっていたのです
重い風邪と診断されました。あ、何か召し上がられますか?」
「ぁ…」
「あ。申し訳ございません。
私が、いくつか候補を申し上げますから首を動かすだけで結構です。
スープはいかがでしょう」
ううん、食べたくない
「では、アイスですか?」
うん、冷たいの食べたいよくわかったね
アイスを持ってきてくれるためにヘレンは退室した
冷たいアイスに冷たいジュースで体が冷えたようだった
ホームシックになったんだろうか、兄様の夢を見るなんて。
風邪なんて何年ぶりだろう。レフィリア様のご容態はどうなんだろう。
ヘレンに甲斐甲斐しくお世話をされながら、
一通り考えた所で薬による睡魔が襲ってきて真っ暗な世界へと向かった。
熱のときは不思議な夢を見たり
言動がおかしかったりしますよね。
子供が、状態変化する何かが迫ってくる!
と大泣きした日には、私まで恐怖でどうにかなりそうでした。
10年前風呂で“逆さまの上半身だけ出た人が男女複数いる”
なんて言った子ですからね。何かいるのかと怖かったです。
実際は目の前のテレビに写るキャラが熱でぐにゃぐにゃに
見えただけですけどね。
さて、ココットの見た夢は正夢?それとも…




