奇人子爵の家族紹介
ヴォルファレーナ王国の南東の端にエルベリー子爵領がある。
ヴォルファレーナが大きく発展していく中で、エルベリーだけが
時代が止まったそんな感じのする昔ながらの農業の町。
そのエルベリー領を治めるロトノア・エルベリー子爵一家は、
ヴァルファレーナでも有名な家族だった。奇人子爵といわれるほどに。
家長ロトノア・エルベリー子爵は趣味が畑仕事。
対外的な仕事以外は、すべて息子に任せ
朝から晩までマイ畑で土いじりに精を出す。
もっぱら自宅用だが、出来がいいと領民に分けたりもする。
研究熱心なのか町に下りて農家の人間と良く話す。
普段から農作業スタイルでいつもどこかの畑にいるので
他所から来た人間は領主はビルケットだと勘違いする。
長男ビルケット・エルベリーはボードゲームが趣味。
父親に押し付けられる事務仕事を適当にこなし
家人・客人問わずついでに時間も問わず勝負を仕掛け
いつか訪れるであろう最強王者(?)との
対決に備え日々鍛錬を積んでいる。
ちなみに本当に時間的配慮が無いため
道具を持って走り回るビルケットを見かけると
家人は大慌てで忙しく仕事をするフリをする。
理由は1ゲーム1時間は離さないため。下々だって忙しいんです。
長女ルフィーナ・エルベリーは鍛錬が趣味。
特に剣術が得意だが、最近は格闘術にハマっているらしい。
ふんわりとした髪、ぷっくりとした唇、豊満なボディ
女性としての魅力は抜群だが、その肢体に魅了されていると
あっという間に対戦相手は病院送りにされてしまう。
ヴァルファレーナ王帝騎士団から誘いがあったものの
「同じ相手と鍛錬していると自分は強くなれない」と
断り続け世界のどこかで武者修行中である。
そして、この物語の主人公次女ココット・エルベリーは
裁縫が趣味。とにかく何か縫いたい。縫い物中毒患者である。
平面長方形の布をバサバサ切り、針で縫っていけば
イメージどおりの服が完成する。
「平面なものを立体的にするなんて魔法みたい!」
と能天気にこそこそ針仕事に精を出す。
…でも実は、侍女に止められているのだ。
長女姫があんな状態なのでせめて次女姫だけでも真っ当な
子爵令嬢として育て上げるため道具一式を没収されてしまった。
縫い物禁止令を侍女頭タバサから出されて5日。
早くも禁断症状が出ている。針ッッ!!!針持ちたい!!
ちなみにスミレ・エルベリー子爵夫人は、15年前に他界している。
よそから嫁いだせいか、彼女だけ真っ当な貴婦人だったのだが。
そんな田舎貴族エルベリー一家は、今日もマイペースに趣味に没頭する。
物書きマイブーム到来したので試しに書いてみました。
B型マイペースの私脳は本当気まぐれなので気長に待っていただけたらと思います。
天然×不器用 って最強だよね。