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心は美し  作者: yama14
9/9

第007章  「一つの方向性」

朝の明るい日差しが、自室に舞い込んでくる。

「もう、朝か…」

非常に目覚めが悪い。

昨日ずっと歌詞をかんがえていたから、睡眠時間がなかなかとれず、結果、こういう風になってしまった。まぁ、深夜一時過ぎに寝るということ自体、こうなるのは目に見えていたのだが。


歌詞は、思い浮かばなかった。

俺は、広尾と組めたら、オーディションを受けながら、路上で歌っていこうと思う。そして、最終的には、オーディションに受かって、路上を脱するという方向性でいきたい。

しかし、路上で歌うのなら、まず作詞・作曲を広尾と分担しながらやらなきゃいけない。しかし、さっきも言ったが、どんな歌詞を書けばいいのかがわからない。

心にまっすぐに響いて、それに、人々のエールになるような歌詞を、書きたいという気持ちは、強い。

そして最近は、日常の中の少しの変化も見逃さないようにし、きっかけを掴もうとした。これも、緒方先生に言われたのである。


「なにか、人生の方向転換をしたい、君に当てはめるならば、君が望んでいる歌詞を書きたい、だな。そういうきっかけを掴みたいんだったら、受け身になっちゃいけない。自分から、きっかけを掴みに行くんだ…自分から、自発的に、だよ。」


そう言われた。自分から、だ。

けど、初めての作詞の方向性は、「生」「~生きるということ~」にした。俺は、「生と死について」、深く考えてみた。辞書には、生と死は、こう記載されていた。


生きる

1 人間・動物などが、生命があり活動できる状態にある。生命を保つ。生存する。

2 ①生計を立てる。生活する。

  ②そこを生活の本拠として暮らす。また、意識的能動的に毎日を過ごす。

  ③そのことに生きがいを見出して日々を送る。

3 あたかも命があるような働きをする。生き生きする。また、理念などが失われずに後世まで伝えられる。

4 うまく活用することによってそのものの価値が発揮される。効果を現す。

5 効力が失われていない。

6 野球で、塁に出たランナーがアウトにならずにすむ。

7 囲碁で、目が別々に二つ以上できて自分の地となる。


死ぬ

1 命がなくなる。息が絶える。また、自ら命を断つ。

2 そのもの本来の力や働きが果たされなかったり、うまく利用されなかったりする状態になる。活用されなくなる。

3 そのものがもっている生命感や価値がなくなる。生き生きしたところが失われる。生気がなくなる。

4 動きなどがなくなる。やむ。

5 囲碁で、敵の石に囲まれて取られる。

6 野球で、アウトになる。


「自ら命を絶つ」という部分に強く目を惹かれた。

自ら命を絶つ・・・か。

こんなことが辞書に記載される日本は、どうなんだろうと思った。こんなことが記載されないような世界になってほしいと思った。


そして自分は一つの方向性を定めた。

「生きていくことは楽しいと伝えられるような歌詞」

それを目指したいと思った。


生きていることが幸せだと思って、一人でも自殺する人が減ってくれればよいと思ったからだった。


そして俺は、ノートに鉛筆で強く、太い字で歌詞を書きだした。


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