え、なんか出向になったんですけど!?
初投稿です。
一応、暴力的な表現は後々出てくると思います。
それと世界観の説明を出そうと思っているのですが、僕の文章能力が拙いのでクドクなること請け合い。
文章能力は低めなのでご注意。
誤字脱字、文の意味がわからない、もっとわかりやすい表現があるよ、などありましたら教えて頂けると幸い。
以上の事をお許しいただける方はよろしくお願いいたします。
注意:亀より遅い更新になるかもしれません。
1.
「──は?」
とある田舎の交番。
そこで1人の青年が、上司に対してそんな素っ頓狂な声を上げる。
青年の名前は『九条 悟』。20歳。身長は175cmの中肉中背。
2年前に警視庁警察学校を卒業し、この交番へと配属された。
彼の手には1枚の紙が握られている。
それこそ、彼が素っ頓狂な声を上げた原因だった。
「……栄転らしい。喜んでおけ」
九条の目の前で、紙を渡した張本人である上司の男──久保が椅子に腰をかけたまま言う。
年齢は50代半ば。ビールで膨らんだお腹が近くの小学生に人気の巡査部長。
久保はいつも微笑んでいる。さすがに、事件があったときなどは厳しい顔をしているが。
だが、その久保は事件でもないと言うのに今日は笑っていない。笑えなかった。
せっかく、モノになってきた若い者が──よりにもよって『あんな所』へと向かわなければならないのか。
その心中は怒りで染まるというもの。
2年程しか一緒に仕事をしていなかったものの、子供のいない久保にとって九条は自分の子供と同じような存在だ。
自分自身の子供のように夫婦で面倒をみていた。
時に晩御飯に誘い、一緒に酒を交わし、一緒に雑魚寝した事さえある。
久保の妻も、九条をまるで我が子のように接し可愛がってきた。
「あの、冗談ですよね……?」
九条は自らの顔の筋肉が引きつるのを感じながら言う。
冗談であって欲しい。そう願う。
たとえ握っている辞令が警視庁長官の名前と判が押してある、見るからに正式なものであろうとも。
うろたえる九条の顔を見ながら、久保は横に顔を振ることしか出来ない。
所詮は公務員。上の命令には従うしかないのだから。
久保の諦めた表情に、九条は頭が真っ白になり、描いていた未来が音を発てて崩れ行く幻想を見る。
……ああ、どうしてこんな……。と、小さく呟く。
公務員になることを決め、努力した九条の夢は1枚の紙によって儚くも崩れた。
九条の手には、こう書かれた辞令書が握られている。
『九条 悟』上記の者を『株式会社 日本民間警察』へと出向するものとする。
『株式会社 日本民間警察』は度々ニュースになる、殉職者の多数出る曰く付きの会社だった。
お読みくださり、ありがとうございます!
24年1月5日 思うところがあり、1人称から3人称への改定しました。