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セレーネに転生してから1ヶ月。私はこれからのおおまかな計画をたてた。
1, 国外追放等にそなえ、できる限り金を貯める。
2, 自分の身を守れるように、魔法や剣術を使えるようになる。
3,この国や周辺の国の情報を集める。
4, 乙女ゲームの攻略対象らしき人には近づかない。
1は国外追放された場合を考慮している。追放されたらその国でうまくやっていかないといけない。そこで普通の生活をするとなるとある程度の金がかかるはずだ。だから金は稼いでおく必要がある。稼ぐ方法だが、私は日本の知識を持っている。その知識を利用して商売をするとよいのではないだろうか? 次に2だが、実はこの世界には魔法が存在している。私は前世でファンタジー小説をたくさん読んでいたので、そのことを知ったときにはとても嬉しかった。ぜひ、魔法をやってみたい。さらに、私の親、アクエリーン公爵はこの国にある魔術師団の団長なのだ。つまり魔法がとても得意ということ。その才能が自分にも遺伝していることを期待しておこう。
3だが、これは知識はやはり多い方がいいということだ。もしこの国に残れたとして、自分が優秀であればよい就職先にいけるかもしれない。周辺の国の情報集めはこれまた国外追放対策だ。私自身、勉強は嫌いではいし、がんばろう。
4については非常に大切なことだ。そもそも攻略対象に関わらなければヒロインと敵対関係になることはない。大人しくモブみたいな感じで過ごせばよいだろう。
「これらは私の命に関わってくるんだ。がんばらないと。」
その後私はさっそく勉強しに、お屋敷にある図書室へ向かった。ものすごい量の本がある。初めて行った時はとても感動した。本好きだった私にとっては夢のような場所だ。
「あれ、セレーネ。こんにちは」
「こんにちは。お兄様。」
着くとそこにはお兄様がいた。名前はラグエルだっけ?覚えておかないと。
「どうしたの?ここに来て。」
「いや、あの勉強しようかなと思って。」
「君、まだ6歳の子供だよね?もう勉強なんてするの?」
「はい。知識は武器になりますから!」
「セレーネって難しい事言うね。」
しまった、調子にのってしまった。今はとりあえずお兄様のもとを離れよう。
「では、私は勉強しているので。」
「あ、ちょっと待って。僕が教えてあげようか?」
「えっ?」
「あ、嫌だったら全然いいけど、」
教えてもらうのか。確かに本で見るよりは勉強になるだろうけど、あまりお兄様には近づかないほうがいいと思うんだよね。いや、けどこれで関係が悪化したらやだし…..よし、今回はとりあえず教えてもらおう。
「ぜひ、教えてください!」
私がそう言うと、お兄様は顔をぱっと輝かせた。
「うん、では僕の隣に座って。」
隣ですか。あまりよろしくないけど、今回は妥協するか。
「で、セレーネは何を勉強したいの?」
「この国についてですね。地理とか歴史とか。」
「6歳の女の子ってそんなことに興味を持つの?」
「いや、なんか役に立ちそうかなって。」
「わかった。」
その後30分くらい勉強を教えてもらった。その間にこの地域と周辺地域とのおおまかな関係がわかった。ここは私の父、アクエリーン公爵がもつもので、ブルーベル領というらしい。水が豊かで人口も多い。比較的治安のいいところみたいだ。
「勉強はこれくらいにしよう。」
「それにしてもセレーネって頭がすごくいいんだね。」
そう、私も驚いているのだが、セレーネの頭はとても記憶力がよい。前世の私もそこそこよかったが、それの比にならない。これが、悪役令嬢の能力ってやつか?まあ、とにかく頭がいいなら今後に役立つのでラッキーだ。
部屋に戻った後、私はさっきのことをぐだぐだと後悔していた。
「やっぱ関わるんじゃなかった。」
いやけどあんな可愛い顔で懇願されたら断れるわけないな。一応私の中身は17歳くらいだ。自分にとってはラグエルはだいぶ子供だ。
「よし、これからは絶対に関わらないようにしよう。」
あれから数日たった。私は平穏な日々をおくって…いない!
なぜかあれからラグエルがやたらと関わってこようとするのだ。
「セレーネ、今日は勉強しないの?今日も教えてあげるよ?」
「ねえね、この後一緒にお茶会しない?美味しいお菓子がたくさんあるよ。」
などと誘ってくる。私はその度に
「今日はええっと、読書をするので。」
などと言い訳していた。だが、もうさすがにキツい。てか、なんでこんなに私に関わってくるの?私悪役令嬢だよ?もしかしてもう断罪を視野にいれていて、私を陥れようとしてる?え、はやくない?それだと悪役令嬢そもそも学園に登場しないんですけど。は、実はもうヒロインに出会っていているとか。だとしたら、まずい。私はまだ子供だ。もしこのタイミングで断罪とかされたら生きていけない。まだ金も溜まってないのに。とりあえずお兄様が私に関わってこようとする理由を突き止めなければ。よし、こうなったらストーカーしよう。
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「セレーネ様、今日のお洋服は何にいたしますか?」
「この服でお願いします。」
私はそう言ってグレーの服を選んだ。もちろん建物などのそばに隠れやすくするためだ。今日はラグエルは街に買い物に行くらしい。これはメイドが話していたのを聞いた。私はそれにこっそり着いていくつもりだ。だって、街に行くなんて怪しすぎる。絶対誰かに会うのだろう。計画はこうだ。まず予め私は街の入り口へ行っておく。そして、来るのをひたすら待つ。きっと合流できるはずだ。うちとその街の入り口の距離を考えると、ラグエルが使うであろう入り口は1つにしぼれるからだ。そして見つけたあとをひたすら追跡する。そして帰りは普通に帰る。計画は以上だ。メイドには今日は部屋にこもって勉強すると言ってあるので大丈夫なはずだ。
「あ、もうそろそろ時間だ。」
私はマフラーを巻き頭には帽子をかぶった。今は秋の終わりくらいなので、別にかぶるほどの寒さではないが、私の髪色はとても目立つ。それを隠すためだ。
「よし、がんばるぞ!」
私はひとことつぶやいて屋敷の外へ抜け出した。




