表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

童話と詩作

翡翠色の宝石の海と白い島からのきらきらギフト

作者: 辻堂安古市





これは、世界のどこかのお話です。



空のずうっと高いところに、「メロン・ソーダ・シー」という輝く緑色の海がありました。

そこでは、お日様の光を浴びるたびに「シュワッ、パチパチ」と楽しそうな音を立てて、金色の泡が空へと飛んでいます。




この海には、小さな精霊のクリムが住んでいました。

クリムのお仕事は、海の上に浮かぶ大きな大きな「バニラ・アイス・アイランド」をお手入れすること。


「よいしょ よいしょ。今日もまあるく、ツヤツヤに♪」


島をまあるく、つやつやにするのはけっこうたいへんです。でも、クリムはこのお仕事が大好きでした。


「今日もキレイだね!」

「ありがとう!」





ところがところが。


ある暑い日のこと。

お日様があまりに元気に笑ったので、アイスの島が少しずつ溶けだしてしまいました。


「わぁ! このままじゃ、海が真っ白になっちゃうよぉ!」


クリムが慌てていると、アイスのからトロンと白いしずくがこぼれて、緑色の海に混ざり合いました。





するとどうでしょう。


透き通っていた緑色が、淡くて優しい、宝石の「オパール・グリーン」の色に変わったのです。

それは、これまでに見たことがないほど、甘くて幸せな魔法の色でした。


「わぁぁぁ!こんなやさしい色になるんだ!」





そこへ、空を旅していた「チェリー・バード」がやってきました。

鳥は真っ赤に輝く、ツヤツヤのさくらんぼを一つ、アイスの島の一番高いところにそっと置きました。


「クリム、これはお土産だよ」


緑の海 白い島 そしててっぺんで輝く真っ赤なさくらんぼ。

それは、世界で一番大きな、Γ空のクリームソーダ」のでき上がりでした。





「なんだか、とっても幸せな気分になるよ。これをみんなにおすそ分けできないかなあ」


そう考えたクリムは、メロンソーダ・シーに住む女神さまのところに相談に行きました。

女神さまはキラキラ輝く空のクリームソーダを見てにっこり微笑みました。


「そうですね。では、みんなに幸せをお届けしましょう」


女神様が銀色のストローの杖をひと振りすると、空から「しゅわしゅわの雨」が降りそそぎます。

その雨を浴びた地上の子どもたちは、みんなふしぎときらきらの笑顔になり、心の中が甘いワクワク感でいっぱいになりました。





あなたもよく晴れた午後に空を見上げてみてください。


もし雲がバニラアイスのように白くて、空のどこかが透き通った緑色に見えたら。


それはクリムが、新しいクリームソーダを作っているのかもしれませんよ。






おしまい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
巨大なクリームソーダの中に入ったような世界観が夢に満ちていて良いですね。 あの企画に参加した身の人間としては、何とも懐かしくなってきます。
私も「しゅわしゅわの雨」を浴びたくなりました。 空を見上げたら、透き通った緑色を探したくなりますね。 読ませていただき、ありがとうございました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ