翡翠色の宝石の海と白い島からのきらきらギフト
これは、世界のどこかのお話です。
空のずうっと高いところに、「メロン・ソーダ・シー」という輝く緑色の海がありました。
そこでは、お日様の光を浴びるたびに「シュワッ、パチパチ」と楽しそうな音を立てて、金色の泡が空へと飛んでいます。
この海には、小さな精霊のクリムが住んでいました。
クリムのお仕事は、海の上に浮かぶ大きな大きな「バニラ・アイス・アイランド」をお手入れすること。
「よいしょ よいしょ。今日もまあるく、ツヤツヤに♪」
島をまあるく、つやつやにするのはけっこうたいへんです。でも、クリムはこのお仕事が大好きでした。
「今日もキレイだね!」
「ありがとう!」
ところがところが。
ある暑い日のこと。
お日様があまりに元気に笑ったので、アイスの島が少しずつ溶けだしてしまいました。
「わぁ! このままじゃ、海が真っ白になっちゃうよぉ!」
クリムが慌てていると、アイスのからトロンと白いしずくがこぼれて、緑色の海に混ざり合いました。
するとどうでしょう。
透き通っていた緑色が、淡くて優しい、宝石の「オパール・グリーン」の色に変わったのです。
それは、これまでに見たことがないほど、甘くて幸せな魔法の色でした。
「わぁぁぁ!こんなやさしい色になるんだ!」
そこへ、空を旅していた「チェリー・バード」がやってきました。
鳥は真っ赤に輝く、ツヤツヤのさくらんぼを一つ、アイスの島の一番高いところにそっと置きました。
「クリム、これはお土産だよ」
緑の海 白い島 そしててっぺんで輝く真っ赤なさくらんぼ。
それは、世界で一番大きな、Γ空のクリームソーダ」のでき上がりでした。
「なんだか、とっても幸せな気分になるよ。これをみんなにおすそ分けできないかなあ」
そう考えたクリムは、メロンソーダ・シーに住む女神さまのところに相談に行きました。
女神さまはキラキラ輝く空のクリームソーダを見てにっこり微笑みました。
「そうですね。では、みんなに幸せをお届けしましょう」
女神様が銀色のストローの杖をひと振りすると、空から「しゅわしゅわの雨」が降りそそぎます。
その雨を浴びた地上の子どもたちは、みんなふしぎときらきらの笑顔になり、心の中が甘いワクワク感でいっぱいになりました。
あなたもよく晴れた午後に空を見上げてみてください。
もし雲がバニラアイスのように白くて、空のどこかが透き通った緑色に見えたら。
それはクリムが、新しいクリームソーダを作っているのかもしれませんよ。
おしまい。




