3."A title of 7" -a1 『雑談』
【Contrast】、3章目に突入です。
今回は初夏、7月のお話です。
今月は誠にどんな出来事が降りかかるのでしょうか…?
どうぞお楽しみください!
*感想、評価、誤字脱字報告などありましたら、ぜひよろしくお願いします!*
-a1『雑談』
「よう、誠―!はよーっす。土曜に補修とか、マジだりぃな!」
「あっ!矢吹じゃねえかっ。おはようっ。」
「…お?どうした、今日は何か機嫌いいな、お前。」
「どうしたって…お前、まさか忘れたとは言わせない。」
「……誕生日だっけ?いや、誠は確か誕生日冬だよな……。」
「なに言ってるんだ、矢吹よ。今日は…アレの発売日だろ。」
「………おあ!!すっかり忘れてた!!あれか、じーちゃんクエスト7の発売日だ!!」
「そう!あの国民的ゲームソフト、じちゃクエの発売日!!」
「オレ、ネットで予約して家に届くようにしてあったから、すっかり忘れてたぜ…。」
「俺は今日放課後にすぐゲーム屋に行くんだ。帰ったらすぐプレイしたいからな!」
「おー流石ゲーマー!オレっちに負けず劣らずのゲーム好きっぷりだな!」
「学校でゲームの話はしないようにしてるんだけどな…今日ばかりは話してしまった。ずっと楽しみにしてたからな…!」
「ん?なんで学校でゲームの話しねえの?」
「なんでって……なんか、恥ずかしいだろ。」
「なーーーに言ってんだ、誠よ!!」
「った!なにすんだよ、おい!」
「…お前はありのままの中澤誠で十分カッコいいじゃねえか……恥ずかしがることなんてねえ……。」
「…矢吹……なに言ってるんだ、お前は。」
「っかー!お前は!またそうやって謙遜ぶりを発揮するだろ!」
「いや、そんなことないって。」
「お前ほどモテたら、もっと自意識過剰になってもいいはずなんだけどな。誠はすげえよ。」
「……買いかぶりすぎだよ。」
「ま、俺はそんなお前が好きでつるんでんだけどな。かかか!」
「…ありがとうな、矢吹。」
「?オレお礼言われるようなこと言ったか?…まあいいや。そういや誠よ。」
「どうした矢吹よ。」
「5月位にさ、4月から1か月も経たないうちに11人に告られて、全員をすっぱり振った凄い奴がいるっていう話したの、覚えてるか?」
「ああ…なんとなく覚えてる。確か全員が親衛隊になって…とか、だよな。」
「そうそう!そのだな、11人斬りの主が誰なのか、オレっち分かっちゃったかもしんない。」
「えっ、そうなのか?」
「有力な噂話を入手してな…。それによると、2年生にそれが出来るにふさわしい人がいることが分かったんだ!」
「2年生か。そういや、あんまり俺らと関わり無いから、どんな人がいるのか知らないよな。」
「そうなんだ…その人は、噂によると、”フランソワ先輩”と言うらしい。」
「……フランソワって、外国人……??」
「そう!聞く話によるとドイツ人とのハーフらしいんだ!」
「それは、…いかにもモテてそうだな…。」
「だろ?!絶対この人だ、11人切りの主は!間違いねえ!」
「可能性あるな…。けど、”フランソワ先輩”てファーストネームに先輩ってつけてるんだな。」
「いや、フランソワはミドルネームだそうだぜ。本名は“シュナイダー・H・明星”。」
「しゅ…シュ?」
「“シュナイダー”だ。にしてもいかつい名前だよな!」
「…え、いやまて。ミドルネームが”H”で”フランソワ”って、おかしくないか?”フランソワ”だったら、普通イニシャルは”F”だろ。」
「…確かにそうだけど、あれは”フランソワ”だって!もう、いかにも”フランソワ”な顔だちだから!」
「どんなだよ、それ!」
「お前もみればわかる!絶対”フランソワ”だから!」