2."the Sixth sense" -c1 『余談』
-c1『余談』
「おーっす、誠。今日こそは一緒に帰ろうぜー。」
「矢吹。おう、今日は大丈夫だ。」
「…最近お前、すぐ帰っちまうからオレっち寂しかったぞ。」
「なに言ってるんだよ…。だからって後をつけるのは止めてくれ。」
「あちゃ!気づかれてたか!」
「分かりやすかったからな…。」
「まあまあ、いいじゃん、これからしねえよ!…ところで、昨日はお前、いきなりメールが来てびっくりしたぞ。」
「え、あ、…ああ、ちょっと暇で。」
「ふうん。昨日は近所の姉ちゃんと姉ちゃんの弟と舞ランに行ったんだけどよ、そこでさ、すっごくかっけえ人がいたんだぜ!」
「…かっけえ人?」
「そうだ!めっちゃいかついグラサンしてんの!あのデザインは秀逸だったな~、思わず二度見しちまったよ。」
「……おう。」
「まあ、すれ違っただけだったんだけどな。一緒に行ってた近所の姉ちゃんとその時別行動とってたんだけど、後で話聞くと、その姉ちゃんもその人を見たって言ってたんだ!顔も格好よかったってさ~。」
「……へ、へえ。」
「やっぱ、格好いい人は持ち物もイイんだな!あれ、どこで買ったんだろ。うらやましいぜ!」
「………そ…そうか。」
「ところでさ、誠って私服どんななんだ?お前もカッコいいの着てるんだろ!休日とかどんなの着てんの?」
「…俺は普通にシャツとジーパンだよ。」
「へえ~。…そういや、昨日のお兄さんもそんな恰好だったぜ!」
「え?!…そ、そうか。」
「なんだよ、今流行ってんのか?シャツとジーパンって。俺も取り入れちゃおうかな。」
「…矢吹は今のままでいいと思う。」
「?お前、俺の私服見たことあったっけか?」
「!…いや、い、イメージだけど」
「…そうか?じゃあそのままで行っちまおうかな!かはは!」