表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Contrast  作者: WGAP
6."11 SAMURAIs"
104/138

6."11 SAMURAIs" -f8 『依頼』 

-f8『依頼』





プルルルルル プルルルルル……………



『…はーい、もしもーし。』

「あ、もしもし。陽翔さんですか?」

『あーセイくん!こんばんはー、どしたの?』

「あの、ちょっと今お時間良いですか?」

『大丈夫だよ―、レポートが進まなくてね、なんかイライラしてきたとこだったから』

「…陽翔さんでもイライラするんですか…」

『そりゃね!!こんな意味分かんないレポート出されたら誰だってイライラするよほんと!!なめてるよねほんと!!』

「た…大変そうですね、大学……」

『いつもは暇なんだけど、この時期はどうもね。いやー、けどもういいよ、後10時間あるわけでしょ?それまでには終わるよきっと、2000字くらい。大丈夫だいじょうぶ』

「10時間?!寝ない気ですか?!」

『さっき凄く甘いコーヒー飲んだから多分行けるよ!だから今は休憩!!それでどうしたの、セイくん!!』


「い、いや……はい。えっと、陽翔さん、ワンハンドレットポエムズなんちゃらって、何か思い当たるものありませんかね?」

『ワンハンドレットポエムジャンチャラ?え?』

「! いや!One hundred poems ……の続きが分からないんですが、そんな感じのやつです、はい」

『One hundred poems って…百個の詩?その後なにかが続くの?』

「はい…もう一回One hundred~って言ってたような気がするんですけど…」

『うーん……百個の詩ね…百詩…うーん』

「…やっぱ、思い当たるものありませんかね?ちょっと今、これが何のことなのか分からなくて困ってて…」

『そうだねー…、けど、もうちょっとで何かひらめきそうなんだけど…。…そうだ、ちょっと調べてみるよ。』

「宛、あるんですか?」

『いや…ネットで検索かけてみるだけなんだけど…………・・・、あ。』

「え?」

『…もしかして、”One hundred poets, one hundred poems”?』

「…あ、それ!それっぽいです!!」

『あー、なるほどねー。セイくん、これ、“百人一首”だよ。』

「ひゃ…百人一首、ですか」


『なに?百人一首で何かあるの?』

「……あー、いや。ですね。ちょっとですね。なんか」

『なになになになに面白いこと?』

「は…陽翔さん、食いつきすぎです…」

『百人一首とか、久々に聞いたよー。実は持ってきてあるんだよね、古いやつ!僕も昔、ユウヒちゃんとよくしてね!陽翔必殺光速取りで勝利を手にしたものだったよ!』

「…そうなんですか。」

『ユウヒちゃんは負けず嫌いだから、ものすごく悔しがってね!何回も勝負を挑んできたんだけど、その度にまた勝利したものだったよ。』

「……………。」

『………セイくん?おーい?』


「…あの、陽翔さん。」

『ん?なんだい?』

「ちょっと頼みたいことがあるんですが。」

『頼みごと?なになに?』

「百人一首、ちょっと練習したくて…付き合ってくれませんか?」

『練習するの?』

「はい…勝たないといけないので。陽翔さんと練習したら勝てそうだな、と。」


『…………。』

「……あ!でもレポートが忙しいですよね、あの、暇なときにちょっと付き合っていただけたら、なんて」

『……セイくん!!』

「はい?!」

『なんだかよくわからないけど、勝ちたいんだね?』

「……はい。勝たないと駄目なんです。」

『…………よし!!!!僕が!全面的に!!協力しよう!!!』

「え!!ほんとですか?!」


『もちろんだよ…セイくんがこんなにしっかりと、自分の意思を僕に伝えてくれたんだ…。僕が協力しないわけないじゃないか!!』

「陽翔さん……!!」

『僕とセイくんの仲じゃないか。当たり前だろう…?』

「ほんと、ありがたいです!!よかった、本当にありがとうございます!!!」

『そんなのお安いご用だよ!』

「で、ですね、陽翔さん。早速明日にでもお手合わせ願いたいんですが…。」

『お…張り切ってるねえ。いいよ。』

「ありがとうございます!!」


『けど……もうすぐ期末テストなんじゃなかったのかい?そっちの方は…』

「…な………なんとかします……。けど、ちょっと来週の木曜日までに練習をしとかないといけないんで……日程がきつきつなんですが……」

『成程、事情があるんだね?全面的に協力するよ。けど…』

「原野さん、ですよね。」

『そうだね。ユウヒちゃんにばれないようにしないと。また遊んでるってうるさいだろうから。ユウヒちゃんには言いたくないだろう?』

「……そう、ですね。出来れば内密に事を運びたいです。」

『了解した。ユウヒちゃんにはレポートが忙しいってメールを入れておくことにするよ。そうしたら僕の家に勉強しにくることもないだろうからね。』

「ありがとうございます!!俺の方も課題はちゃんとやるつもりです。」

『うん、それがいいよ。夏休みのあの事…覚えてるだろう?』

「は……はい。もうあの時と同じ事は出来ないですから…。」


『そういう訳だね。じゃあ、明日のお昼前に僕の家に。良いかい?』

「分かりました!!よろしくお願いします!!!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ