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第41話 手がかりを探す

 エドガーは夜明けてすぐに宿を飛び出した。夜明けとは言っても、朝で良心的な時間ではあるが。目当ては、バルガに会うため。ただ、どこにいるかまではエドガーも知らなかった。

 街の光景は昨日の夜とは違い、かなり賑やかだ。祭りも日に日に近づいてきている。その分、観光客も増えているのだし、当たり前ではあるだろう。だからこそ、早く今回の事をエドガーは解決したかった。


「まずは、冒険者協会の支部に行こう」


 バルガがどこで泊っているかをエドガーは知らない。だから、居そうな所を行くしかない。それに、もしかしたら今回の事の情報があるかもしれない。そう思い、エドガーは冒険者協会の支部に行くことにした。

 しばらくの間歩いてついた支部は前に行ったよりも人が混んでいた。それに何やら少し騒がしい。何があったんだろう。そう思い、エドガーは近くにいた人に聞く事にした。


「どうしたんですか?」

「うん? 知らないのか?」

「はい。今来たので」


 隣に居た年上の男性冒険者がエドガーの答えに納得したような顔をした。そして、少し疲れたように溜息をつきながら話し始める。


「最近、魔女を狩るウィッチ・ハントが急にこの街に現れたんだよ。まぁ、戦争になるほどの多さではないんだけどな。ただ、急に現れたもんだから対応に追われているんだ」


 心底、疲れたというような顔をしながらそういう男性冒険者。エドガーはその言葉を聞いて、少し驚く。思ったより、物事は進んでいる。早く何とかしよう。エドガーがそう思っている時、男性冒険者は少し忠告した。


「君、ランクはどれだい? 下級でもランク『藍』だったら呼ばれる可能性はあるからね」

「ありがとうございます。あと聞きたいことが……」

「何だい?」

「バルガさんってここにいますか?」


 エドガーの質問に男性冒険者は少し考える。もしかしたらいるのだろうかと少し希望持ちながら、エドガーが待っていると後ろから声が聞こえた。


「よう、エドガー君、お探しかい?」


 エドガーより大きな背丈のバルガが微笑んで、立っていた。肉づいた身体がエドガーには頼もし気に見えた


*****


 バルガにつられ、エドガーは支部にあるレストランに入った。冒険者協会には本部にも、支部にもレストランがある。安いし、下級冒険者でも大量の食事が出来る。が、エドガーはやや不安だった。

 エドガーの足取りが遅くなっているのを見たバルガは、近くに会った席に座る。そして、エドガーに座るように促す。


「まぁ、本部のとは違うから安心しろ。メニューを見ればわかる」


 エドガーはバルガに言われるままメニューを開いた。すると、最初に飛び込んだのは煮込み料理だった。名前は、トマトといか、インテス鳥の煮込みとのこと。イラストだけで美味しそうな分かり、エドガーはそのことに感動した。


「だろ? ヤバイのは本部だけだ。ほかの支部のレストランはちゃんと様々な料理がある。まぁ、普通のレストランよりは少ないが。が、それでも本部の焼きだけっていうのは無い。その国の特徴的な料理が出ている。まぁ、基本安いから好きなのを頼め」


 エドガーはメニューを見ながら、二つくらい頼んだ。さすがに、遠慮して安いのを頼んだ。料理は案外、すぐにつく。頼んだ最初に見た煮込みとジャム付きのパン。バルガは骨付き肉を頼んでいた。


「さて、話は何だ」

「食べながらでいいんですか?」

「あぁ。まぁ、急いでるだろ」

「はい」

「なら、食べながらの方がいいだろ」


 そう言われ、エドガーは分かりやすようにどう言おうか考える。そして、いう事がまとまった後、喋りだした。


「魔女を狩るウィッチ・ハントがこの都市に来ているでしょう?」

「あぁ。迷惑な話だ」

「それは同感です。ただ、それ関係でとんでもない話を聞いたんです」

「それは何だ?」

「魔道師様とエティアさんが魔女を狩るウィッチ・ハントと協力していると」


 エドガーの言葉にバルガは食べいた物を詰まらせた。慌てて水を飲んでいる。が、それほど衝撃だったのだろう。エドガーもその気持ちはよくわかる。

 少し落ち着かせた後、バルガはやや断言したように口を開いた。


「ないだろ……」

「まぁ、証拠がないんですよね」

「いや、そっちじゃない。君よりは長くあの2人の事を知っているし、関わっているが……、そういうことはしないだろ」

「俺はそこまで知らないんですが……、2人とも人がよさそうだなとは」

「うん? 話したことがあるのか?」

「一回だけですが」


 その言葉にバルガは少し驚いたような顔をする。まぁ、エドガーも会うとは思っていなかった。


「それにだ。やるとしても何で今なんだ?」

「それは?」

「前にも魔女を狩るウィッチ・ハントとの争いは多くあった。今より規模が大きいのだって数えきれないほどある。中には奴らが信仰しているのとは別の神族が呼び出されたこともあったらしい。もし、やるならその時だろ」

「確かに」

「あのお二人は魔女を狩るウィッチ・ハントに対して、いや、世界を害する全てからずっと世界を守り続けていた。なのに、何で今そんなことをするんだ?」

「それは思います」


 エドガーはそれらを見たことがあるわけではないが、知ってはいた。というか、聞こえてくるのだ。この世界において、あの2人はそれほど有名なのだ。


「もちろん、万が一もあり得なくはない。だが、そっちよりも疑う所がある」

「?」

「それをエドガー君に話した奴と魔法国の誰かだ」

「魔法国の人ですか」


 話した彼女はエドガーも疑ってる。が、魔法国にも裏切り者がいるのだろうか。エドガーはそう思いつつ、バルガの話を聞き続ける。


「聞きたいことがある。魔道師様とエティアさんは直接見たのか? その話をした奴は」

「いいえ。エティアさんは声は聴いたそうですが、魔道師様は全く」

「声に関しては、魔術で何とかなる。が、そもそも話自体が本当かどうかも怪しい。嘘だった場合、何で2人を陥れようとしたか」

「魔法国の中にそうしたい人が?」

「まぁ、可能性の話だ。とはいえ、一番疑わしいだろ? この状況からして」


 バルガの話にエドガーも同意する。魔法国の内部の誰かによるもの確かに、それなら納得できる。それに別館にいたとうのが本当なら、それも辻褄が会うのだ。


「これ、魔道師様に言います?」

「そうしたいのは山々だが……、あの2人が関わってないという証拠もないだろ? 現状」

「それはそうですね」

「魔法国にも何人か知り合いがいるが、どのくらい関わっているか分からない以上、頼れないしなぁ……。とりあえずだ、魔法国の中で誰が黒か白かはっきりさせる必要がある」

「でも、どうするんですか?」

「調べるのは難しいが……、現状出来ることがある」

「それは、何ですか?」

「潜入捜査だ。魔道師様がいる旧王宮あるだろ? そこに今来ている魔法国の魔術師がいる。そこに潜入するんだ」


 なるほどと思う。それならワンチャン、何かが分かるかもしれない。エドガーもそれに賛成だが、問題は誰が行くのかだ。


「俺は無理だ。顔がしれすぎている。俺が知って、ここにいる奴らも基本顔が知れてるからな……。……そうだ」


 バルガがふとエドガーの顔を見て、何かを思いついたようにする。そして、しばらく考え、妙案を思いつたように顔を明るくした。


「そうだ。エドガー、お前にしか出来ないやり方がある」

「はい?」


 嫌な予感がする。そう思いながら、エドガーはバルガの案に耳を傾けた。


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