橋村 優駿
ガチャ
凛裕
「え」
??
「あ!」
中の電気は既についていて
扉を開けると同時に驚きが隠せなかった
??
「ひさしぶ、、、」
凛裕
「すみません誰ですか?」
「って、え?」
そこには見たことのない男性がいた
俺よりも身長が高くイケメン
え、イケメン、普通にイケメン
ていうかさっき久しぶりって言いかけてた?
??
「そ、そうだよな」
凛裕
「そうだよなって、、」
??
「いや、なんでもない」
「俺の名前は橋村 優駿って言う」
「よろしく」
凛裕
「あ、ああ僕は月島 凛裕です」
「よろしくお願いします」
名前を述べても彼は大して反応をせず
ただただ笑顔を見せた
この余裕、もしかして俺よりも年上なんじゃ
凛裕
「すみません何歳ですか?」
優駿
「んー、一応大学2年生なんだけど」
「しばらくバックルームにいるから何歳かわかんないな」
3年年上!
まじか、大学生になるとそんなにも大人の余裕が生まれるのか
羨ましい
ていうか、バックルームって言った?
何だそれ
凛裕
「あの、バックルームってなんですか?」
優駿
「あ、ああそっか」
「バックルームっていうのは、今俺たちがいる空間のこと」
「逆に、俺たちが住んでた現実世界はフロントルームって呼ぶんだ」
凛裕
「え、この空間はフロントルームのどこかじゃないんですか?」
優駿
「正確に言うと、裏側の世界っていうか」
「普段見ることができない裏面っていうか」
「まあ、そんな感じかな」
凛裕
「なるほど、ありがとうございます」
優しそうな人でよかった
そういえば、この部屋のことあまり見てなかったな
床は灰色で壁や天井は白
いくつか机があって、数台のパソコンがある
凛裕
「すみません、僕ここから脱出したいんですけど、」
優駿
「それは俺もおんなじだ」
「そうだ、一緒に行動しないか?」
凛裕
「いいんですか?!是非!」
優駿
「あ、あと一緒に行動するうえで知っておいてほしいことがあるんだけど」
なんだ?
優駿
「俺は実はここに来るのは3回目なんだ」
え
俺は驚きすぎて何も言葉が出なかった
優駿
「脱出したわけではないけど、バックルーム内で2回とも同じ道を辿って、今また3回目で辿ろうとしてしまっている」
「だから、凛裕も巻き込んでしまうかもしれない」
「それでも一緒に来てくれるか?」
俺も巻き込まれる、か
いや、きっと大丈夫だ
3回目だし
凛裕
「それでも行きます」
優駿
「よかった」
「実は一人で寂しかったんだ」
こんなにしっかりした人でも
寂しいと思うことがあるんだな
なんだか親近感が湧いてきた
凛裕
「僕もです」
「初めての空間で孤独を味わってきて」
「仲間がいて本当に良かったです」
優駿
「ありがとう」
「じゃあ、行くか」
よし、新しい冒険が始まる予感
ここから快進撃
脱出に一直線だ
優駿
「それで、脱出するうえで行かなければいけない道があって」
「このパソコンを見ていてくれ」
俺は言われたとおりにパソコンを見た
すると橋村さんがパソコンを起動させた
そしたらパスワードをすぐに打って開いた
凛裕
「なんでパスワード、、」
優駿
「まぁ、一応3回目だしな」
あぁ、そうだった
3回目なんだ
さっき大学2年生だけどわかんないって言ってたのは
だいぶ長い間バックルームにいるからか
時間間隔がわからないんだな
俺はふと気になって壁掛けの時計を見た
ん?なかなか秒針が
秒針がなかなか動かない時計
そんな事あるのか?
カチッ
あ、やっと動いた
こんなに遅かったっけ1秒って
壊れてるだけか
俺はそう結論付けた
優駿
「んで、このファイルあるだろ?」
凛裕
「はい」
優駿
「この中に、いろんなレベルの情報が載ってる」
凛裕
「レベル?」
優駿
「ああ、レベルっていうのは各空間ごとに割り振られた番号のことで」
「その数字がデカいから難しいって言うわけではない」
凛裕
「なるほど」
優駿
「ほら、レベル0の情報が載ってるでしょ?」
凛裕
「レベル0、あ!!」
―Level0―
サバイバルクラス:1
安全・探索が容易
エンティティ出現
凛裕
「サバイバルクラスって、」
優駿
「サバイバルクラスは、そのレベルの難易度を示していて、0から5まで、あと特殊なものもあるんだ」
凛裕
「じゃあ、エンティティは、」
優駿
「エンティティっていうのは、バックルームに出現するモンスターのこと」
凛裕
「ありがとうございます」
俺が一番最初にいたあの黄色いところだ
カーペットはほんとに悪い思い出
あの謎の針金くんはエンティティだったんだな
優駿
「んで、凛裕がさっきまでいたところはこのレベル1」
―Level1―
サバイバルクラス:1
安全・探索が容易
エンティティ出現
そこにはレベル1の情報が載っていた
ん?なんで橋村さん俺がさっきまでいた事知ってるんだ?
優駿
「で、今俺たちがいるこのレベルは番号が振られてないレベルなんだ」
凛裕
「そんなのあるんですね」
優駿
「ここに書いてあるとおり、ザ ハブって言う」
へぇ〜、初めて知った
今までのも初めてだけども
優駿
「俺が持ってるこのレンズは、目にかざすとこのファイルに載ったレベルの情報が出る」
「例えばレベル1でこれを使うとレベル1の情報が出る」
クソ便利じゃね?
優駿
「ここからが本題」
凛裕
「はい」
優駿
「今からまたレベル1に戻る」
「そこで、でかい鉄扉があると思うんだけど」
確かにあったな
優駿
「そのロックを解除して進む」
凛裕
「ほぉ、」
優駿
「その先は危険だから、俺についてきてほしい」
危険、、、、
まじで気をつけないと
優駿
「今からロック解除するから」
そう言って優駿さんは英語にまみれたページで謎のボタンをクリックした
優駿
「じゃあ、来てくれ」
俺は言われるがままついて行った