死なないために
どうしよう
俺はこの謎の白い缶の中身を飲むかどうか迷った
飲むか?
飲まないか?
ただ、俺には嫌な思い出がある
カーペットを舐めて下痢になるという
前代未聞の経験がある
ただ、匂いが甘くて、味が美味しかったからなんです
と言っても中々信じてもらえないだろう
恥ずかしいったらありゃしない
ただ、今は違う
この場合、幻覚さえも見えてしまっている
もうそんな領域に達している
このままだと死ぬかもしれない
正気を失って、エグいことになるかもしれない
一旦缶を開けよう
中身を確認してから決めよう
カチッ
パカッ
缶が開く音がした
ロッカーの中で外から差し込んでいる少しの光で照らしながら中身を確認する
ん?ちょーーっと白っぽいか?
なんというか、少し白濁した水というか
匂いは?
んーー、無臭
飲めなくはなさそう
でも、飲めるという決め手がない
それと同時に飲めないという決め手がない
凛裕
「うわっ!」
まーた笑顔のやつがでてきた
そうだな
俺にはできた
これを、飲まない選択肢がないということが!
ゴクゴクゴク
一瞬の勇気によって形成されたこの強靭な体ならに大丈夫だと自分に思い込ませて飲んだ
凛裕
「うんんんんま!!」
えぐ
カーペットよりうまい
全然うまい
飲める
中身の成分は良く分からないが、少しアーモンド風味があるかなって感じで
不味くない
もう飲みきった
いやぁあとは神頼みだな
この選択が死を生みませんように
ガンガンガン!
ああやべ
さっきうんんんんま!!なんて言っちゃったから
また奴が暴れ出した
待とう
、
、
もういないよな
俺はゆっくりロッカーを開き、確認する
今度は大丈夫だ
俺はそそくさとロッカーから出て
落ち着いた足取りで部屋から出た
謎の白濁水で体力は得た!
後は脱出口を探すのみ
よし、行こ、、、
ガシッ
凛裕
「え、」
服を後ろから引っ張られた
すると、背中に何かがあたった
嘘でしょ
俺が確認した時はいなかったのに
俺は後ろを向く
??
「I got you」
ギギギギギッッッッッッ
がっ、首が!
案の定やつだった
だけど、首を掴まれてこんなにも強く絞められるのは想定していなかった
ぐっ、呼吸がっ、、だめだ、できない
心臓の鼓動を首に感じる
ドン
凛裕
「ぐっ!!!」
床に強く押し付けられる
苦しい、、ぐる、じぃ、
あたまが、いだい、
そ、うだ
相手はそんなに頭が良くないと、おもう
から
死んだふり、
俺は死んだふりをした
目をつむり、全身の力を抜いた
すると
シュ
奴は俺の首から手を離した
俺は今寝っ転がっている状態
奴はだいぶ近くにいる
けど
もし今逃げなかったら
あの人みたいに食い千切られるだろう
それならば
間に合わない可能性だってあるが
今ここで死を選ぶよりも
マシだ!!!
ダダダダダ
俺は一か八かにかけて立ち上がって走り出した
やっぱりヤツは追いかけてくる
かなり近い!
でも走る!
走るんだ!
死なないためには
こうするしか無いんだ
次はあの部屋に入ろう
もう少し
もう少し!
俺がドアノブに手をかけようとしたときだった
ガシッ
凛裕
「くっそ」
また服を掴まれた
また引き寄せられる
それなら!
俺は一気に振り返って
奴のスネを思いっきり蹴った
すると奴はうずくまって足を押さえ動かなくなった
今のうち
俺は部屋の中に入った
するとそこには重厚な鉄扉があった
あれを開ければ!多分でられる!
ガシッ
俺はノブに手をかけ、壁に足の平をつけ
凛裕
「ふんっっっっっっ!!!」
思いっきり力を入れた
こめかみの血管が浮かんでるのが感じられる
中々開かない
俺は心配になって後ろを見た
するとそこにはガチギレの重い雰囲気で立っている奴の姿があった
ドン、ドン
ゆっくり近づいてくる
凛裕
「ぐぁぁぁあぁああああああああああ!」
俺は全ての力を出し、ドアを引っ張った
ギギギギギ
開いた!!
少しの隙間だけど
これなら入れる
俺はその隙間になんとか入り込んだ
ドンドンドン
奴は俺よりもガタイがデカいため入れなかった
よかった、、、ガタイそんなで
少し気にしてたけど
これなら利点っぽくて良い
俺はその先にあったエレベーターに入った
下矢印ボタンと上矢印ボタンしかない
上矢印ボタンを押したが、動かない
やっぱり下にしか行けないのだ
俺は下ボタンを押して下に降りた
、
、
チン
ウィーーーーーン
開いた
俺はでたけど、とりあえずでっけぇコンクリートの空間に出た
なんか俺よりも十倍以上でかい鉄扉がある
なんか隣にパッドがあるけど操作できない
後もう一つ
鉄扉の壁を正面とすると
左の壁に小さい扉があった
小さいって言っても、通常サイズ
俺はそっちに入ってみた
すると、大きいトンネルに出た
夜間に車がトンネルを走る時の光の色をしている
トンネルの両端はめちゃめちゃ暗い
そしてトンネルの壁の両側に扉がある
右側には大量、俺がでてきた扉はその中の一つで、それぞれの扉に数字が振られていた
そして左側の壁には一つの扉のみ
そこには脱出マークがある
脱出?!
よっしゃ!!
俺はその扉に走っていった
そして扉を開けた
するとその先にもう一つの黒い扉
俺はワクワクに満ちた心でその扉のノブに手をかけた