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エスケープ_ザ バックルームズ  作者: るんば
―第二章―《update》
50/50

バイオレットアイ

琥珀

「、、、」

「先ほどは軽薄な態度をとってしまい、申し訳ない」


 そう言いながら琥珀さんが片膝をついた


優駿

「えわ、えーと、凛裕、この人は?」


凛裕

「琥珀さんです」

「俺を助けてくれたんです」


優駿

「そうなのか、」


 すると優駿さんが琥珀さんに向けて右手を差し出した


優駿

「凛裕を守ってくださってありがとうございます」


 琥珀さんは右手を掴み、立ち上がった

 そして二人は黙って強く握手した


凛裕

「優駿さん、どうしてここに」


優駿

「あーな」

「一回脱出に成功したんだけどさ」

「かくがくしかじかで、」


///////////////////////////////////////////////////////


惺凪(せな)

「優駿おせーぞ」


優駿

樫木(かしき)、おれはあんまり気がすすんでねーんだ」


惺凪

「なんで?」


優駿

「まあいろいろあってだな、」


惺凪

「お前も悩みぶっ飛ばして、ロン毛にするか?」


優駿

「お断り」


惺凪

「なんでよ」


アナウンス

「まもなく紅線特急電車が一番線に参ります」

「黄色い線の内側まで、、」


惺凪

「とりあえず」

「海辺につれてってやる」


優駿

「あのな、」


惺凪

「何を悩んでるのか知らんが、」

「俺はこうした方がいいと思う」

「悩みぶっ飛ばそうぜ」


優駿

「、、、あざすね」


 そんなやり取りをして電車に乗り込んだ

 しばらくして


惺凪

「もう少しで大紅橋だぜ?」

「ほら、海の上に架かってる」


優駿

「、、、、」


 俺は電車の窓の外の景色を黙ってみていた

 その時だった


   ゴゴ、


優駿

「は、」


惺凪

「地震だ!」


 そして数瞬後、浮遊感とともに俺の記憶は

 途切れた


///////////////////////////////////////////////////////


優駿

「ざっと言えば、な」


 優駿さんは話しながら歩いた

 俺たちは話を聞きながらついて行った、

 樫木 惺凪、俺の先輩だ

 優駿さんと友達だったなんて、初耳だ


優駿

「これがその列車の、一両だ」


凛裕

「は、」


 少し歩いているうちに、

 俺たちは列車が一両、いや、五両は縦積みで入るほどの大洞窟にたどり着いた

 この空間の中に電車が一両あった

 優駿さんによると、ほかにも人はいるが、みんな冷たくなっていたそうだ

 橋も崩れたんだ、生き残れるほうが奇跡、

 たしか、地震で崩れたんだよな、

 ?地震?

 嘘、もしかして

 戦争が、起きた?


///////////////////////////////////////////////////////


《少し遡る》


翡翠(ひすい)

「ぬはあっ!」


 はあ、はあ、はあ、ガチ死ぬ

 足が動かん!

 俺はそのあまりの足の疲弊に耐えきれず、うつ伏せの状態で地面に倒れた


翡翠

「どぅわあー、」

「、、、、」


 赤く光る廊下に、永遠に鳴り響くサイレン

 そして剣一本では捌ききれない数のエンティティに追われ、長時間、

 一つの扉から脱し、今ここ

 このレベルだけ見てしまえば、至る所で火災が起きているし、晴れ渡ってもないし、夜だし、

 ビル群は崩壊しているしで、まあ粗悪な場所なんだが、

 さっきまでいた場所と比べてしまえば、ここは何倍も快適な場所だった

 うし、動、けないな


翡翠

「しばらくここで休むか、」


 まぶたが重い

 ウトウトしてきた


??

「お疲れ」


翡翠

「はっ!誰」


 俺はすぐに目を覚ました

 そして上体を起こす、立てはしないが

 するとすぐ目の前に立っている一人の男がいた

 黒い衣服を身にまとい、、

 剣を一本


??

「どうも」


 そう言って男は笑みを浮かべた

 普通じゃない、どこか嘲笑も混ざっているように見える


??

「すぅーー、」

「レベル(エクスクラメーション)からの脱出、おめでとう」

「君は、この“腐敗の地”(Decayed)に辿り着いたのだ」


翡翠

「でぃ、でぃけい、?」


??

「ディケイド・レルム、腐敗の地」


翡翠

「厨二病か?」


??

「そんなんじゃないさ」


 腐敗の領域、何が言いたいんだ


翡翠

「いったい誰なんだ?」


??

「、、、」

「リバモリスター・クローズ」


翡翠

「ありがとう、俺は水無瀬(みなせ) 、、、」

「琥珀だ」


 本当のことを教えるわけがない

 名字は本物

 名は偽だ


クローズ

「、、」

「宝石の名前か、いいな」

「美しい」


翡翠

「はは、じゃあ、出口を教えてほしい」


クローズ

「、、、、、それは無理だ」


翡翠

「、、、はい?」


 ああそうか、このレベルに一緒に迷い込んできた人なのかもしれない

 さっきレベルエクスクラメーションからの脱出、おめでとうとか言ってたのはただの労りなのかも

 ディケイドとかよくわからんけど、まあなんとなくこう()()があったから

 悪者というか、このレベルの支配者みたいな()()があったから勘違いしちゃった

 俺と同じ、放浪者だ


翡翠

「じゃあ一緒に出口を」


クローズ

「出口ならある」


翡翠

「、、、、、はい?」

「じゃあなんで」


クローズ

「地下にいけ、地下だ」

「地下の入り口は、俺の口が裂けたら知れる」


翡翠

「つまり?」


クローズ

「俺の口は、裂けない」


翡翠

「はあ、」


 勘違いじゃなかった

 彼は俺を敵対視している

 俺は剣の柄を握った


クローズ

「一つ簡単な条件がある」


翡翠

「、、なんだ?」


クローズ

「月島 凛裕の居場所を教えろ」


翡翠

「、、、そんな人、知らない」


 凛裕、俺の友達、いや

 相手にとって俺は、()()()なのかもしれないが、

 今関係ないな

 とにかく、その人を知っているにしろ、居場所は知らない

 知らないと、しらを切り続けなければ


クローズ

「、、、、そうか」


   ガチン!


翡翠

「あっぶ、」


 突然攻撃を仕掛けられた、完全に敵対関係だ


クローズ

「よく反応できたな」

「さすが、薄紫の目だ」


 奴の剣、早かった

 薄紫の目?よく分からない、けど受けれた

 抜刀術だ、俺はやってきた、舐めるな


   ズ、


 俺は奴の剣を振り払った

 立ち上がるぞ、戦いだ

 俺は立ち上がろうとした、が


翡翠

「、、、、くそ、」


クローズ

「疲弊しきってるじゃないか」


 動けない

 足に力が入らない!


   ガチン!


翡翠

「くっ、」


 また剣が来た

 剣と剣が摩擦でキリキリと音を鳴らす


クローズ

「、、、不平等だな」

「そんなに錆びついた剣、拾いものだろ?」

「本気が足りん、少なくともお前は」

「俺には勝てない」


   ズシャ


翡翠

「がっ!」


 抑えていた剣を薙ぎ払われて左腕を少し斬られた、

 血がぼたぼたと滴る


翡翠

「ううっ!」


   ドン!


 俺は彼の足を剣で何度も打った

 斬れない、相当錆びついていて斬れ味が悪すぎるからだ


クローズ

「ふふ」


 奴は少し笑いながら俺から距離を取った

 俺も奴からジリジリと離れていく

 そして奴は大きな笑みを浮かべた

 すると


翡翠

「は、」


 全身の鳥肌が立った

 奴は剣についた俺の血を舐めたのだ

 こんなにも気持ち悪いと思ったことはない

 一体何のつも、、


クローズ

「嘘だな」


翡翠

「、、、、なにが」


 ドキッとした

 さっき凛裕を知らない、と嘘をついたことがバレたのかと

 だが、にしては手がかりがない

 ボロは出していないはずだ


クローズ

「さあ、凛裕の居場所を教えろ」


翡翠

「な、」


 バレてる、なぜだ

 嘘、血?

 でも、血でそんなことわかるのか?


クローズ

「はやく!」


翡翠

「知らない!!」

「居場所は」

「知らない」


クローズ

「、、、、、、」

「そうか」

「ならいい、いや」

「気に入らない」


翡翠

「は?本当のことは言った!」


クローズ

「違う」

「一度嘘をついたということと」

「正直であれ、翡翠」


翡翠

「は、」


 こいつ

 嘘を見破ってくる

 逃げられない

 逃げられないなら


翡翠

「イグナイツ、レッド」


クローズ

「炎か、つまりお前も、“核”を持ってる」

「酸素との結び付き、だから剣が錆びてるんだな、?」


 俺は自分の剣に赤い炎を纏った


翡翠

「お前の条件に即して取引しよう」

「俺がお前に勝ったら俺を出せ、そして凛裕に構うのはやめだ」


クローズ

「ほう?」


翡翠

「俺が負けたら」

「出口を教えなくていい」


クローズ

「、、薄いな」

「俺が勝ったら凛裕に構ってもいいという条件がないのは、わざとか?それとも、馬鹿か?」


翡翠

「く、、、」


 駄目だ、かいくぐれない


クローズ

「まあいい、条件はその二つだ」

「お前はしらないが、俺は勝っただけでお前を出す出さない関係なく俺にメリットが生まれる」

「どうだ?平等、だろ?」


 こいつを騙すのは不可能、

 ならば俺が

 ここで倒しきるしかない

 力を振り絞れ

 そして、立ち上がれ

 奴に炎を、浴びせろ


翡翠

「うおおおおおおおおおああああああああ!」


クローズ

「ふふ、」

「イグナイツレッド」

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