最強兵士、執行兵士
琥珀
「、、、、、」
凛裕
「ふぅ、、、」
女王
「、、、、、、」
剣が抜かれた音がする
おそらく今、俺の首の上に剣がある
これ以上ない敬意を英霊に払う、この言葉が、、琥珀に通じれば、、
彼が日記の筆者ならば!
奇跡よ、、起これ
琥珀
「ふぅ、、ふぅ、、ふっ!」
剣が空気を切る音がする
首に近づいてくる
俺が目を閉じた、その時だった
ウーーーーーーーーー
サイレン
つまり、侵入者?!
琥珀
「、、、、、、」
「女王様、処刑は中止です」
「侵入者の対応を急ぎましょう」
女王
「、、ふふ」
「琥珀が言うのならそうするわ」
「そいつを連れてけ、地下牢に」
女王はそう言って席を立った
そしてこの場所から出た
凛裕
「は、はぁ、はぁ」
琥珀
「運が良かった」
「よく、」
「日記の正体が俺だとわかったね」
凛裕
「はは、やっぱり」
琥珀
「君が侵入してくれたおかげで」
「俺は戦場に行かなくて済んだ」
そう言いながら琥珀さんは俺の手錠を外した
琥珀
「この狂った場所から逃げるぞ」
凛裕
「まってくれ」
「佳澄が」
琥珀
「、、、、」
、
、
、
俺達は地下牢のところまで戻ってきた
そして俺は佳澄を見る
凛裕
「佳澄!」
佳澄
「月島くん、」
よかった、ちゃんといる
凛裕
「琥珀さん、開けてください」
琥珀
「さん付けじゃなくていいよ、恩人だから」
そう言って琥珀さんは地下牢の鍵穴に鍵を差し込んだ
そして回す
ガチャ
鍵の音がした、いや、、ちがう
まだ回してない
じゃあこの音って
琥珀さんは警戒するように動きを止めたままだ
そして階段から降りて誰かが現れた
俺は正体がわかると絶望を感じた
琥珀
「柏堵!」
柏堵
「琥珀」
「随分と反抗的な目だ」
「なぜ牢から出そうとする?」
高圧的な身長、眼差しで動けなかった
琥珀さんが攻撃をしないのは、負けるとわかっているからなのか
琥珀さんならそんな判断をするに違いない
俺は目を佳澄に向けた
怯えた顔をしている
奴、柏堵の意図を汲め
柏堵
「琥珀、恩を忘れたのか?」
琥珀
「忘れてなどいない、」
柏堵
「ならばその反抗的な行動をやめろ」
「危険が及ぶ」
危険が及ぶ?
琥珀さんにってことか、?
それなら、第一に琥珀さんの安全を優先している、ということか
だから何だ
だから何なんだ
凛裕
「は、」
俺は思い出した
柏堵のセリフ
「洗脳などされていない」的なやつ
洗脳されていないならなぜ女王のもとに、
琥珀さんの安全と兼ねて考えろ
あ、
合致した、一か八かだ
ここで俺らがやられてたまるかよ
凛裕
「柏堵」
柏堵
「なんだ?」
凛裕
「手を」
「組まないか」
琥珀
「は、」
佳澄
「え」
柏堵
「ふぅん?」
「何の取引だ」
琥珀
「受け入れるのか?」
柏堵
「まだだ、内容を聞いてからだ」
凛裕
「はは、」
「俺たちがここに侵入してきた理由は、女王の制圧だ」
柏堵
「女王、、」
凛裕
「そして、、柏堵の目的は、琥珀さんの安全を確保すること」
「違うか?」
佳澄
「それと、何の関係が」
柏堵
「なるほどな」
「俺がお前らと手を組んで、女王を制圧すれば」
「琥珀に及ぶ危険を取り除く、という目的が果たされるわけだな?」
凛裕
「ああそうだ」
琥珀
「なるほど」
佳澄
「お、ああ、ね」
凛裕
「洗脳されているわけでもないのに女王に仕えていた理由」
「それは、、女王を支配するため」
柏堵
「ふ、、」
「ズレているな」
凛裕
「な、」
なにーーー?!
おわった、おわった!!
柏堵
「だが、」
「おもしれえじゃねえか」
「琥珀の命を保証するなら」
「手を組もう」
凛裕
「もちろん」
「保証はする」
柏堵
「名前は、何だ」
凛裕
「月島 凛裕だ」
柏堵
「七枷 柏堵だ」
俺達は握手をしようとした
その時だった
ガチャ
兵士
「暴れるな!」
「あ、兵長」
「それに、琥珀さんまで!」
凛裕
「マスマティクサー!」
マスマティクサー
「はは」
佳澄
「ますま、、?」
マスマティクサーが兵士たちに拘束されながらここに来た
さっきの侵入のサイレンはマスマティクサーだったのか
柏堵
「後は任せろ」
「お前らは戻れ」
兵士
「は、はい、」
やっぱり兵長の前ではみんなあれか
そそくさと帰っていった
柏堵
「、、、、まず牢屋に入れ」
、
、
俺は佳澄の右隣に、マスマティクサーは佳澄と向かいの牢に入った
柏堵
「マスマティクサー、と言ったか?」
「お前、二人で来ただろ?」
マスマティクサー
「は、」
柏堵
「大丈夫だ、危害は加えない」
「目的は何だ」
マスマティクサー
「女王の制圧のために、二人で忍び込んで」
「俺が捕まる代わりに、星森さんがこの建物内で隠れてます」
柏堵
「なるほどな」
佳澄
「星森、って、星森さん?!」
動揺して同じことしか言ってないぞ佳澄
凛裕
「うん、途中で会ったんだ」
佳澄
「よかった」
琥珀
「それで、どうするつもりなの」
凛裕
「牢屋から出れるタイミングでアクションしないと」
柏堵
「執行兵士琥珀、こいつらの執行日は?」
琥珀
「たぶんあの女王、クイーンミーのことだ」
「明日、早くとも今日の数時間後」
凛裕
「じゃあその時に、制圧する」
「俺たちが、女王の前でひざまずいている間に」
「決行だ」