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エスケープ_ザ バックルームズ  作者: るんば
―第二章―《update》
41/50

琥珀色

   ピッ、ピッ、ピッ


凛裕

「ああ、?」


 俺はかすれた声を絞ってそう発した

 病院?

 あれ、、俺は、、バックルームにいたんじゃ

 目玉を動かす

 心電図、点滴、背中の蒸れ

 うん、確実に病室だ

 音はよく聞こえない、水の中に沈んでいるような、音が隠されてしまう

 横に家族がいる

 必死に何かを喋っている、けど、聞こえない

 泣きながら俺に訴えてる

 すぐそこにいる看護師さんは驚いているが、お医者さんは深刻そうな表情を浮かべている

 思い出せ、なぜこうなったのか

 そうだ、交通事故

 俺が後ろに座ってて

 母さんが、、俺を抱きかかえて

 記憶が朦朧だ

 こっちが、現実なのかも

 意識が飛んでいる間、俺はバックルームと言う名の夢を見続けていた、違うか?

 もう安心だ、やっと、夢から覚めたのだ

 俺は深く息を吸う

 吐き出すと、、ブクブクという感覚が襲う

 水に溺れたような感覚に包まれながら、

 俺は頬の冷たさを覚えた


―――――――――――――――――――――


凛裕

「あ、ああ、」


 俺は冷たいコンクリートの上で目を覚ました

 右の頬が冷たい

 少しずつぼやけている視界が開いてきた時、俺は驚愕した


凛裕

「牢、」


 やっぱり、こっちが現実か、厳しいなあ

 それはそうと、牢屋だ、それも、中世の地下牢のような、石と鉄と、明かりは炎のオレンジだけ

 兵長、柏堵に連れてこられたのか

 俺は体を起き上がらせた

 その時


??

「ねえ?月島くんなの?」


 俺はドキッとした

 驚き、いや、それだけじゃない

 俺のことを月島くんと呼ぶのは、そう


凛裕

「佳澄?」


佳澄

「月島くん、そうなんだね、よかった」


凛裕

「はは、通信以来だな」


 俺は耳を触った


凛裕

「あ?」


 ない、通信機が、ない

 右耳だよな?左もない

 まて、そういえば軍病院に着いてから通信機のことをすっかり忘れていた

 いつだ、いつ?

 バッグもない

 いや、バッグはここで取られたはずだ

 それは確実

 通信機、、、、考えても無駄か


佳澄

「無事でよかった」


凛裕

「俺も、佳澄が無事でよかったよ」


 佳澄は左隣、声がそっちから聞こえる

 姿は見えないが、確実に佳澄だ

 俺は鉄格子の間から左の方を見た

 階段が上に続いてる

 なんとか脱出しないと、日記の人も生きているのか


   ガチャ


凛裕

「は、」


 扉が開いた、左から!

 階段の先だ!


   コツ、、コツ、、


 足音、一体誰だ


佳澄

「嫌!」


 あ?

 まてよ、よく聞くと足音が一人じゃない

 そして佳澄の声、抵抗してる?

 でもさっき牢屋に


凛裕

「佳澄?!」


佳澄

「え、月島くん?月島くんなの?!」


 は、、、

 なおさら混乱だ

 おかしいだろ、さっきまで牢屋にぶち込まれてたじゃねえか


兵士

「入れ」


佳澄

「、、、、」


   ギィーーー


 鉄の格子扉が開く音がした

 そして鍵をかける

 佳澄が俺の左隣に入った、じゃあさっきまでの佳澄は、、

 誰だ?


兵士

「ついてこい」


凛裕

「へ、」


   ギィーーー


 扉が開けられた、俺の

 俺はまさかと思い、鉄格子越しに兵士の顔を見た

 青と黄の瞳、綺麗、なはず

 その瞳が俺に示したのはただ、威圧だ


兵士

「ついてこい」


凛裕

「はい、」


 剣持に勝つ術はない

 俺に戦闘力なんてないのだからな

 俺は牢から出て、左へ進んだ

 牢屋の中には、佳澄がいる


佳澄

「どこ行くの?ねえ、」


凛裕

「大丈夫、、すぐ戻る」


 俺は兵士がついてくるようにして階段を登り、扉を開けた

 その先、、ずっと進む

 長く進んだ後、ようやく目的地と思わしきところに着いた

 王の座、シャンデリア、レッドカーペット、大理石

 ここは明らかに

 女王の場所だ


兵士

「手錠をかける」

「手を前に出せ」


 俺の両腕は前で固定された

 そして、王座が視線の先に来るまで歩かされた

 距離はある

 俺はそこで両膝をつかされた


兵士

「女王様がおみえです」


 すると

 女王と呼ばれる女が現れた

 俺は目を見開いた

 地下道にいた、あの人だ!


女王

「あれー、久しぶりじゃないの」


 すごい綺麗

 いやいや!見惚れている場合じゃない

 奴は悪女だ!

 女王が王座に座る

 そして俺に話しかけた


女王

「目が、すっごい綺麗ね」

「気に入っちゃった」


 貴方様に気に入られるなんて光栄な、

 じゃないー!

 何少しずつ持ってかれてるんだ心を

 でも、わかってきた

 あの美貌からだんだん洗脳していくのか、

 多分そうだ


女王

「ねえねえ、ここで働いてみない?」


 持ってかれるな、持ってかれるな

 俺は目を瞑る

 持っていかれないようにする方法

 犯行の暴露だ


凛裕

「は、!余裕ぶっこいてても知らんぞ」

「俺は見た!地下道で」


女王

「、、、、」


凛裕

「お前が人を殺しているのを!」


女王

「ふーーん?」

「やっぱり目きったねえわ」

「いらねこんな不細工、琥珀(こはく)ー、やっちゃって」


凛裕

「は?」


女王

「捕虜の処刑、できるでしょ?」


凛裕

「しょ、」


 処刑?!


琥珀

「ですが」


女王

「今日戦場に行く予定だったのよ?明日になったとは言え、殺すのは簡単でしょ?敵だし」


 ん?戦場に行く予定

 明日になったとは言え、?

 日記の人と時間が近い

 もしや、、この琥珀という人


琥珀

「分かりました」

「下を向け」


 俺は下を向く


琥珀

「最後に言い残す言葉は?」


 言葉、、何を言う

 いや、生きるため、一か八かだ

 俺は、あの日記から


凛裕

「女王、、覚えとけ俺は」

「これ以上ない敬意を英霊に払う」

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