表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エスケープ_ザ バックルームズ  作者: るんば
―第二章―《update》
38/50

滅亡の国

   パチパチパチ


星森

「ね、ねぇ!もう火が」


凛裕

「マジか忘れてた!」


 そうこうしているうちに炎が近づいてきていた

 俺は急いで教室に入り、荷物を取る

 そしてマスマティクサーに聞いた


凛裕

「どうやって脱出するんだ?」


マスマティクサー

「た、多分美術室だ」


凛裕

「了解した!行くぞ」


 俺たちは走り始めた

 マスマティクサーを先頭にして一階に向かう

 炎は上に上に行く性質がある、おそらく火元は上の階だから、下に来るのには時間がかかるというわけか

 だから一階にはあまり炎が及んでいない

 俺たちは美術室というプレートを目指して走った

 だが、


   ドガーーーーーーン!


 爆音がした

 天井は崩れ、炎が一階まで来てしまった

 俺たちは美術室の扉に手をかける、しかし


   ガガガ、


 鍵がかかっていた

 鍵は今までの経験から職員室にあると思うが、

 今から職員室に取りに行くのか?

 俺は周りを見た

 悲惨な光景が広がっていた

 廊下の左右、どちらも火の海で、駆け抜けられない

 そして思っているよりも速いスピードで炎が拡がっていた

 その時


星森

「うえ!上の窓から」


 そうだ、それだ!

 俺は上を見て確認した

 ちょうど開いている


凛裕

「わかった!星森さん、肩に乗って」


星森

「でも」


凛裕

「いいから!」


 そして俺は星森さんを肩に乗せ、上に上げた

 星森さんは窓から中に入った

 そしてすかさず扉の鍵を確認する


   ガチャ


凛裕

「ナイスすぎる!」


   ガラガラガラ


 俺たちは入った

 たくさんの絵があった、飾られているもの、そして埃がかぶっているもの、

 縦に並んで仕舞われているものもあった


凛裕

「マスマティクサー、どれだ、?」


マスマティクサー

「美術館の!」


 俺たちはその一枚の絵を必死に探した

 美術室の中にまで火の手が及んで来ていた

 その時


星森

「あった!」


 そう言って人よりも大きい絵画を奥から取り出した

 それを床に置く

 俺はそれに触れてみる、確かに手がすり抜けた

 俺は星森さんに入るように促す

 すると星森さんは真っ先に入っていった

 俺も入ろうとする、が

 俺はマスマティクサーの様子を見た

 マスマティクサーは炎に手を入れようとしていた


凛裕

「やめろ!」


 俺はマスマティクサーを必死に止めた


マスマティクサー

「離してくれ!」

「こうでもしないと、、償いきれなんかしないんだ」

「お願いだから、」


凛裕

「無理だ、」

「ボスの思うつぼだ」


 そう言うとマスマティクサーは俺のことを見た

 俺はマスマティクサーに手を取る

 そして、二人で絵画の中に入った


―――――――――――――――――――――


星森

「はああああ、やっと」

「戻ってきたね」


凛裕

「まじで、危なかった」


 その間、マスマティクサーは無言で絵画たちを見つめていた

 そして口を開いた


マスマティクサー

「変わってる」


凛裕

「うん?」


 俺はマスマティクサーの横まで行って確認した

 最後の絵、一番右の絵だ

 【幻影神殿】

 確か元々は【力で支配されし神殿】、だったよな


マスマティクサー

「滅多にない、メンバーが変わったんだ」

「てことは、」


凛裕

「一人解雇されたってこと?」


マスマティクサー

「俺たち以上の組織はないはずだから、多分」

「でも、、そんなことするか?わざわざ解雇なんて」

「外に情報を漏らしたくないはず」


星森

「殺した、、?」


凛裕

「嘘だそんなことが、いやない、ない」

「わかったわかった、とりあえず深追いは止めよう」

「俺の名前は月島 凛裕ね」


星森

「星森 優依です」


マスマティクサー

「、、、」


凛裕

「名前は、?」


 マスマティクサーは黙りこくった、そして


マスマティクサー

「分からない、思い出せないんだ」

「ボスに、仕えてから、この名前をつけられてから」


凛裕

「わかった、マスマティクサー」

「そのボスについて教えてほしい」


マスマティクサー

「わからない」


星森

「わからないことあるの?」


マスマティクサー

「わからないもんはわからないんだ」

「本当に、俺たちに姿を現したことがないし、」

「でも、ホワイトって言ってる」

「それが本名とは思えない」


凛裕

「なんで?」


マスマティクサー

「たまに忘れるし、何より、名前を言う時に毎回突っかかるんだ、その人」


凛裕

「じゃあ、仮の名前として使ってる可能性が高いのか」


 その時、頭に痛みが走った

 俺は声を必死にこらえ、頭を押さえながら地面に座った

 するとその時


星森

「はい、これ」


凛裕

「まじか」


 星森さんがアーモンドウォーターをくれた

 俺はそれをありがとうと言いながら受け取り、飲み干した

 頭の痛みは一瞬で消えた


マスマティクサー

「その、ごめんなさい」


 マスマティクサーはそう言いながら俺の傷のあるところを包帯で巻いてくれた


凛裕

「ありがとう、でも、マスマティクサーもケガは?」


マスマティクサー

「本当に優しいね」

「俺は大丈夫、治るんだ」


凛裕

「治る?」


マスマティクサー

「うん、ホワイトの力かもしれない」

「いつ俺に牙を剥くか、、」

「ホワイトを裏切ったから」


凛裕

「まあ、絶対とはいえないけど」

「大丈夫だ」


 そう言うと、マスマティクサーは笑顔を取り戻した

 そしてふと気になったことを星森さんに投げかけた


凛裕

「星森さん、この一番左の絵の敵って今どこに?」


星森

「んー、わーかんない」


凛裕

「わかんないって?」


星森

「わからないです」

「すみません」


 半棒読みでそう返事した


凛裕

「分かりました」

「とりあえず、俺たちはバックルームから出る」

「三枚目の絵画、俺たちなら行ける」

「マスマティクサー、三枚目が誰か分かる?」


マスマティクサー

「わからない、ごめん」


凛裕

「そういう感じね」

「じゃあ行こう、みんなも待ってる」


 そして俺達は絵画の中へと入っていった


―――――――――――――――――――――


星森

「うううう、寒い、」


 急激に肌寒くなった

 空は群青、夜と思われるが、星なんて一つもない

 風が吹いていて、他の人は寒がっていたが俺はその風を心地よく感じれた

 俺達は歩き始めた

 建物はほとんど崩れ、家は崩壊

 なんというか、今までのバックルームとは違う、特有の孤独感を感じなかった

 風に乗せられてたまにゴミの欠片が運ばれてくる

 体にパチパチと当たって少し痛い

 俺らは静けさに包まれた、俺はここぞとばかりに話を切り出す

 橋村 優駿さんについてだ

 マスマティクサー、話についていけなくなるかもしれないが、すまん


凛裕

「星森さん、優駿さんって知ってますか?」


星森

「橋村先輩?なんで知ってるの?」


凛裕

「実は俺たち星森さんを探すためにここに入ったんですよ」

「それではぐれちゃって」


星森

「それじゃあ探さないと!」


マスマティクサー

「しーーー、お願いだから、」


星森

「あ」


 星森さんが大きな声を出してしまった

 この反射物のない場所で音は妙に響いた

 俺は直感的に

 まずいと思った


兵士

「いたぞ!」


星森

「は?!」


マスマティクサー

「兵士だ!」


 後ろから兵士の声がした

 俺たちは本能的に走り出した

 ここは滅亡の国だぞ?兵士が居るとか世界観が、とか思っている暇なんてない

 風は向かい風

 息がしづらい

 その時だった


凛裕

「、、は?」


 俺の後ろにいたはずの二人がいなかった

 はぐれちまったか?くそ!

 それでも相変わらず兵士たちは俺を追いかけている

 兵士がいなくなったほうがマシだったわ

 俺はカバンから銃弾を取り出し、急いで補充する

 一回に三発しか入らない、なんだよこれ

 俺は焦り、苛つきながらも、兵士らに拳銃の銃口を向けた


兵士

「武器を捨てろ!」


凛裕

「はっ、こっちのセリフだ!」


兵士

「くそ、、、」


 兵士たちは武器を地面に置いた

 俺はこのラッキーを掴み、その場から走り去った

・「、」

…縦に並べて時間の経過を表す。

多いほど時間の経過は長くなる。


・「///////////////////////////////////////////////////////」

…一人称視点の人物変化時に使用する。


・「―――――――――――――――――――――」

…データ、省略。


・「……………………………………………………………………」

…回想シーンと現実の切り替え時に使用する。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ