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エスケープ_ザ バックルームズ  作者: るんば
―第二章―《update》
37/50

忘却と未遂

 俺は引き金を引いた

 しかしその瞬間に


   バチン!


 手のひらに刺さったままの三角定規で弾き返された

 俺が作った武器の頑丈さが俺に牙を剥いちまっている、くそったれが

 俺はもう一度引いた、が


   カチッ


マスマティクサー

「、、は?」


 何度引いても結果は変わらなかった、この現状と音は銃の弾切れを意味していた

 俺は頭に血が上り、銃を投げ捨て、長い直定規を拾う

 そしてそいつの首に向かって右から振った

 しかし


   ガチン


 三角定規で防がれてしまった

 そして


   ドン!


マスマティクサー

「がああああああっ!」


 俺は無意識に下を押さえた、またこいつに蹴られたのだ

 小賢しい頭を持ちやがって、、


凛裕

「所詮その程度か」


マスマティクサー

「ぁ゙?」


 俺は直定規を奴の腹に向かって突き出した

 だが奴は鋭さを無視して左手で掴んだ

 すると


   ググググググ


マスマティクサー

「は、は、」


 わけが分からなかった

 なぜなら、奴が定規を曲げ始めていたからだ

 鉄製、だぞ?

 するとすぐに定規の先の方は反対方向に曲げられた、フックのようになってしまった


マスマティクサー

「くそったれが、、」


凛裕

「舐めとったのはあんたん方やったみたいやな」

「気味がええわ」


マスマティクサー

「貴様っ!」


 その時だった

 焦げ臭い匂いが鼻の先をくすぐった

 耳を澄ましてみると、パチパチという音が聞こえる

 俺は後ろを向いた

 明らかにおかしい、教室の外から煙が見えている

 そしてその中に火花が混じっていた

 俺は掴まれた直定規を奪い、教室の外に出る

 右横を見るとそこには、炎があった


マスマティクサー

「火事、だと、」


 俺は左の方に逃げ始めた

 あんな状態の男に捕まっちまったら燃やされる、確実に!

 だが、嫌な未来はすぐに到達してしまった

 左の扉から奴が飛び出し、俺を床に押し倒し、馬乗りになってきた


マスマティクサー

「やめろ!!放せ!」


凛裕

「馬鹿言ってんじゃねえよ」

「よいしょー!」


 そう言うと同時に奴は俺の頬を殴った

 一発が重い、鉛のようだった

 奴の頭は本当におかしくなったのか、こいつは三角定規を自分の手のひらから抜いた

 血が溢れ出る、それにも構わずに


   グサッ


マスマティクサー

「ああああああああああっ!」


 三角定規を俺の右胸に突き刺してきた

 奴の顔には満面の笑みが浮かんでいた、人生の中で一番の恐怖だった

 そして刺されたと同時にパシャン、とガラスの割れる音がした

 もしかして、()()()()()()

 俺は心配になって三角定規を掴んだ

 これ以上刺されるのは困りすぎる

 しかし奴は定規を抜こうとしなかった

 むしろ、深く、深く刺してきたのだ

 刺さるたびに胸に苦しみが増えていく、久しぶりの強い痛みが襲ってきた


   パチパチ、、


 俺は頭を動かし、周りを見た

 火が迫ってきている

 俺はなんとかしてこいつを退かそうと、曲がった直定規で奴の頭を殴った


   ゴン、ゴン


 殴るたびに鈍い音が鳴る

 だがそれでも平気といった顔だった


   グググ


 現状は変わらなかった

 火は迫り、右胸の三角定規はより深く刺さってきている

 息苦しさが増してきた、肺がやられ始めているのと同時に、二酸化炭素の濃度が高くなっているからだ


マスマティクサー

「お願いだ、はなして、くれ」


凛裕

「降参しろ」


マスマティクサー

「わかった、わかったから!」


凛裕

「、、、、、」


 そしてこいつは三角定規から手を離した

 俺の口角は上がった

 俺はすぐさま立ち上がり、直定規で頭を殴る

 そしてよろめいたこいつを掴み、火の方に投げた

 それと同時に奴は頭を床に打ち、気絶した

 火の中にまで行くことはなかったが、時間が経てば焼け死ぬだろう、ははは、

 俺の勝ちだ

 俺は炎に背を向けて走った

 その際、教室の扉から中を横目で見た

 人影が見えたが、俺は気にせずに走った

 その時だった


   ゴン!


 足に強い衝撃がかかり、俺は転んだ

 それと同時に直定規を手の届かないところまで遠くに落としてしまった

 俺は衝撃の正体を探った

 すぐに分かった、バールだ

 一体誰が、俺はこの体勢のまま後ろを見た

 その瞬間、俺は赤い光に見つめられた

 恐怖、死、痛み

 俺の体は言うことを聞かなかった、半横向きになったまま静止した

 赤い光を持つ眼球、それを持っていたのは


星森

「ふふふ、」


 さっきの女だった

 完全に使いこなしてやがる、

 そいつはバールを持って俺に近づいてくる

 あまりの恐怖で動けなかった


マスマティクサー

「やめてくれ、お願いだ、、、」


星森

「一回、やってみたかったんだよね」

「ダメなこと」


 十分に近くなった星森はバールを振り上げた

 そして勢いよく俺の顔面に振り下ろす


マスマティクサー

「やめっ、、!」


 俺は強く目を閉じた


///////////////////////////////////////////////////////


??

「起き上がれ、そして、立ち上がれ」

「それだけで、すべてが変わる」

「今だ、今だ!立ち上がれ!」

「〇〇!」


凛裕

「はぁっ!はぁ、」


   パチパチ


凛裕

「?!」


 俺は右真横にある炎に驚き、すぐに遠ざかった

 俺今まで、何を

 そして左を見る

 そこには、転んだ状態のマスマティクサーとバールを持って近づく星森さんがいた

 そして星森さんがバールを振り上げた


凛裕

「嘘だ、だめだ、」


 俺は立ち上がった、そして


凛裕

「やめろーーーーー!!」


   パシンッ、


 俺は振り下ろされるバールを手で受け止めた

 マスマティクサーの眼前ギリギリだ


凛裕

「星森さん、何を、」


星森

「へ、うちは」


マスマティクサー

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」


 その間マスマティクサーは目を見開いて息切れをしていた

 相当怖かっただろうが、俺が気絶している間一体何があったのだろうか、

 誰がここまでマスマティクサーを追い詰めたんだ?

 俺がしばらくボールを押さえ、星森さんを見ていると、星森さんは何かを理解したかのようにバールを押すのをやめた


マスマティクサー

「お前、なんで、」


 マスマティクサーが呟くように言う


凛裕

「なあ、やめよう」


 俺はマスマティクサーが言っていた言葉を思い出した

 計画を遂行する上で、と

 計画が一体何なのか、俺は推測した

 七枚の絵画と、一枚の黒塗り

 黒塗りが組織のボスで、七枚が幹部

 最初から俺を狙っているとも言っていた

 その組織は俺を狙っている

 一体何のために

 どちらにせよ、組織のトップに操られていることは間違いがない

 俺はマスマティクサーに痛みの滲む手を差し伸べた


凛裕

「マスマティクサー、やめよう」


マスマティクサー

「、、、、、」


 マスマティクサーは涙を浮かべる


凛裕

「組織のボスに言われるがままより」

「こっちのほうが、いいだろ?」


 マスマティクサーは頷き、俺の手を取った

 痛い、けど、

 一つ乗り越えられたような気がした


///////////////////////////////////////////////////////


??

「ぐっ、、、、」


 裏切り者が

 いや、大丈夫だ、こっちにはまだ五人いる

 さあ、やるんだ

 鉄拳の女王よ

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