すべての始まり
シューーーーーーー
凛裕
くっ、、、、そ、、、
自分の高校が地震によって破壊され、崩れた
まだ完全に崩れきったわけではないのだが、
凛裕
痛い、、
下半身が大きくて重い瓦礫の下敷きになって動かなかった
みんな、どこ行っちまったんだよ
なんで声が聞こえないんだよ
俺は無意識にそこら辺にあった小さな瓦礫を右手で握った
良く分からなかったが
その時は、よっぽど怖かったんだろう
一人でいることが
取り残されていることが
ゴトッ
凛裕
いたっ、
上から小さい瓦礫が頭に落ちてきた
ゴゴゴゴゴゴ
上で崩れかかっているコンクリートが落ちてきそうだ
俺、死ぬんだな、、
まだ、生きたかった
好きな人に、告白すればよかった
けど、もう死ぬのならば
爪痕を残さないと
そう思い、力の出ない顔を動かして周りを見渡した
すると、手が届くほどの距離の地面に正の字の二画目まで書かれたらしき文字が刻まれていた
じゃあ、この石で
ガリガリガリ
俺は持っていた瓦礫で三画目を書いた
これが後々の人の記憶に残ればな、、、、
そう願った
ゴゴゴゴゴゴ
もうそろそろだ
落ちてくる
ガコン
あぁ、
頭の上から落ちてくるコンクリートを見て
右手で瓦礫を強く握った
そして全てを諦め、目を閉じた
いろんな情景が浮かんでくる
けど、それはあまりいい思い出とは言えなかった
グシャ
その時は思わなかったが
これがすべての始まりになるのだった
EsCaPe_thE backroomS
―すべての始まり―
ブーーーーーーーーーー
謎に一定の音程が聞こえてくる空間で俺は目を覚ました
黄色い壁
黄色いカーペット
黄色い天井
パチパチと少しだけ点滅したりしなかったりする蛍光灯
さっきから鳴っているこの音は蛍光灯の音みたいだ
俺は、死んだんじゃなかったのか?
不思議に思った
だって、さっきちゃんと潰されたようなされてないような、
頭はあるか?
俺は自分の顔を触る
あるわ
下半身は?
あるわ
んぇ?
良く分からない
この空間自体もどこかわかんないし
、、、、、
あ
もしかして
実は生きてて
夢見てるなこれ
あー夢だわ
うん
絶対そう
だってさ、、、、、、
理由が見つからない
逆に見つかったのは
凛裕
瓦礫、、、
俺が右手で握っている瓦礫
これが決定的な証拠になりうるのかわからないけど
夢じゃない可能性は
高まった
目の前の視界が歪んだ
歪んだ原因が頬を伝って下に落ちた
俺はそれを拭いた
何だよこれ
生きてるのは嬉しいけど
どこだよここ、、、、
凛裕
ああああああああ!、!
気が狂いそうだった
ずっと同じ音程を鳴らし続ける蛍光灯のせいだし
トドメにこれが現実であるという事実
ああ、
俺何すりゃいいんだ
俺はカーペットに寝っ転がった
少し湿っている気がする
凛裕
ああっくそ、
少しうざったらしかった
制服に染み込んでくる液体が気持ち悪かった
ああ、これからどうしようか
ここで死んでしまうか?
無しでは、なくはないか、
そうだな、、、
あ
え
めっちゃいい案思いついちゃったかもしれない
俺の学校はスマホ持ち込み可
てことは
スマホがあるはず!!
俺はポケットを漁った
あれ、
ない
ない!!
なんで、なんで!!
俺は立ち上がって頭を抱えた
なんで無いんだよ
まって
そういえば
俺は足元を見た
右足の上履きがない
妙に直に湿り気が足に伝わってくるなと思ったら
無いからなのか、
それより
スマホがないの辛いなぁ
絶望
非常に絶望
でもだめだ
諦めるな
高2人生ここで終わるわけには行かない
まだ希望はある
みんなが探しに来てくれるかもしれない
ならば
俺がするべきことは
俺は探索を始めた
なんとかして脱出口を探すんだ
歩き回って
どこを見ても同じ景色
不規則な構造だけど
必ず脱出するところはあるはずだ
数時間後
凛裕
ああもう無理
俺は酷く疲れてカーペットに倒れ込んだ
熱くないのに汗もかいている
凛裕
ねむ、
突如として睡魔が来た
このまま寝るか
一旦仮眠をとろう
そうして目を瞑ったその時
凛裕
あ?
いい匂いがした
かなりいい匂い
どこからだ?
俺は目をパッと開け
嗅覚を研ぎ澄ます
キテル
キテルキテル
カーペットか?
謎にカーペットからいい匂いがした
くそ、怖いけど
舐めないと
餓死する
俺は恐る恐る舌を近づけた
ペロ
むむむ?!
ペロ、ペロ
うまい!何この味
初めてなんだが
俺はあまりの美味しさに舐め続け
満足するともう一度横たわって
目を瞑った