生還の謎と偽の現実
凛裕
「図書館?」
佳澄
「ぽいね、」
扉を開けて、その光を突き進んだ末辿り着いたのは平面に広い図書館だった
それより、広すぎる
終わりが見えないとはこういうことなのかと思った
んー、まぁ、みんな聞きたいことあるよね
凛裕
「なんでさっき道わかっ、」
佳澄
「橋村さん!」
凛裕
「え、、うえ?!!」
自習用の机とセットである椅子に、彼が座っていた
夢だと思った、だって、優駿さんは、
優駿
「何泣いてんだよ凛裕」
優駿さんはおちゃらけながらそう言う
俺は優駿さんに言われてから自分が泣いていることに気づいた
佳澄
「なに?なんで泣いてるの?」
驚いたように佳澄が言う
俺は、隠していた自分を恨み、本当のことを言うことにした
、
、
凛裕
「ってことがあって、隠しててごめん」
佳澄
「そうなんだ、」
「でも、月島くんが悪いわけじゃないし、そんなに気負わなくてもいいよ」
優駿
「そうだぞ、かっこ悪いしな!」
みんなは優しく受け止めてくれた
凛裕
「ありがとう、みんな」
佳澄
「そうだ、それなら、なんで橋村さんは」
優駿
「ああ、実はな、こういう事があったんだ」
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優駿
「こ、ここは、」
「俺は、襲われたんじゃ、、?」
おれは、見知らぬ階段がたくさんあるところに目覚めた
ホテルで、襲われて
そこからあまり覚えていない
レベルを移動する感覚だけがして
そこからは
曖昧だ
とりあえず、ここについて調べないと
俺はレンズを取り出した
表示されたレベルを見て
俺は震撼した
level666
welcome to hell
優駿
「地獄へようこそ?!」
えぐい
えぐいて
優駿
「さ、サバイバルクラスは?」
サバイバルクラス:?
優駿
「は、ハテナ?」
まぁ、とりあえず危ないことだけはわかった
まだ解明されてないんだ
名前的にもう危ない
この空間は縦に広がっていた
広い
その壁に沿って大きな階段が螺旋状に広がっている
上にも
したにも
上も下も、果てが見えない
優駿
「あーーーーー!」
試しに大きな声を出してみた
声の響き的に、相当広い
時間がかかるだろう、ならば、進む方向を一つに絞ったほうがいい
どっちに進むべき?
わからない
あ、ちゃうちゃう
どっちにすすめばええか
まじでわからハーーーン!
ふざけている場合じゃない
さあ
どうするべきか
階段を上る?
下る?
あああ決断できん、そもそも手がかりがない
正解があるのかすらもわからないこと状況だ判断を迫られてる
ただ、このままここで過ごすのも怖い
食料なんてないし
んー、ここはもう適当な理由つけたほうがいいな
地獄のイメージは下
だから、下に行ってしまえば地獄についてしまうと仮定して
上が天国だということになる
まぁどっちにしろ死んでるんだが
上の方が精神的にマシだ
よっしゃ、上に進もう
半分確信的、半分運任せで決めた
命を左右するようなことだけれども
上に導かれているような気すらした
長い旅になりそうだ
この階段一段一段、それぞれの間に隙間が空いている
その隙間は狭くない
人一人落ちれる
一段一段が円柱状に伸びる壁だけを頼りにして
壁に対して垂直にくっついている
下手に体重をかけたら折れる
階段の一つ一つの長さは足裏3つ分しかない
手すりもない
左側に何も無いを作り出したまま上るのだ
狭いし不安定
慎重に進むしかない
、
、
だいぶ上った
そう感じたと同時に俺は上を向いた
嘘だろと思いつつも、元々予想できていた結果だった
この巨大すぎる円柱、直径が長過ぎるのは知っていたが縦にも長過ぎた
まだ上はゴールが見えない
とおすぎて霧のように景色がぼやけて、淡くなっていく色の中に消えていく
その景色ゆえ、少し肌寒い
長袖じゃ足りないのだ
俺は目線を下にやった
やはり、ここは限りない高所
思い知らされた
ただじゃすまないということを
強い覚悟、いや、強すぎる覚悟じゃないと足りないくらいには長い旅になるかもしれない
ここまでになるなんて予想してなかった
突然鳥肌が立った
おそらく肌寒さが原因
俺は鼻の中に感じる水をすすった
よし、歩くぞ
そして一歩踏み出した途端だった
大勢の足音の轟音が下から聞こえてくる
足場が小刻みに揺れるほどだ
俺は下を見た
衝撃的な光景を目の当たりにした
霧が晴れ、大量のエンティティが階段を高速で上ってきているのだ
一瞬で心臓の鼓動が速くなる
命の危機だ
俺は高所や一段ごとの隙間を気にせずに階段を上り始めた
襲ってくるエンティティの音
見れば近づいてくる軍団
襲ってくる足の疲れ
触ってみれば筋肉と硬直と冷たさ
このままじゃ体力が先に死ぬ
何かないか
その時、迫りくる大音量がふっと小さくなった
それに驚いて俺は下を見た
奴らの動きが鈍くなっているのが見える
今のうちだ
俺は足を再び動かした
奴らとの距離をあけることを目的に上り続けようとした
だが、絶望は終わらなかった
また音がすると思ったら、下からではない
俺は上を向いた
まさか、とおもったが、本当だった
上からも大量のエンティティが迫ってきているのだ
俺は絶望に浸り、一段の上で留まった
すると突然
優駿
「うっっ!!」
乗っていた一段が壁から外れたのだ
俺は真っ逆さまに下に落ちていった
こんな運命に俺は笑うことしかできなかった
寒い風が体に沿って突き抜ける
地獄に向かって頭から落ち続ける
地面が見えてきた
恐怖にまみれた浮遊感
俺は誰でもない誰かに「痛みをなくしてください」と願った、強く、ただ強く
そして、
俺は強く目を瞑った
身体の感覚が変わった
身体を伝う冷たい風も
身体を伝う浮遊感覚も
引き換えに、地面に横たわるような感覚を手にした
ここが行き着く先か、と思い
目をゆっくり開けた
俺は驚いた
なぜなら
霧が立ち込め、鳥居が続いていく、ひどく奇妙な場所だったからだ
なんだここ
大した音もなく
景色というか、見通しが悪い
湿っけもまずい
身体をまとわりついてくるような寒さが気持ち悪かった
優駿
「おーーい!」
音は響かず、返事もなし
ほぉ、
なるほどな(?)
そう思いながらも無意識に俺の体は動いていた
すると
??
「橋村さん」
優駿
「は」
俺はビビり散らかして後ろを向いた
だがそこには何もない、空白
なんだ、気のせいか、と自分に言い聞かせながら歩き続けた
何個も鳥居をくぐる
神聖な感じがしない
というより、呪に近い禍々しいものを感じる
近づいてはいけない、という雰囲気が醸し出されてる
とはいえ歩かないのが正解という根拠はない
同時に歩いたら正解という根拠もない
ただ何もしないで時を待つより、行動して変えたほうが可能性は広がると勝手に信じて歩いた
すると
??
「優駿」
今度は前から声がした
聞き覚えがあるその声に俺は一瞬で正体がわかった
優駿
「優依か?」
そういった瞬間、霧の向こう側から
星森 優依が現れた
現実世界でめちゃくちゃ交流のあった人だ
人に会えた、よかった、安心した
そう思ったのも束の間
優依
「ここに迷い込むなんて最低」
「かわいそ」
そう言って霧の奥に消えた
突然のことでわけがわからなかった
哀れむような態度じゃない
嘲笑いだ
ショックを受けた
ひどく
心にくるものがある
なぜだ?
いや、きっと優依もここにきて、心が不安定になってしまっただけだ
ううん、絶対そうだ
これには確証がある
優依は1年後輩の女子で、高校までの交流だったが、一度も俺にそんなこと言ったことはない
なんなら仲が良かった、はずだ
ここで自信なくすんは意味わからん
仲が良かった、すごく!!
うん、、、
いいや、気にするな
とりあえず優依を探そう
優駿
「優依!」
声は響かず
返事もなし
またか、
生き物の音が一切しないのはなぜだろうか
ここは現実じゃないのか、?
俺はレンズをかざす
さっきと変わらないままだ
歩くしかないと言われているようなものだ
一体
いつまで、、、
凛裕
「お前も地獄行きか」
優駿
「凛裕?」
目の前に凛裕が現れた
そして地獄行き、という言葉
凛裕
「カスだな?」
「俺を守るふりして、カッコつけたいだけだろ?」
優駿
「恩って知らないのか?」
凛裕
「道徳なんてねえよ」
「だいたい、人の善意の裏側に張り付いていそうな負の感情を探すのが好きなんだから」
「道徳を忘れた人たちはね」
優駿
「なんで、、」
ひどくショックを受けた
ただ、妙だ
彼の体が透けている
なるほどな?
見破った
俺はこれから
凛裕
「こうやって汚れてくんだよ」
「それはそんな人を見るのが好きなんだ」
「あ?」
無視することにした
彼らを見ず、聞かず、歩き続けることにした
凛裕
「無視か?」
「実に滑稽だな」
「本当は何も言えなくて悔しいだけだろう?」
ない
そんなことないさ
人の記憶に付け込んで
人の記憶の中で善の人を乗っ取って、悪意ある人間に染める
そんなお前が憎たらしい
凛裕
「サイレントか」
「いや、まて、それ以上行くな」
いや、行かせてもらう
凛裕
「行ったら、こいつらをぶっ殺す」
俺は思わず後ろを向いた
こいつらとは言っていたが
そこには優依のみ
そして優依に銃口を突きつけていた
優依
「お願い優駿さん、たすけて、」
泣きながらお願いする
中々に再現度が高くなったみたいだ
優依は俺をさん付けする
さっきまではしていなかった
俺は無視する
今までどおりの方向に向き直し、歩き始めた
凛裕
「見殺しにするのか!無情な人間だなあ!」
優依
「おねがい!ほんとに、まって、おねが」
ドン
俺は音と同時に目を強く瞑った
これが正しかったんだ
凛裕
「クソ野郎が!」
その時だった
ドッ!!
後ろから飛び蹴りを食らわされた
俺は地面に背中をついて転んだ
そこには凛裕から変化を恐ろしく遂げている最中の何者かがいた
バグったような声を出しながら俺に激しく問いかけた
??
「それ以上進むな」
高いのか低いのか、太いのか細いのか定かじゃない変化を遂げている声が不愉快だった
そしてそいつは俺の上に乗り、首を強く絞めた
俺はそいつの腕を掴んで抵抗する
??
「クソ野郎が、無駄に根性のある性格しやがって」
「不愉快なんだよ、邪魔なんだよ」
「いい奴ぶりやがって」
「本性を表せよ!!!」
優駿
「クソ野郎は」
「お前じゃねえのかよ!!!!」
俺は力を振り絞ってそいつの方を殴った
そいつの力は抜け、倒れ込んだ
俺はその間に立つ
すると
??
「これで終わりだと思うな」
「闇に包まれた時、動き出す」
「全てを支配してやる」
何を言ってるのか訳もわからないまま俺は後ずさった
その時だった
優駿
「うっ!」
急に地面が地面として成さなくなり、
俺はすり抜けた
そしてたどり着いた先が
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優駿
「ここっていうこと」
佳澄
「その人は誰なの?」
優駿
「よくわからん」
とりあえず、良かった
生きてて




