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Level fun=)

 佳澄に追いついて、気まずい時間を過ごしながらしばらく歩いていると、気づかないうちに周りの景色が変わっていた


凛裕

「なんだここ」


 佳澄にも確認した、

 だが佳澄の答えはノー、首を横に振ったのだ

 つまりは、わからない、ということになるのだろうか

 この空間では誰もが聴いたことのある子供向けの英語の曲が流れていた

 妙、といえば妙なんだが、部屋には幾つかのテーブルとイス、そして風船

 何故か不安感を煽られているような気がした

 佳澄も例外じゃないだろう

 この部屋は比較的広くなく、目の前に奥に続く廊下があった

 曲がり角もある、その先は見えない

 壁紙はオレンジで、カーペットは普通

 レベル0のように、脅威はないみたいだ

 安心だ、と思い、なぜか風船に触れてみた

 するとその瞬間


パン!


 風船が割れた


佳澄

「な、なにしたの?!」


凛裕

「触れただけやって!」


佳澄

「もういいから逃げるよ!」


 焦っている佳澄を見て、なんで?と思いつつもその指示に従うことにした

 その瞬間だった

 他の廊下から黄色い服を着た化け物が迫ってきていた

 唖然としていると、佳澄が俺の手首を掴んで引っ張った

 そして化け物のいない方に走り始めた


凛裕

「佳澄!道は分かるのかよ!」


佳澄

「なんとなく!」


凛裕

「はぁ?!」


佳澄

「月島くんが風船鳴らしたからでしょ?!」


 まぁ、それは、一理あるとすらもいえないほど明確な根拠

 俺は何も言い返せなかった

 そのまま走ったが、ゆくところ全て同じようなレイアウト

 レベル0ほど狂いそうな感じではないが、化け物に追われていながらのこの感じは苦手だ

 なんと言っても、音楽というものがあるのだ

 この歌詞付きの音楽が頭の中に流れ込んでくる

 すでにやばいのに、化け物に見つかった瞬間から音楽が少しずーつ歪み始めている

 全音じゃないと心地よくないところが半音下がったいたり、同じ音の途中でピッチを変えられているかのような音程の変わり方をしたり

 ともかく、人間にとって害しかないような音楽

 誰かに意図されているような、そんな気すら起きてくる

 それはそうとして、本当に道大丈夫なんか?

 俺のせいではあるんだけど、闇雲に走り続けるのは体力の無駄

 それで出口が見つからずに疲れ果て、命の尽きが来るなーんてことは望ましくないわけで

 他のレベルを見てもわかるこのバックルームのレベルごとの尋常じゃない広さ!

 こんな希望の一欠片すらも粉々になるような広さじゃ、運良く出口なんて見つからん

 これは一言、佳澄に物申さなければ


凛裕

「佳澄、道はもう少し考えたほうがいいんじゃないか?息も上がってるし、辛いだろうから」


佳澄

「まって、もう少しで着くの!」


 、、、、、は?

 これだけ心底、、は?と思ったことなど

 ない

 例えば、そうだねとか、あるだろ

 しかも、このセリフのレベルまで来ると道わかる気がする!のセリフがマシに聞こえてくるわ

 もう少しで着く?そんな、道が全てわかったような言葉を吐き捨てられたって

 俺が納得なんてするわけがない

 高校からの付き合いなんだ、いや、は?と思うのは俺だけじゃないはず

 全人類が思うだろう

 未来予知を信じているものだけが納得する

 高校からの付き合いなんて関係ない

 人の心理として、そう言ったらおかしいと思われることくらいわかるんじゃないのか?

 まぁただ一つだけ、許す理由がある

 佳澄のこと、好きだから!許せる!

 うん、一回だけね!

 これが恋する男の弱さ、男性諸君、それは正常反応だ

 なお、ここまでの脳内時間は1秒、うん、素晴らしい回転の速さだ

 ただ、命というものが危機にさらされている限り、もう一度言わないわけには行かない

 そうだ、もう一回いえばわかってくれる


凛裕

「あのー、道は?」


佳澄

「あと少し!」


 はーーーーい!わっかりましたぁぁあああっ!

 そんなきゅーーーとな声で言われてしまったらばもう敵わない!

 理性なんてそんなもん!感情に任せちまえ!


佳澄

「はい!到着!扉開けるよ」


凛裕

「え?」


 そう言いながら佳澄はドアノブに手をかけた

 え??ん?ガチだったの?

 そして佳澄は扉の先へと進んだ

 俺はわけもわからず、ついていくのみであった

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