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化け物の腕と一本のワイヤー

凛裕

「ごふっ、ごほっ、」


 咳き込みながら目を覚ました

 俺はエレベーターの中にいて、電気が消えていた

 音楽は流れているが、ところどころ歪んで聴こえてきて不気味だ

 すごかった

 俺がバールで奴の頭を殴って

 奴が手を離し、俺がエレベーター内に落ちる

 その衝撃でエレベーターが下まで落ちてしまった

 相当な高さから落ちたと思う

 今生きているのが豪運と思えるほどだ

 頭に何か感じる

 俺は額を少し触って手を確認してみた


凛裕

「は、、、血、、?」


 暗くて良く見えないが、かすかに赤色が見える

 確認のため、少し舐める

 すると鉄分の味がした

 血だ、恐らく絶対血だ

 エレベーターが衝突した衝撃が頭に当たったのか

 なかなかに痛い


凛裕

「ごほっごほ、」


 それにしても砂埃がひどい

 体の内側でそれの膜を作られているような気がしてすごく気持ちが悪い

 それと、エレベーターが壊れていないのも気になる

 まだ使えそうか?

 俺は確認のためにエレベーターの上昇ボタンを押した

 だが反応はなかった

 見かけは壊れてないけどシステムがやられたのか

 エレベーターの扉の外も壁

 エレベーターの壁に耳を当てるも、音が響いている感じがしない

 たぶん四方を壁で包まれている

 じゃあここからどうやって出れば、


グゥゥゥーーーーー、


凛裕

「腹が、」


 お腹が空いたらしい

 食べ物をくれと俺のお腹が叫んでいる

 さすが食べ物を体に入れないと

 でも、食べ物がないなぁ

 何か食べれるものは、、、

 探していると、一つのものが目に入った

 灰色の筋肉質の腕

 赤い肉が内側に詰まっている

 さっきの化け物の腕だ

 嘘だろと自分でも思った

 これを食べようと手を伸ばしている自分が怖くなった

 さすがに手を引っ込んだ

 でも、お腹が空いている

 これで俺は人間をやめてしまうかもしれない

 でも死ぬよりは

 マシだ!!

 俺はその腕を取り、無心に噛みついた


凛裕

「ォ゙ェ゙、」


 気持ち悪かった

 でも俺は食った

 生きたいから

 ただただ生きたいから

 ある程度食ったところでエレベーターからの脱出を志すようになった

 エレベーターは稼働しない

 でも上に登らないとだめ

 俺は上を見た

 エレベーターの天井と、自分の持っているバールを見て、いいアイデアを思いついた


凛裕

「バールで上破れば」


 天井をバールでぶっ壊して登る作戦だ

 早速俺は


バキッ


 ぶっ壊した

 俺は天井の穴からエレベーターの上に登った

 真っ暗な空間が上に続く

 ただ、ほんとにかすかな光が上にあった

 多分あれがさっきまでいたホテルのレベルだ

 そこまで登る手段は、、

 ない、いや、ある

 エレベーターのぶっといワイヤーがある

 ちぎれていて、手を伸ばしてもぎりぎり届かないところにある

 でも、ジャンプすれば


凛裕

「ふんっ!」


 俺はジャンプしてワイヤーに掴まった

 手が痛い、太いワイヤーとはいえ鋭い

 バールが邪魔だ

 俺はバールを下に落とした


凛裕

「っ!!あともうちょい!」


 俺はワイヤーで登って床に手が届きそうな所まで来た

 俺は痛みが広がる手で床を掴んでよじ登った


凛裕

「ふぅ」


 一息ついて周りを見る

 ホテルの部屋がいっぱいある

 ただ、その中で一部屋だけ、何かで破られたと感じさせるほど壊れた扉だった

 その奥は部屋ではなく、通路が続いていた

 俺は何かを感じて

 その奥へと進んだ

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