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3回だけが握る生存

 一体何で

 は、もしかして

 距離的に長い探索は控えた方が良いって、、、


優駿

「これも、、俺は見たことがない」

「なんでこんなにパイプが肥大化して、、」


凛裕

「さっき、距離的に長い探索は控えた方が良いってレンズに、」


優駿

「ああ、俺も見た、ちゃんと確認した」


凛裕

「おそらく、僕らは距離的に長く探索をしたから」

「パイプが大きくなった」

「分からないけど、、」


優駿

「パイプのサイズと探索距離の長さが比例してるってことか?」


凛裕

「たぶん、」


 そんな事考えてももう遅い

 こんなことしても、動かなければ大きくならないとはいえ、小さくなる方法を俺らは知らない


優駿

「もうほんとに通れないな、」


 そう言いながら橋村さんは自分の体を小さな隙間に無理やり入れようとする

 腕一本だけはパイプ4本でできた穴に入れることができるようだ

 死ぬのか?

 だって、何もできない

 橋村さんだって真剣にも考えない顔をしている

 考えないような顔をしてしまっている

 ああ、こんなことになるならついてこなければよかった

 なんでついていくなんて言ってしまったのだろうか

 俺は橋村さんに後悔するなよと言われたのにもかかわらず

 後悔を強くした

 でも、俺が悪いよな

 一つ一つの選択肢が生死を分けるって橋村さんが俺に忠告してくれた上、

 俺についていくかついていかないかの2つの選択肢を与えてくれた

 もうどうしようもないのは

 俺のせいだな、、

 餓死して

 みんなとはバイバイなんだろうな


カシャ


 ん?

 なんの音だ

 絶望して足を動かしたその時に、ポケットから鳴った

 もしや

 俺は急いで確認した


凛裕

「マッチ!!」


優駿

「まっち?」


凛裕

「さっき拾ったんです」

「もしかしたらこれで引火して、爆発してくれるかなと今思って」


優駿

「、、、、、、それだ」

「それだそれだ!!ありがとう凛裕」


凛裕

「でも、引火するかはまだわからない」


優駿

「そんなの、やってみるしかないでしょうよ」


 俺と橋村さんで話し合って色々と決めた

 手を伸ばしても全然届かないくらいのところに

 パイプのガス漏れが起きている

 そこに火をつけたマッチをピンポイントで投げて当てる

 パイプは肥大化してるが、腕一本だけ入れれるスペースがある

 そこに腕を入れ、手首を動かして投げる

 その際、最大まで腕を入れるので、投げる本人は目標がわからなく、エイムが定まらない

 その間、腕を入れていない人のほうが指示する

 そしてもし投げたら

 引火して爆発するかもしれないのですぐに逃げる

 これがプランだ

 マッチの本数は3本のみ

 つまりチャンスは3回のみ

 このたった3回が、俺たち2人の生存を握っている

 命を握っている

 俺が拾ってなかったらこんなチャンスすら訪れなかった

 だから、絶対に無駄にしない

 きっと、生きろというお告げだ

 無駄にしたらバチが当たるだろう

 俺たちは話し合って、俺が投げることになった

 これからは投げる人を一度も変更できない

 変更したら余計やりづらくなる


優駿

「指示は任せろ」


凛裕

「信じてます」


 俺はマッチに火を付ける


シャ


 そして左腕をマッチの火が消えないように早すぎず遅すぎず入れる

 ここからはスピードとエイム勝負

 どれだけ早く投げれるか

 どれだけ照準を安定させられるか

 これにかかってる


優駿

「もう少し右、ガス漏れは右からだ」


 俺は言われたとおりに右にずらす


優駿

「投げてくれ」


 俺は投げる


ポト


優駿

「くそ、」

「距離が足りなかった」


凛裕

「俺のせいだ、」

「すみません次はちゃんと」


優駿

「うん」


シュ


また火を付ける

そして腕を入れる


優駿

「そこだ」

「投げてくれ」


 俺は投げる


ポト


優駿

「ああ、ごめん」

「もう少し右って言っとけば、、」


凛裕

「いえ、」


 まじか、、、、

 行き詰まった

 もしこの1本が失敗したら、、、

 俺はマッチを持って見つめる

 ゴクリとつばを飲む

 頭から汗がダラダラと流れてくる

 手が震えてしまう、震えてはいけないのに

 橋村さんも真剣な眼差しでこちらを見る

 俺はゆっくり頷く


シュ


 左腕を入れる

 震える手を力で制す、右手で押さえる

 もはや精神でなんとかするのは無理なようだ


優駿

「そこだ」


 ほんとうですか?

 信じますよ

 その言葉が出なかった

 信頼性を失うような発言だ

 俺は速くなってゆく鼓動と、それに伴って何かを感じてくるお腹の感覚を感じながら

 投げた


優駿

「来る!!!」


 俺はドキッとして

 パイプに背を向けて走り出す

 後を追うような形で橋村さんも走り出す

 5歩走ったところで


ドガァァァァァアアアアアアアアアア!!


 大爆発が起きた

 背中で熱を感じた

 ただ、その熱は熱いだけではなかった

 これは橋村さんも同じだろう

 それには未来への情熱がこもっているように感じた

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