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ドラゴンの使者・ドラコメサ伯爵家物語 ドラゴンの聖女は本日も運命にあらがいます!  作者: 栗栖 龍


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フィオラ6歳 そうだ、ハンターになろう2

※今回は職業資格うんちくになります。かなり濃ゆいです^^;

リュドたちが移住してきた翌日、正式な到着の挨拶と簡易の任命式が行われた。

本来なら敷地の北西、ラトリア山に近い場所にある領城教会で大々的に行われるものなのだが、ファルレアの体調もあって大広間でこぢんまりと行われた。

就任してくれたのはリュドとユルを含めて騎士が4人、料理人が2人、会計士が2人、侍女・従者が1人ずつと、メイドをまとめる役の家政婦が1人の総勢11名だった。


騎士はみんな友人同士で、成績の学年トップ4人が来てくれた。そのNo.3のデマロはドラコメサの海の子爵家の次男で、本来なら地元に帰る予定だったが、無理を言って3年だけ領城で働いてもらうことになった人だ。

他の皆もそれぞれ専門分野ではトップクラスで、会計士のリナルドは商都の貴族アルヴィノ子爵の三男で、専科で『税理士』『行政書士』の資格も兼ねる上級公認会計士の資格を取得した立派な人だ。しかし王都商都ではなかなかいい就職口が無く困っていた時に、その話を騎士の先輩伝手に聞いたリュドに「将来性に賭けてみませんか?」と誘われて、それに乗ってみたと言っていた。

(リュド、ナイス!)とフィオラとフォルトも心の中で歓喜を上げたくらいの人材だった。

従者のオヴィディオはここバニョレスの出身で、幼い頃から領城で働くのが夢だった。それをかなえるために一代男爵の祖父にお願いして、王立高等学園の費用を出してもらい、2年しっかり学んで帰ってきた人だった。

何がいいって、幼い頃からハンターとして森や山の中に入っていたので、バニョレスの地理・地形に詳しいことだ。フィオラは後で自分が色々書き記した地図を見てもらおうと思った。


残る女性陣は自ら「新人四人娘です」と名乗るほど明るく朗らかな二人と、苦笑しながらそれを見ている二人という4人組だった。

商都近くの村出身の明るい2人と、王都出身の賢そうな2人は馬が合い、学園ではよく4人で行動していたそうだ。4月の就職活動開始時期に「できれば同じところかお屋敷が近い所で働けたらいいね」と話しているときにユルが通りかかり、「じゃあ最初はお給料が安そうだけど、将来性はありそうなところで働いてみない?」とナンパしたそうだ。

料理人のファビアに言わせれば、(奇天烈な料理が得意で、他の科目は赤点ぎりぎりのユルが務めると決まっているなんて、そこの人たちの胃は大丈夫なの?)と心配になったのもあって、詳しく話を聞いたうえで応じてもいいと思ったそうだ。

彼女の幼馴染の家政婦のギリラは(新しいところに行く方が楽しそうだ)と、王都や商都じゃなければ給料が安くても応じようかなという程度だった。

そこで王都出身の二人、会計士のソフィアと侍女のアナが「ドラコメサの領城で働けるのは名誉だから。他の皆がよければ」と発言してくれたので、皆でドラコメサに勤めようと決断したと教えてくれた。

特に上級会計士でもあるソフィアは一般教養の中級家庭教師の免許も持っているので、会計の仕事の傍ら姉弟の家庭教師もしてくれることになった。

(ユルもナイス!)とフィオラはニコニコ喜んだ。


そして騎士の配置。

騎士のデマロとアレクは領城警備や街道警備を請け負うことになり、魔導騎士の資格を持つリュドとガルシオが、それぞれフィオラとフォルトの専属護衛につくように任命された。

それぞれ主従の挨拶をした後に、フィオラは気になっていたことを聞いてみた。


「魔導騎士と騎士ってどう違うの?」

「この国では貴族に仕えるには、下働きとして働くか、職業資格を取らなければならないのはご存じですか?」

「ええ。メイドや御者は商業ギルドの試験を受けるか高等学園の卒業資格で何とかなるけど、それ以上の職業の場合は高等学園の専門コース終了資格が必要なのよね?」

「その通りです。そして騎士の資格を得たうえで魔導師の資格も得たものを、魔導騎士と呼ぶのです」


貴族の城や屋敷で働くには心構えや態度も重要になるので、そういった資質や技能が有ることを証明する「職業資格」という制度がある。それを発行できるのは高等学園か商業ギルドになる。

メイドや御者と言った下級使用人の資格は商業ギルドでも取ることができるが、

「侍女・侍者」「料理人」「家政婦」といった上級使用人と言われる役職につくには、高等学園の初等科の専門コースで既定の成績を収めることと、初等科を無事に卒業することが必須になる。

そして資格には上級・中級・一般の三段階があり、ハイクラスの貴族に仕えるためには王立高等学園で取れる上級資格が必要になる。


ただ騎士と魔導師は別で、ランクはS・A・B・C・Dの5段階に分かれており、やはりハイクラスの貴族に仕えるには王立高等学園で取れるA以上のランクが必要になる。(国立高等学園ではB以下のランクしか取れない)。

それ以外では、資格を発行する王国騎士団・王国魔導士団が主催する、年一回4月に大きな街で行われる資格試験を受けて、最下位ランクを手に入れて、そこから這い上がっていくしかない。だが、当たり前だがBから上は狭き門となっている。


「しかも魔導師になるには魔属性が二つ以上で、ある程度の魔力量がないとだめなのよね?」

「市井で受ける場合は一つで大丈夫ですが、学園では二属性を持っていないと、魔導師コースの講義を受ける許可が出ないのです。逆に言えばその資格があり騎士として有能なら、魔導騎士になれる可能性が出てくるということです」


初等科の専門コースの講義は、上手くいけば一年時に終了させることができる。その後、専科の講義に参加したり、他のコースの講義を取り専門以外の資格を取ることが可能だった。その場合、補助で取った資格はランクの低い物になることがほとんどだが、専科で上級を取っていればハイクラスの貴族に仕えることができる。

騎士四人組はそろって一年時にAランクを取得していたので、二年時は騎士の二人は騎士ランクをSに上げ、残る二人は魔導師の講義を取り、魔道騎士の資格を得たそうだ。


「私はもともと魔導師の資格を持っていたので、騎士科の終了資格を得れば魔導騎士になることが決まっていました。そして魔法学基礎の授業でガルシオに属性が二つあり、魔力量も十分ある事が分かったので、二年時に魔導師の資格を取るように勧めました」

「引きずり込んだの間違いだろ」

「おかげで役に立っているだろう?」


なんだか不穏な会話が聞こえたが、フィオラはそれを(強引に勧めたのね)とスルーすることに決めた。

そのまま話を聞いていたら、ガルシオは魔導師資格はDを取っただけだが、リュドはどちらもAランクを取得しているということだった。


「すごいのね。でも一年でAまで上げられるものなの?」

「……私は学園入学前までにBランクを取らされていましたので」

「取らされてって、ああ……」


ジャドねと目で会話を交わした後に、二人は同時にため息をついた。

聞けば、リュドは魔力量がずば抜けて多い上に、火・土・水の3つの魔属性を持ち合わせていたために、ジャドの格好の研究対象になっていたそうだ。そうとは知らずに。

その中で、新しい魔法を編み出しては王国魔導師団に魔法登録を行っていたら、入学前にBランク迄上がってしまっていたそうだ。


「資格試験は受けたのよね?」

「はい。“能力を調べるための調査に協力してね”とジャドに言われて行っただけなんですけどね。どうやらそれが市井の試験だったようで」

「あらら」

「そうやって大人は子供を騙すんですね」


今まで黙って聞いていたフォルトが、ポロリと独り言をこぼした。それを耳に拾ったリュドは、ある懸念を二人に告げた。


「ジャドだからです。お二人もお気を付けください。……と言っても遅い気がしますが」

「どうして?」

「ジャドはすでに魔導師資格試験官の地位を得ておりますので」


リュドの言葉に姉弟は顔を見合わせて、アッと何かを思い出した顔になった。


「4月の一週目に来られた時に“既定の課題をこなす練習をしましょう”って言われたわ」

「ペーパーテストと実技試験が用意されてたんだが……」

「遅かったみたいですね」


全く困ったものですとリュドは零したが、それに対して友人から突っ込みが入った。


「“一緒に魔導師科の講義を受けよう、フォローするから”と魔導師資格を取るつもりがなかった俺を強引に連れまわしたお前が言うな」

「俺が強引だったのは認めよう。だが騙してはいない」

「酷いわ……お疲れ様、ガルシオ」


その場にいた一同は次々と、ガルシオの背中を優しくポンポンと叩いて慰めた。

リュド「解せん」

ガルシオ「強引なのは師匠譲りかよ」

リュド「……そうなるのか?」

一同「なるなる」


ユル「ボク、あんなふうに疑われてたんだ(´・ω・`)」

ファビア「学生時代に作ったものを思い出しても言える?」

アレク「何作ったんだよ」

デマロ「そんなにすごいのか?」

ファビア「色んな意味で色々と」

一同「……ありがとうファビア」

ユル「え~~~(#`・з・´)プンプン」


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