表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/36

端花の謎について

 端花たんか誠也せいやは、右腕うわん神代主しんたいしゅの面目を潰さない程度に出来る限り早く出国した。借りっぱなしだった聖獣せいじゅうに乗ってけい国に移動した。

 以前よりも宮中は慌ただしい。頸国でも邪が発生しているのだろう。


「やあ、待っていたよ」


 二人はすぐに神代主の部屋に案内された。彼の眉間はぐっと寄せられており、室内には妙な緊張があった。


銀杏ぎんきょう様、申し訳ありません。このお忙しい時期に……」


 端花が言うと、神代主ははっとしたように目を開き、柔らかく微笑んだ。


「いいんだよ。この異常事態も、君の身に起きたことと関連しているのだろうしね。

 さて、さっそく本題に入ろうか」


 神代主は二人に椅子に掛けるように手で示した。それに従い椅子の前まで移動し、その向かいに神代主が腰かけてから着席する。


左腕さわんだけでなく右腕の士にも話を聞いてくれたみたいだね、ありがとう。二人とも記憶はなく、左腕の棺守は降邪と似た感覚があった、と」

「はい」

「そこから出た仮設についても読ませてもらったよ。

 君の魂が二分されているのは確かだろうね。私は一度天に昇る前の君を知っている。その時は君の魂はもっと邪気が絡みついていたはずだ。浄化されておらず、魂と邪気が分離していないのに邪気が少なくなることはないだろうね」


 本当ならすぐにその可能性に気づいただろう。端花がどう国で紅石こうせきの怨邪を操ろうとした時、邪気が少ないことについては自覚していたのだ。その時は浄化に精を出し、自分のことについては無頓着だった端花は、それが何を意味するかまでは考えなかった。


「でもそこで話は止まってしまう。結局は誰が魂を二分したのか。魂は神々の領分だ。地上のことに干渉しない神々がそんなことをするだろうか?もし神々が行ったことであれば、端花の処遇にはもっと困っていないだろう」

「そうですよね」

「けれど仮説としては悪くない」


 神代主は慰めるように微笑んだ。


「一度その話は置いておいて、優妃ゆうひの方から探ろうか。蛍草けいそうからも手紙が届いたのだ」


 蛍草は左脚さきゃく預泉よせんであり、端花が出会う前から優妃との交流が深かった。


『私はどうしても納得できなかったの。優しい二人が小国の源泉を涸らして回るなんて、信じられなかった』

『優妃は何かが変わってしまったわ』

『性格が変わっただとかそういうのではないの。どうしても言えないことがあるような顔をしていたのよ』


 端花にそう話してくれた。


「師匠が変わってしまったことに関してですか?」

「そうだ。当時は君たちを止めるので精一杯で、処刑後は事後処理の方が大変だったからね。どうして優妃と君が源泉を涸らしたのか、不思議に思う者はいても少なく、そのことについて話し合う余裕などなかった。君は当時から邪気を扱っていたから、道を踏み外した者の狂気だと片付ける人がほとんどだった」


 銀杏や蛍草のように考える者は少なかった。神戴国の預泉であっても、邪道に進んだ故だと信じて疑わない者が多かった。


「君が再び現れたことで、そして実際に接したことで、源泉を涸らす動機についての問題が再び浮上した。君は優妃に命じられるままに実行し、優妃はその理由を語らなかった。我々は、端花は当然、優妃の思惑を理解しているのだと思っていた」


 源泉を涸らすということは、その地の浄化を妨げ、多くの人を危険にさらす行為である。それでもそうするからにはそれなりの事情があり、それを理解した上で端花が従っていると思っていたのだ。まさか、端花の優妃に向ける想いが大きく(それも恋慕の対象だと思うほどに)、端花が盲目的に優妃に従っていたとは思ってもみなかったのだ。


「そこで考えることになる。優妃はいったい、どうして小国しょうごくの源泉を涸らそうとしたのか。そもそも連神れんじんだったはずの優妃が、どうして地上に降りてきたのか」


 徳を積んだ者は死後天人(てんにん)となり、好きな時に転生できる。天人が源泉の神として祀られて連神となる。どこかの源泉の主である連神が、その役目を放棄し地上に降りることなど考えられない。連神がいなくなれば源泉もただの泉に戻り、その土地の浄化作用は弱まってしまうからだ。


「蛍草によると、優妃は地上に降りてきた理由を語ろうとはしなかった。ただ、『ある国を探さなければならない。そして、()()()()()()()()()()()』と言っていたらしい」


 それは端花も左脚できいた話だった。


「私は知らなかったが、優妃は地上に降りて左脚と左腕にまたがる無名の集を妖集ようしゅうとしてから、何やら情報を集めていたらしい。蛍草も預泉としての役目があるから、優妃が左脚を離れてからのことは詳しく知らない。

 彼女が次に優妃と会った時には、君を連れていたという。『ある国を探さなければならない。そして、()()()()()()()()()()()』という言葉から考えれば、優妃は妖集でその()()()についての情報を集めていたはずだ。そしてその()()()は、君と出会った胴国――いや、正しくはしん国ではないかと思っている」


 銀杏は端花の座る椅子に掛けられた真っ黒な剣を見た。源泉の核を破壊した精霊剣せいれいけんであり、その中には元心国の源泉の主、命神めいしんが宿っている。端花は精霊剣を見てから銀杏を見る。彼が頷いたのを確認し、静かに鞘から剣を抜き出した。

 剣が光輝き、その光から一人の人間が生まれる。顕現した双結そうけつは、端花の背後に立ち、銀杏を見る。元神だろうが誠也にとっては好ましくない者の登場に、彼は視線だけ双結に向け、睨むように目を細めた。


「お久しぶりです、命神様」

「銀杏、お前とは数か月前まで長い年月を共に過ごしたと思うが」


 精霊剣は端花の死後、頸国に預けられていたのだ。銀杏は苦笑した。


「こうしてお姿を拝見するのは数十年ぶりです」

「そうだな」


 銀杏の神代主兼預泉としての在位は永い。二人にはそれなりに交流があった。心国が滅んでしまうまでは。


「命神様、よければお話をお聞かせ願えませんか?」

「それはどこからどこまでの範囲だ?」

「命神様にお任せします」


 双結は正直、過去の話をするのは好きではない。心国が滅んだ時に、命神としての自分も消滅したのだと考えている。それでも、自分を見上げる真っ直ぐな端花の瞳に応えてやりたい気持ちもある。


(端花に語らせなかっただけ、銀杏には配慮があるか)


 双結は端花の頭を一撫でする。誠也が睨みつけてくるが、彼にとっては脅威でもなんでもない。


「よかろう。ではまず、どうして端花が邪気を扱えるか、知っているか?」


 その問いかけに、誰も答えられなかった。”妖端花ようたんかは邪気を扱う”というのが、当たり前となっていたからだ。


「どうして誰も疑問に思わなかったのか。それは人間の意識の問題だろうな」


 双結はできれば端花の耳を塞いでしまいたかった。これから話すことは、端花にとっても嫌な記憶であり、その真相を話せば、端花が双結をどう思うかわからない。双結は端花が何よりも大事で、彼女にどう思われるかは重要事項だったのだ。だから、このことは彼女に訊ねられない限り言うつもりはなかった。


「銀杏なら知っているだろうが、端花は大罪を犯した、とされている」


 銀杏は表情を引き締めたが、誠也と端花には何のことかわからなかった。


「小国の源泉を涸らしたのは、確かだろう?」

「それ以前の話だ」


 誠也の問いに命神が答えると、端花は不思議そうな顔から一転し、瞳を泳がせた。


「端花は、優妃に出会う前、元心国の源泉を涸らした」


 端花に気遣うような目線を送り、銀杏は誠也に告げた。


「心国の源泉を……?」

「知らなくて当然だ。表向きには神代主の一族、預泉が殺されたことで源泉が枯れてしまったとされているのだから」


 心国が滅んだのは、結局のところそこが原因であることには変わりない。だから泉が枯れたのも、その時であるとしたのだ。


「ですが、『大罪を犯した、とされている』とはどういうことですか?」


 銀杏が知る限り、端花が源泉を涸らしたのは事実だ。一度に神代主と預泉を失った心国だが、源泉はまだ枯れてなどいなかった。それが、急に枯れてしまったと報告が入ったのだ。枯れた源泉の跡に、幼子がいるという報告と共に。


「浸泉授力も前の子どもが、邪気を纏って源泉の跡にいたのだから、当然、その子が泉を涸らしたと思う。そこに悪意があったとしてもなかったとしても、神戴国の基盤となる源泉を涸らしたのは大罪と言えるだろう。だから端花はもともと邪気を扱えるのだと、それ故に源泉に足を踏み入れた時、泉を涸らしたのだと考えたのだろう」


 双結の言葉に、端花が不安そうな顔をする。彼女は自分の罪を自覚していた。自分が泉を涸らしてしまったのだということは、優妃に拾われてから大人の噂話で知った。だが、その時の記憶はなかった。彼女が覚えているのは、双結と共に心国の源泉の跡で過ごしていた記憶だけ。


「私がこの精霊剣に宿ったことは、みな、後になって知っただろう?もちろん、神々は知っていたが、それをわざわざ教えることはないからな」


 どうして源泉を涸らすことができるのか。端花にもとからそういった能力があるのだと考えていたが、後になって端花の愛用する剣に元命神が宿っていると判明した。だから容易に源泉の核を破壊できるのだということはわかったのだが、民を混乱させないため、それは神戴国の預泉の間で留められた。


「つまり、端花に源泉を涸らすような力はない、ということですね?」

「そうだ。この子にそんな邪悪な力が生まれつきあったわけではない。全ては順序が逆だったのだ」


 まだ混乱しているだろう端花の頭にもう一度手を伸ばしかけて、やめた。聡い端花なら、うっすらと真相を感じ取っているだろう。


(俺がこの子の側にいる権利など、なかったのだ)


「我が国の神代主一族と預泉が消え、私の力を地上につなぐものがいなくなり、源泉は役目を果たさなくなった。心国を胴国の預かりとすることで土地の浄化作用を保ちつつ、お前たちは新たな預泉や神代主をどうするかを話していた。

 だが、その時点でもう源泉は枯れかけていたのだ」

「どういうことですか?」

繫留神けいりゅうしんが浄化を引き継ぐまでの間に生じた邪気が、源泉の核を侵していたのだ。核が破壊されれば、その先の神も消える。これは小国の連神たちと変わらない仕組みだ。

 一見そのままの状態を保っていたように見えただろうが、核はほとんど破壊され、俺は消えかけていたのだ。そこに、幼い端花が誤って源泉に転落してきた。何も宿っていない霊剣れいけんを持って」


 特殊な力を発揮させるために、あらかじめ剣にぎょくを施したものを霊剣と言う。源泉の水や、精霊を玉に宿すことが多いが、精霊に関してはまだ研究が進んでいないこと、玉に宿すにはそれなりに泉力が必要なこともあり、ほとんどが源泉の水や精霊の霊力のみを宿す。端花のように、精霊(双結は神であるが)を個体ごと玉に宿す者はおらず、端花が剣に名前を付けなかったこともあり、双結を宿した霊剣は精霊剣と呼ばれるようになった。


「俺は源泉の核が完全に破壊されて消滅する前に、端花の持つ剣の玉に逃げ、それを新しい核とした。俺との繋がりがなくなったことで、心国の源泉の核は急速に邪気に侵され、完全に破壊された」

「それで源泉が枯れたのですね……」


 銀杏は納得と困惑、同情の入り混じった声で呟いた。

 端花への態度から、双結が彼女に対して罪悪感を抱いているのはわかる。だが、そうすることでしか双結は存在し続けることができなかったのだ。彼が完全に消えてしまったら、この世界自体がどうなっていたかわからない。


(それで頸神けいしん様は源泉が枯れても、特に慌てることがなかったのか)


「源泉が枯れた経緯はわかった。だが、結局、どうして端花が邪気を扱えるん……ですか?」


 銀杏がいる場なので、誠也は双結に対して敬語を使うことにしたらしい。双結はじろりと彼を見て、溜息を吐いた。何とも失礼な行為だが、相手は元とはいえ神である。その上、父親の目もあっては突っかかることは出来なかった。


「端花が源泉に落ちた時、既に源泉が邪気によって穢されていたからだ。

 本来、浸泉授力は六歳の時に、その名の通り、泉に浸かって力を得る。逆に言えば源泉に浸かれば誰だって泉力を得られる。普通なら神戴国では預泉によって常に結界が張られ、間違っても指の先をつけることすらない。

 だが、当時の心国は預泉が消え、結界がなくなっていた。源泉に結界を張れるのはその国の預泉のみで、非常時には囲山家の当主が張ることも可能だ。彼らは臨時で何度か結界を張っていたが、大量に発生した邪気の浄化中に命を落とした。私でさえ、何とか核を破壊されないようにすることしかできないほどの強い邪気だった」


 長く血筋によって神をその地と結び付けていた神代主の親族が根絶してしまったのも要因だろう。


「普通は源泉は泉力で満ちているが、端花が泉に落ちた時はその泉は強い邪気に穢されていた。つまり、本来なら泉力を得るはずの儀式で、邪気を力として得てしまったのだ。かろうじて俺が残っていたこと、その後端花の霊剣に宿ったことで、泉力との繋がりも作れたが、泉力と同じように邪気も()()()()()()()()()()()()のだ」


 大罪人妖端花。彼女が最初に犯した罪は事故だった。それにより邪気まで扱えるようになってしまった。


(俺が、端花を罪人としたのだ)


 まだ幼く、何も知らない無垢な子どもを穢してしまった。けれど、双結の判断を責める者はきっといなかっただろう。孤児の命より神の存在の方が大切なのだ。応急措置としては間違っていなかった。

 間違えたのはその次だと双結は思っている。まだ幼かった端花は霊剣の主としては認められていなかったのだから、勝手に移動できた。新しい核を得て安定すれば、他国の預泉や神に相談しに行けばよかった。

 そうしなかったのは、端花が愛しかったからだ。重たい剣を抱えて一人泉から這い出ようとする姿が、どうしてか胸を打ったからだ。神は一人を愛さない。人間ほどの情はない。神という枠から放り出されて、双結には変化があったのだ。

 その感情のままに双結は行動した。移動できる範囲の中で食料を取り、残った泉力を使って浄化し、端花に食事を与えた。自身の力が戻るのが遅くなるとわかっていながら、端花の世話をした。


 6歳に満たずして泉力を得て、邪気も強かった彼女をどうすべきか、預泉たちは考えあぐねていた。ただでさえ泉が枯れて混乱しているのに、人の子一人について考える余裕はなかった。衰弱しているのではないかと思い至り枯れた源泉に駆けつけたが、子どもは元気そうに走り回っている。


(あのまま放っておいて死んでしまった方が、端花にとっても良かったのだろう。邪気を持って生まれた子ども、放っておいても育つ子ども。不気味な存在として忌み嫌われることもなかっただろうし、その後に優妃と罪を犯すこともなかったのだろうから)


 存在が安定してからも、双結が事情を話す機会はいくらでもあったが、それにより端花が死んでしまうのが嫌だった。霊剣は()()()()である。双結という神を宿した神器ともいえるものを、ただの子どもが扱うことなど許されないのはもちろんだが、一番の問題は、端花が双結の主となってしまったことである。その関係は許されるものではない。

 端花の剣に双結が宿っていると露見すれば、端花は双結を解放するという名目のもとに殺されてしまう。双結にはそれが耐えられなかった。


「双結」


 ずっと話を聞いていた端花が、双結の名を呼んだ。彼女は隣に立っていた双結の方に体を向け、先ほど触れることなく離れていってしまった手を取った。


「私は、双結といられて嬉しかったよ。私は邪気を扱えるからといって困ったことはない。双結が育ててくれたから、師匠に出会えることができた。私がその後してしまったことは悪いことだったけど、双結がそうしたわけじゃない。もし邪気を扱えなかったとしても、結局は師匠のためにと同じようなことをしたよ」


 真っすぐ自分を見つめる瞳に、双結は体の力を抜いた。


(俺は一体何に怯えていたのだろう。この子は、こういう子だとわかっていたではないか)


「ありがとう、端花」


 双結は端花の頭を撫でた。


「さて、銀杏」


 双結は顔を引き締め、神代主に向き直った。彼は思案のために落としていた視線を上げた。


「ここまででおかしなことはないか?」

「端花が先天的に邪気を扱えるのではなく、浸泉授力に似た儀式によって邪気を力として得たというなら、一つ説明のつかないことがあります」


 銀杏の大きく開かれた目がその動揺を表している。


「岩小国は邪気を扱いますが、それは端花が死んでからの話でした。彼らは()()()()()()()()()()邪気を利用する方法を見つけたと言っていました。私もその報告を聞いています。

 しかし、実際には端花が邪気を扱えるのはただの事故であり、先天的なものでも、その方法があるわけでもない。彼女と同じように力を得ようとすれば、浸泉授力ができるほど力があり、かつ、源泉の核が邪気に犯されている泉に浸からなければなりません」


 もちろん、それほど危険な状態の泉があれば報せが来るし、預泉たちなら異常を感じ取ることも可能である。しかしそんなことはなかった。


「そうだ。彼らは端花の死後に邪気を利用する方法を見つけたのではない。

 もう一つおかしな点を挙げるとするならば、邪気が源泉の核を攻撃したことだ。普通なら浄化作用のある源泉には近づきもしない邪気が、何故核に向かってきたのか。邪気自体に意思はない。操る者がいるだけだ」


 双結は一呼吸おいてから口を開いた。


「つまり、端花が源泉の核を涸らしてしまう前に、既に邪気を操るものがいた」

続きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ