★ あとがき
こっちが本当のあとがきです。
今度は嘘じゃありません。
さっきの人(?)は終わりました。
多分ですが、因果律とか時空を超越したアルサル達にお仕置きされてしまったのでしょう。
まさしく【一巻の終わり】です。
どうも、作者の国広仙戯です。
ここまでお読み頂き、まことにありがとうございます。
エピローグでは『まだまだ物語は終わらねぇぜ!』的なことを言ってましたが、もちろん普通にここで完結です。
余程のことがない限りは。
余程のことというのは余程でないとありませんので、つまりはそういうことですね。
長いお話にお付きあいいただき、本当にお疲れ様でした。
この『最終兵器勇者』、聖神の高次元とか、箱庭とか、勇者システムあたりのことは当初から考えていたのですが……
結果として、かなり複雑な世界観のお話になってしまいました。
入込浩三――じゃない、入れ子構造というのでしょうか。
世界の中に世界があり、またその中に世界があって……みたいな。
聖神からすればアルサル達は、オンラインシミュレーションゲームの中からNPCが飛び出してきたようなものなので、そりゃもう大変な出来事だったわけですよ。
けれど、そんな聖神とて『最終兵器勇者』という作品の登場人物に過ぎないわけで。
それを眺めている、そう、皆様『読者』の方々がおられるわけで。
え? さっきの〝冷酷〟の悪魔ってのは、作者のことじゃあないのか、ですか?
いえいえ、そんなそんな。まさかまさか。
はははは。
この『最終兵器勇者』は元々、仲の良かった友人から勧められて書き始めた作品でした。
「お前が書いたコテコテのなろう小説が読みたい!」
そう請われて、『勇者と魔王』、『ざまぁ』、『追放もの』という題材を出されました。
正直、自分的にもテンプレートを活用して小説を書いたらどうなるのか興味があったので、書いてみるのも一興と思い手を出したのですが――
はい、結果はご覧の通りです。
自分では思ったほど「コテコテのなろう小説」にはならなかったな、と思っております。
どう考えても途中から普通とは違う流れに入ってしまったというか、何というか。
これも個性というやつなんでしょうか? それとも実力不足? やめてください、本当のことを言うのは。作者が可哀想じゃあないですか。
しかしまぁ、そんな妙な提案をしてきた友人も、この作品の書籍化およびコミカライズが決まった頃に急逝してしまいました。
検死によると末期癌だったとかで。
病状や余命についていくらでも話す機会はあったはずなのに、病気について何にも言わず、誰にも黙ったまま、ある日突然いなくなりました。
コロナ禍の真っ只中だったのもあって、葬式にも行けませんでした。
まったく、本当にバカヤロウです。クソヤロウです。
お互いジジイになっても一緒に馬鹿話をしような、とか言っていたくせに。
こうなったら死んだ友人の何倍も生きて、あの世で再会した時には思いっきりぶん殴って、その後大声で泣きながらベアハッグしてやりますとも。
それから、この『最終兵器勇者』を叩き付けて「最後まで読め!」と言ってやりますよ。
面白いって言わなかったら転生先までついていって、また新作を拝ませてやりますわ。
そんなわけで。
おかげさまで本作は書籍化させていただく運びとなりました。
最速でこのあとがきをお読みになっている方からすれば、未来。
2025年1月20日に第一巻が発売されます。
後日、このあとがきをお読みになっている方からすれば、過去。
2025年1月20日に第一巻が発売されました。
どちら様も、よろしければお手にとっていただければ幸いです。
内容はWEB掲載の本文に加筆修正のうえ、書き下ろしをたくさん。
他にも、TOブックスさんのオンラインストアのみの特典や、電子書籍だけの特典など、頑張らせていただきました。
特に紙でも電子でも読めるよう書籍内に収録していただいたのは、アルサル達の過去の話です。
つまり、四人が初めて召喚され、異世界(作中の箱庭)で冒険を始める時のエピソードですね。
こちら、ガッツリ書かせていただいております。
楽しんでいただければ幸いです。
また、二巻の発売も予定されております。
後日、ここをご覧の方にとっては『予定されておりました』ですが、気になさらないでください。
発売日はまた追って報告させていただきますが、2巻の書き下ろしはなんと『お風呂回』です。
エムリスとイゾリテ、この二人とアルサルが混浴に入ります。
ええ、ええ、頑張って書きました。
そしたら担当編集さんも気に入って下さって、挿絵の割り当てをくださいました。
ので、イラスト付きのシーンとなっております。
とりわけ叡智というわけではないと思いますが、特にイゾリテが可愛いと思いますので、是非ご覧いただきたく。
既にお知らせの通り、本作はコミカライズ企画も動いております。
小説本編は完結しましたが、漫画として新たにリファインされた物語を楽しんでいたければ、作者冥利に尽きます。
何卒、よろしくお願いいたします。
それでは、またどこか、あるいは別の作品でお会いいたしましょう。
国広仙戯




