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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第9話 ラスト・ダンジョン
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81.退路


 ・前回のあらすじです。


 『魔王まおうがユノにゆさぶりをかける』








 ユノは正中(せいちゅう)(けん)を構えた。

 (たて)一線(いっせん)になった()の先で、ディアボロスが爬虫類(はちゅうるい)をすぼめる。


退路(たいろ)はいらんということか?』


 ユノは(うなず)いた。


『よく考え、決断(けつだん)なおしたほうがいいとおもうがな』

「チャンスは一度(いちど)だけなんでしょう?」


 カチカチと()おくっていた。

 ユノの思考(しこう)はなかば凍結(とうけつ)していて、意地だけが、彼を(りゅう)(おう)まえに立たせていた。


(怖い……)


 この世界(せかい)に来て、何度なんどとなく(あじ)わった感情かんじょうだった。


(だから考える(まえ)に、(こた)えを出さなきゃならなかった……)


 ユノの性根(しょうね)帰還(きかん)つよ(うった)える。

 帰ると言いなおせと逃亡(とうぼう)せまる。

 ディアボロスが、異界(いかい)からの客人(きゃくじん)としてむかえているうちに。


 ずン。


 (あし)が動く。

 黒い(うろこ)の、大蛇(だいじゃ)(どう)()()()と支え、(たか)君主(くんしゅ)上座(かみざ)から、あおぎ拝謁者(はいえつしゃ)(ゆか)へと。


 (あさ)く刻まれた段々(だんだん)など、きが如しと一跨(ひとまた)ぎし、ディアボロスはユノの元に()り立った。


 ながい身体が、少年しょうねんはる頭上(ずじょう)にまでびあがる。

 かお天井(てんじょう)(やみ)おおわれ、金の(まなこ)だけが輝いている。


『これ以上いじょう帰宅を(うなが)すのは無粋(ぶすい)かな?』


 ばしん。


 びる()()に叩きつけ、おうはなし()()った。


 ユノの握りしめる(けん)(にら)む。


 世界を(すく)勇者(ゆうしゃ)みとめられし、英傑(えいけつ)のみ手にすることのできる神秘(しんぴ)(やいば)


 異界の小童(こわっぱ)には本来ほんらい無縁(むえん)の、すぎた凶器(きょうき)


(おお)きなちからを手に入れ、いやしくも(おの)がこそ救世主(きゅうせいしゅ)(うた)不届(ふとど)ものよ』


 全身に、おう(とどろき)殺到(さっとう)する。

 ディアボロスの怒号(どごう)が降り注ぐ。


『その傲慢(ごうまん)ゆえに、私に楯突(たてつ)いたこと――後悔(こうかい)するがいい!』


 りゅう()えた。

 おと波動(はどう)が、謁見(えっけん)()圧壊(あっかい)する。


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