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61.トネリコ
・前回のあらすじです。
『三人が【パペルの塔】に到着する』
「じゃ。行きましょうか」
ローランが塔を顎でしゃくる。
背中の武器――鉄の大剣をユノは一度握って具合を確かめた。
風化した階段を、ユノ、ローラン、パンドラは登っていく。
入口には、魔法金属の大扉があった。時から取り残されたように、その周囲の柱や壁、床だけがキレイだった。
巨大な観音開きに描かれた浮き彫りを、ユノは眺める。
竜と太陽と、一本のとねりこ。
ローランがなにかをくちずさんだ。それは、ユノには理解できない言語だった。
ゴおおん……。
重い音をたてて、扉は旅人を受け入れた。
・・・・・・
塔の内部は【モンスター】の巣窟だった。
女人に化けるヘビの悪魔――【サキュバス】。
尖った耳と触角をつけた、いたずらものの小鬼――【チョルト】。
鬼面にコウモリの羽をはやして飛ぶ生首【チョンチョン】。
甘美な陶酔の香気をミスリルのレイピアが薙ぎ払い、小鬼の飛ばす火の礫を電光石火の突進でユノがくぐって敵を斬る。
上空から弱体化の呪詛を放つ生首を、パンドラがねむりの歌でまとめて落とす。
まどろみ、床に堕する禍々しい頭部を、ユノとローランは叩き割った。
魔物の呪文に軽く痺れた手足を、ユノは肩掛け鞄から取り出した飲み薬で回復する。




