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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第7話 雨期(うき)
58/92

56.パペルの塔


 ・前回のあらすじです。


 『ユノがローランから依頼いらいをされる』





 ・・・・・・


 ユノはローランの誘いを受けることにした。

 目標(もくひょう)は、ここバーライルのまちから北に行ったところにある荒野(こうや)――そこにある【パペルの(とう)】とばれる半壊(はんかい)した高層建築物(こうそうけんちくぶつ)だ。


 出発は二日(ふつか)後。

 その間に、ユノは(たび)の準備をすることにしたのだが。


 ・・・・・・


「ユノさん、これなんかどう?」

「うーん良いんじゃないかな」

「って見てないじゃん」


 ユノは手持無沙汰に商品棚(しょうひんだな)のナイフを取っていた。

 (さや)から抜いた刀身(とうしん)に自分の顔が映る。

 一年間(いちねんかん)の【異世界(いせかい)】での生活を()て、ユノの風貌(ふうぼう)世間(せけん)ずれしたものになっていた。

 ねてとがったまなじり

 影をまとった黒い(ひとみ)

 連続する野営(やえい)でバサバサに傷んだ短い黒い(かみ)

 (あさ)のパーカーと綿(めん)のロングパンツの私服に、護身用(ごしんよう)のダガーをうしろ(ごし)して、つねにあたりを警戒している。


 ユノはパンドラと共にメインストリートの雑貨屋(ざっかや)に来ていた。


 十才(じゅっさい)ほどの小さな身体に、今日は短衣(チュニック)とフレアスカートのいでたちで、ボブショートの亜麻色(あまいろ)(かみ)の女の子――パンドラはむくれた。


駄目だめだよ。(かみ)飾り、ちゃんと選ばないと」

「って言っても、そんな安物で――」

「ごほん!」

 カウンターで太った店主(てんしゅ)咳払せきばらいする。

 ユノは自分のくちを押さえて、つづく言葉をみ込んだ。

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