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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第7話 雨期(うき)
56/92

54.過去




 ・前回のあらすじです。


 『ユノとローランが再会する』




 ・・・・・・


 三人はまち広場(ひろば)にいた。

 飲食店(いんしょくてん)やギルド、宿屋が(のき)をつらねている町人たちの(いこ)いの場だ。


 瑞々(みずみず)しい()をつけた植木(うえき)の陰にベンチが(もう)けられており、ローランがそこに(こし)かけていた。

 ユノの話を聞いている。


 【コルタ】のまちで起こった【魔族(まぞく)】との混血(こんけつ)へのあつかい。

 非道がまかり(とお)るこの世界への不信と、勇者(ゆうしゃ)としての使命(しめい)のむなしさ。


「ボクはもう、こんな世界のことなんて知らない。蹂躙(じゅうりん)されている人たちだけをすくうって()めたんだ」

馬鹿ばかじゃん?」


 ローランはあきれた。

 ユノは植木にもたれていた身体をこす。


「きみには()かんないよ。踏みつけられるだけの(がわ)の、気持ちなんて……」

「あんたもしかしていじめられっ子?」


 頬杖ほおづえついてローランはユノを()あげた。左(みみ)のまえに垂れた(ぎん)つ編みが揺れる。

 ユノは(うなず)いた。


「そう。ボクのいたところ……『日本(にほん)』っていうんだけど、そこの学校にいた時、ボク毎日イヤがらせを受けてた」

「へなちょこだから?」

「ほっといてよ」

 ユノの(ひたい)にピキッと青筋(あおすじ)が浮かぶ。


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