表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第7話 雨期(うき)
53/92

51.石の壁



 ・前回のあらすじです。


 『ユノがセイレーンの歌を聞いて倒れる』





 ・・・・・・


 冷たい物が(ひたい)っていた。


 手を動かそうとして、ひどく(おも)いのに気がつく。

 ()ける。


 ベッドの天蓋(てんがい)

 (とう)の絵のかかった石の壁。

 飾り花の、清新(せいしん)(かお)りがする。


「ユノさん」


 女の子がユノをのぞきこんだ。

 短い、亜麻色(あまいろ)()()に赤い(ひとみ)

 キレイに(あら)った顔は天使(てんし)のようにあどけなく、小さい体にはシルクの長衣(ローブ)をまとっていた。


(アイ?)

 ユノは暖かな感慨にひたりそうになって、すぐにちがうと思い直す。


 ドレイ商人(しょうにん)荷車(にぐるま)に、商品(しょうひん)として詰めこまれていた少女だ。

 逃がしたところを、別の人間(にんげん)おそわれていて――


「ここは?」

宿屋(やどや)だよ。【バーライル】っていう(まち)の」

 女の子は()()(まど)を押し開けた。

 (あつ)さの残る湿しめった外気(がいき)が室内に吹き込む。


「大丈夫なの? 町には人がたくさんいるんじゃあ……」

「へへー」


 女の子はくるりとユノに背中を見せた。

 魔鳥(まちょう)(つばさ)がない。


「おくすりをもらったの。一日(いちにち)しか()たないから、毎日まいにち飲まなきゃだけど」


 ユノはようよう身を()こした。

 (ひたい)のぬれタオルを取る。


 身体は(なまり)のように重く、少し(しび)れが残っていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ