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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第5話 剣(つるぎ)
39/92

37.白骨の山


 ・前回のあらすじです。


 『ユノがあなちる』





 ――(したた)かにユノは腰を打った。


 ガラガラと白骨(はっこつ)やまがくずれる。

 (ふる)い時代の人柱(ひとばしら)残骸(ざんがい)からかおを出して、ユノはあたりをまわした。


 (おく)かりがある。

 銀色の、刃物(はもの)にも似た、あやうい輝き。


「ここは……」

『わたしの寝所(しんじょ)だ』


 光が答えた。

 おも低音(ていおん)にユノはギクリとする。

 自分を()け止めてくれた硬質なものから()()して、それが人骨(じんこつ)だと気づいて()退(すさ)る。


『きみが此度(こたび)勇者(ゆうしゃ)か?』

 むくりと金属的な光沢(こうたく)きあがる。

 それは巨大(きょだい)おおかみだった。


「あなたがこの森のボス、【フォルクス=メルヒェン】?」

 ()()のままにしていた剣を、ユノはまよったのち(さや)にしまった。


「ボク、おねがいがあって来たんです」

『私にそれを聞く義理(ぎり)いな』


 おおかみ――【メルヒェン】は(はな)で笑った。

 天然(てんねん)(きざはし)になった岩塊(いわくれ)から飛びりる。


『あの(くさ)ったまちから来たのだろう? 私をたおすために』


 ユノは(うなず)いた。

「でも、そうするとアイも死ぬ。町の人たちは、モンスターの襲撃(しゅうげき)が彼女の仕業(しわざ)だって思ってるんです。そして行動を起こそうとしてる」

滑稽(こっけい)はなしだ』

 おおかみは銀色の(ほそ)めた。


「……あなたが、もうコルタの(まち)(おそ)わないって約束してくれれば、町の人たちを説得できるかもしれない」

『むりだな』

「どうして」

『彼らにとって理由(りゆう)なんてものは(なん)でもいいんだよ』


 大儀(たいぎ)そうにおおかみは動いた。


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