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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第5話 剣(つるぎ)
37/92

35.洞窟



 ・前回のあらすじです。


 『ユノがおおかみ棲家すみかにむかう』





 ・・・・・・


 暗い(うろ)足音(あしおと)ね返る。


 アイに教えてもらった洞窟(どうくつ)にユノは来ていた。


『キキキキキ!』

 コウモリのき声がする。

 ビックリして、たずさえていた(けん)を振り(まわ)す。


 ――(いわ)内壁(ないへき)に手を当て、()がりくねった(みち)を進んでいく。


(アイ……だいじょうぶかな)

 のこしてきた少女(しょうじょ)のことがユノは気がかりだった。


「セレンさーん……」

 虚空(こくう)かって妖精(ようせい)ぶ。

 セレンは出てこない。


(アイのことを(まか)せようって思ったのに)

 大気(たいき)(ちゅう)にただよう魔力(まりょく)燐光(りんこう)を頼りに、ユノは通路を進んでいく。

(なんだよ……呼んでない(とき)は出てくるクセに。ってか、あの(ひと)普段(ふだん)どこで何してるんだよ)


 ブツクサと胸中(きょうちゅう)で文句を言う。


 ――あの妖精(ようせい)を信用し過ぎぬことだな――


 以前にペンドラゴンの城でアルトリウス(おう)に言われた警告が脳裏(のうり)をかすめる。


「うわっ!」

 頭上(ずじょう)から羽音(はねおと)がして、ユノは身を低くした。

 ひとつ()のコウモリ――【ブラン・ストーカー】の()れが、頭髪を引っかいて(とお)()ぎる。

 反響(はんきょう)する音波(おんぱ)を探るように、コウモリたちはピュンピュンと不規則な軌道(きどう)をとった。


 ユノは【気術(きじゅつ)】を使おうとして、やめた。

 (ちから)を込めた刹那(せつな)、ズシリと全身が(おも)くなったのだ。


『キキキキキキ!!』


 (きば)()いてコウモリが飛び()かる。

 ユノはショート・ソードを(ひるがえ)し、小さな魔物(まもの)の体を()りはらった。


 ガブリとユノの片腕(かたうで)一匹(いっぴき)()みつく。

 血をグイグイと()いあげる。

 ユノの身体から(ちから)が抜ける。


(使い()しみしてる場合じゃないか)


 破壊(はかい)の光をユノは(はな)った。

 小規模(しょうきぼ)な爆発が、()(うで)に取りつくコウモリを()()ばす。


 縦横(じゅうおう)に剣を振り、飛び()うモンスターを牽制(けんせい)しつつ、ユノは思い切って(はし)り出した。






 ・今年の投稿とうこうは以上で終わりです。


 読んでいただいてありがとうございました。

 よいおとしを。



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