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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第4話 おおかみ
36/92

34.テリトリー




 ・これまでのあらすじです。


 『世界を救う【勇者ゆうしゃ】として、異世界【メルクリウス】に召喚しょうかんされた少年ユノ。

 彼は王様のめいにより、モンスターの襲撃しゅうげきがはげしい【コルタのまち】へ救援きゅうえんに向かった。

 道中どちゅう、森のなかに迷いこんでしまうものの、そこで出会った少女【アイ】の助けにより、ユノは無事に目的地にたどり着く。


 【コルタ】は『かみ』ののもとに、魔族まぞく殲滅せんめつたっとぶ人々の住む町だった。

 ユノは、そこでほかの土地から集められた戦士たちの集団しゅうだん――【警護けいごたい】に加勢かせい

 妖精のセレンからもらったわざで、モンスターのれを撃破げきはする。


 勢いにった町人たちは、森のなかにいる【魔女まじょ】を処刑しょけいしようと徒党ととうを組むも、ユノは魔女の正体に思い当たるふしがあり、町人の進行を阻止そし

 説得のすえ、ひとりで森の攻略こうりゃくに向かう』


 ――――――


 ・前回のあらすじです。


 『森に住む少女【アイ】が、自分が【魔族まぞく】であることをユノにかす』




「――そろそろ行けば?」

 アイは頭巾(ずきん)をかぶりなおした。

 大きな(みみ)が隠れる。


「行くって……」

「【フォルクス=メルヒェン】のところ。たおすんでしょ?」

 ユノは首を(よこ)に振った。


はなし合ってみる。だって、そのヒトがアイを(かくま)ってくれてるんでしょ? 町の人たちのことも、考え直してくれるかも」


 ガックリ。

 アイは項垂(うなだ)れた。

 ユノに「むだだよ」と言い聞かせるのをあきらめる。


「……それに、アイはそのヒトと、ずっと一緒(いっしょ)にいたいって思ってるんじゃないの?」

「まあ、確かに」 

 アイは母親の(はか)を見た。

「この森で生きていくことが、私の(しあわ)せではあるわね」


 ――オオカミの()む場所をアイはユノに教える。


 ()け足になって、ユノは少女の(テリトリー)から出ていった。


「あとさ、アイ」

「なによ」

 ユノは数歩分だけ引き返した。

「誰かが来たら逃げてね。絶対だよ」


 ヒラヒラと、アイは小屋(こや)(わき)から手を振った。

「ユノ、」

 森へと、ためらいながら向かう少年に、見送(みおく)りの言葉を()ける。


頑張(がんば)って」






  んでいただき、ありがとうございました。



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