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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第4話 おおかみ
28/92

27.騎士




 ・前回のあらすじです。


 『信者が魔族まぞくを倒しに行くと言いる』





隊長たいちょう、オレは反対はんたいです」

 (りん)とした声が信者の熱気ねっき()ました。


 警護隊(けいごたい)の副隊長をつとめる若い騎士(きし)である。

 フルフェイスの(かぶと)をはずした顔は、短い金髪(きんぱつ)鳶色(とびいろ)

 としは十八か十九の、正義感に(あつ)い表情をした男だった。


「会議の場でも出ましたが……アルゴ殿(どの)たちは戦いの素人しろうとです。功徳(くどく)(はや)る気持ちは察しますが……オレたちも、せめて護衛としては同行すべきかと」

「つってもなあ、フレデリック……」

 アドニスは太いうなじを()んだ。

 ぎょろりと、町長の小さな眼が()く。


罰当ばちあたりな無神論者(むしんろんじゃ)には、聖戦(せいせん)に参加してほしくないものですな」

「だとよ」

 アドニスは町長に親指を向けた。


 フレデリックと呼ばれた副隊長は頭をかかえる。

 しかし彼はすぐに気を取り直した。

 左胸に()ったドラゴンの徽章(きしょう)を示すように、姿勢しせいを正す。


「オレは、ペンドラゴン王国に(つか)える騎士きしです。国民を守るのが(つと)めです。どんな事情があれ、危険と分かっている場所に、一般人(いっぱんじん)()み込むのを看過(かんか)することはできません」


 フレデリックは、高らかにげた。

 青年騎士の啖呵(たんか)にユノはジーンとする。


「『仕えてる』つっても、こんな田舎(いなか)に追いやられるような(した)()だけどな」

 フレデリックと同様どうように騎士団から派遣(はけん)されて来たアドニスは、(かわ)いた笑いと共に独白(どくはく)した。



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