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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第3話 アイ
17/92

17.テレポート


 ・前回のあらすじです。


 『あかいずきんの少女・アイが、ユノに自分の存在をかくすようたのむ』






 ・・・・・・


 西の山に日がしずもうとしていた。

 丘の上で、コルタの(まち)はひっそりとした空気(くうき)()びはじめる。


 牧歌的(ぼっかてき)ぐちにユノは立っていた。

 アイに渡された青い宝石(ほうせき)を握り込み、ここまでテレポートしてきたのだった。


 ぽかりと開いた門の向こうには、目抜めぬ(どお)りがある。

 (みせ)はもう閉まっていて、露店(ろてん)もなく、通行人(つうこうにん)のすがたもなかった。


「よっ」

 近くの建物から、ひょこりと(おとこ)がひとり出てくる。

 三十代くらいの、黒髪(くろかみ)に青い目をした騎士(きし)だった。


「こんばんは……」

 ユノは挨拶をした。

「こんばんは」

 フルフェイスの兜を脇にかかえ、男は軽く笑う。

「おまえさん、(たび)の人?」

「あ、えーと。(おう)さまから依頼(いらい)を受けて、救援(きゅうえん)にきました」

「まじか?」


 男はユノをためつすがめつした。

 ――貧弱そうな子供である。

「ま、いいか。よく来たな。オレは派遣(はけん)騎士団(きしだん)所属のアドニス。ここでは、臨時(りんじ)警護隊(けいごたい)隊長(たいちょう)をやっている」


 手を差し出され、ユノはにぎり返した。

「ユノです。よろしくおねがいします」

 男――アドニスは、「ユノ、ユノね」と名前を繰りかえす。


()(しょ)、こっちな」

 通りのはずれ――門の背面(はいめん)しつらえられた、物見台(ものみだい)のついた建物たてもの

 四角(しかく)く無骨で、どこか古臭い石造りのそれが、町につどった戦士たちの集会所(しゅうかいじょ)であり、宿(やど)だった。




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