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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第3話 アイ
16/92

16.ひみつ



 ・前回のあらすじです。


 『頭巾ずきんの女の子の家に、ユノがかくまってもらう』






「ユノだったわね」

 少女は丸太まるたを切って作ったイスからこしをあげた。

 野暮ったいドレスをくるりと返して、質素(しっそ)な整理棚に(ある)いていく。

 この家のものは、大半が彼女の手製(てせい)であるらしかった。


「あなたがどういう生き方をしてきたのかは知らないけどさ。もし、戦士(せんし)として生計(せいけい)をたてていきたいのなら、卑屈な態度(たいど)は改めたほうがいいかも」

「どうして?」

 宝石(ほうせき)を少女は(たな)から()した。

「足元をすくわれる、報酬(ほうしゅう)をちょろまかされる、(よう)はなめられるってこと」

 書架(しょか)をなぞって、今度は分厚い本を一冊(いっさつ)引っこ抜く。


「えーっと、その……アイさんって言ったっけ」

てでいいって」

 ユノはこめかみを()いた。口調くちょうをあらためる。

「その、アイはさ、どうしてこの(もり)にいるの? モンスターの棲む危ない場所(ばしょ)なのに」

「さあ?」

 アイはテーブルに荷物(にもつ)を置いた。


「これは?」

 ユノはゾッとするほど重量感(じゅうりょうかん)のある書物をのぞきこむ。

対面(たいめん)の席で、アイが頬杖ほおづえをついた。


「ペンドラゴン(こく)の文化、風習、信仰(しんこう)。少し古いものだけど、参考(さんこう)にはなると(おも)うわよ」

「べんきょう? しなきゃ駄目だめ?」

「【コルタ】に行くならね」


 ユノは首をかしげた。赤い目でアイは彼を見つめる。

「……先にくぎ()しておくけど」

 アイの表情は気丈(きじょう)だった。

 頭巾(フード)からちらっとのぞく、白くきれいな顔つきにユノはドキリとする。

 少女は注意(ちゅうい)した。


「私がここにいたことは、誰にも()わないで」





 ・誤字ごじ脱字だつじを修正しました。


  旧→『この家の物は(もの)は、大半(たいはん)が(略)』

  改→『この家の(もの)は、大半(たいはん)が(略)』




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