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【異世界転移】をやってみた《1》  作者: とり
 第3話 アイ
15/92

15.メルヒェン



 ・前回のあらすじです。


 『ユノが森のおく少女しょうじょ出会であう』





 ・・・・・・



 もり名前なまえは【フォルクス=メルヒェン】と言った。

 かつて土俗(どぞく)かみまつられていた、天然てんねん(やしろ)である。

 それは現在、『ぬし』と呼ばれる魔物(まもの)名前(なまえ)でもあった。


 ユノは、(あか)頭巾(ずきん)の女の子に通された小屋のなかで、そんなフィールドの()と由来をかされた。


「で、」

 紅茶(こうちゃ)を飲んで、少女は乾いたのど湿しめらせる。

「あなたはこんなところに、なんの用があってたのかしら?」


 ――十年前に、魔王(まおう)影響力(えいきょうりょく)を強めて以来(いらい)、森に棲む動物たちは凶暴化(きょうぼうか)した。

 『怪物(かいぶつ)』という生きものはそれ以前(いぜん)より存在したが、人間の土地(とち)を襲うというのは、()()だった。


 しかし、現在(げんざい)は森のぬし、フォルクス=メルヒェン――通称(つうしょう)【メルヒェン】指揮(しき)のもと、近郊の町村に対して侵略(しんりゃく)めいた略奪(りゃくだつ)殺人(さつじん)がおこなわれ、日常化(にちじょうか)している。


 こうした、ボスクラスの【魔物(モンスター)】による襲撃(しゅうげき)は、【コルタ】を中心とした領土(りょうど)だけではなく、世界的(せかいてき)規模(きぼ)で起こっている異変(いへん)だった。


「ボク、道に迷ったんです」

 ユノはテーブルにを乗り出す。

 地図(マップ)書類(しょるい)を、彼は(かた)かけかばんから取り出した。

「王さまから、『コルタの町を助けるように』って依頼(いらい)が出て、それでたんですけど……」

「フツウに(ある)いてたんじゃ、永遠(えいえん)にさまようわよ。護符(タリスマン)でもなきゃあね。この森には幻惑げんわく魔法(まほう)が掛かってるから」


 ――森林(しんりん)を抜けた先に、ユノの目的地はあった。

 薄暗い外を、少女はあごでしゃくる。

 ユノに()いかける。


「王さまの注文(オーダー)って話しだけど。あなた、おえらいさんなの?」

「えらくは……ない、です」

 ユノは自分が勇者(ゆうしゃ)であることをせた。

「とにかく、ボク、コルタに行きたくて……どうやったらここから出られますか?」

「なんで敬語(けいご)?」

初対面(しょたいめん)なので……」


 少女は頭巾(ずきん)からはみ出した金髪きんぱつはらった。

「かたくるしい。うっとうしい。めんどくさい。ためぐちで良いよ」

「……努力(どりょく)しま……あ、努力するよっ」


 ユノはぎこちなく返事へんじをした。

 そこまで話しをして、少女はやっと名前を教えてくれた。

 ユノのほうは家にはいるまえに名乗(なの)っていたが、相手はまだだった。


 少女の名前は、アイといった。





 ・いくつかの表現を修正しました。(一例)

 旧→『地図マップと、書類しょるいを彼は布袋ザックから取りした。』

 改→『地図マップ書類しょるいを、彼はかたかけかばんから取りした。』



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