三、もう少しで
二回も書いている途中で消えた
テンション下がります
俺たちは今、ラフォレの馬車に乗って東ノ国へ行くところだ。ラフォレの馬車は意外と良く、全然揺れないし、クッションがついていて最高だ。
「ラトさーん、そろそろ馬の休憩に入るのでそこの木に止まりまーす」
「分かった」
ラフォレが馬車を止め、馬の世話をしている。俺はそれを座りながら見ている、エルは馬車で寝ているから、暇だ。
しばらくラフォレを見ながら座っていると世話が終わったようだ。こちらに歩いてくる。
「待たせていまいすみませんラトさん」
「問題ない、ところであとどのくらいで東ノ国に着くんだ?」
「あと、一時間半ぐらいです」
「本当か、あと少しだな」
一時間半か、短いが何をして過ごそうか。エルを起こすと怒られるし、怒るとあいつは怖いんだよな。
「そういえばラトさん、あなたはどこから来たんですか?」
「えっとな、あっちの森だ」
「え、その、本当ですか?」
「本当だぞ、あそこに住んでいた時期もあった」
「住んでっ…あそこはヤバイんですよ、昔に……」
ラフォレの話を聞くと、"ボウケンシャ"という者が珍しいものを求めて森に入ったら帰ってきたものは一人しかいなかったらしい。その一人はドラゴンを見たという。そしてその森は入ったら死ぬ森と言われ、入るものはいない。
「へー、ドラゴンいるんだな、どのくらい大きいんだ?」
「したから見て顔が見えなかったらしいです、その人はもう亡くなってますから詳しい話はもう聞けないんです」
「なるほど、そんな森だったのか、結構食料がたくさんあったんだが仕方がない」
ドラゴンの縄張りや住みかに入るとうるさいからな、たまに攻撃してきた奴さえいる。でもあの森は美味しい奴がたくさんいた、そこらのドラゴンに渡したくない。
「そこに何年くらい住んでいたんですか?」
「数えてないから分からん、だが結構長く住んでいた」
「へー…誰かと一緒に住んでいたり?」
「エルとだな」
「家族ですか?」
「いや、家族ではないが、産まれてからずっとそばにいた」
「幼なじみですかね、羨ましいです」
「そうか?」
「はい」
寝ているところを起こしたら本気で殴ってくる奴だぞ。あれは本当に痛かった。何も用がないのに起こすなって言われた。鱗が逆立ちそうだった。
「ラフォレは何しに東ノ国へ行くんだ?」
「半年ぶりに家に帰りに」
「半年も何してたんだ?」
「仕事です、抜けた人の代わりをしなければならなくて」
「あー分かるぞ、それ」
「えっ仕事したことあるんですか?子供なのに」
「あっいや、父が大変そうで、こんな忙しい時期に逃げた野郎がいるって騒いでたことがあったからな」
「なるほど」
ヒヤッとした。見た目が子供の姿だということをすっかり忘れていた。でも、抜けた人の代わりをやるのはキツイ。そいつは管理が雑で重要な物を失くしていたから、ヤバかった。本当に。
「あれ?ラト、何をしているのですか?」
「おっエル!起きたか」
「えぇ、慣れないことに少し疲れまして」
「やっぱりか」
「え?なれないこととは何ですか?」
「「人化」」
「そうなんですか、人化、そうですか、……え?えぇぇ!!!???ふっ二人は人間じゃない?!」
めっちゃパニクるラフォレ、え?何かまずいことでもあるのか?
「なぁエル、どうすればいいんだ?」
「分かりません、人化は駄目なのでしょうか?」
「いや、人間じゃないことに驚いてるぞ」
「「えぇどうすれば?」」
二人で悩んでいる時にラフォレが復活した。
「えっと、二人はなんの種族なんですか?」
「「ドラゴン」」
「ど、ドラ、ふぅー、なるほど、だからあの森に住めてたんですね、納得しました!しかし、お二人さん、正直に種族をいってはいけません」
「なぜだ?」
「嘘だと思われるかもしれませんが、ドラゴンとしって利用されるかもしれませんよ」
「分かりました、ではこれから人族と名乗ることにします」
「あの、少しだけドラゴンの姿を見せ…てく…れませんか?」
「無理」「大丈夫です」
「「え?」」
どういうことだ?あいつは一回変化をしたことがあるのか?六年間?まさか、六年も他の姿になっていたことなんてない。
「最初の姿だけは六年じゃないのか?」
「どこから聞いたんですかそんなの、最初は六時間だけです、もう六時間たってますから、戻れますし、別の姿になれます」
「なんだと」
そんな、六年ではないのか、誰だ六年って教えたやつは。この姿から変えようと思ったがやめた。意外と気に入った。
「あのーできますか?」
「ここだと目立つから部分的には駄目か?」
「全然大丈夫です!」
では腕にしようか、そうしよう
「出来たぞ」
「ほんとだ!すげー!!どうなってるんだ!???」
誉められるのはいい気分だ。ドラゴンだと逃げられたり畏怖しかない。信者みたいなのもできていたが気味が悪かった。
「いやー貴重な体験でした。ありがとうごさいます。お二人とも」
「こちらこそ」
しばらく話を続け、馬車に戻る。俺たちは窓から見える景色を眺めて東ノ国へと思いを馳せる。
寝ながら。
終わりました
ブックマークありがとうごさいます。
今後ともよろしくお願いします