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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

クラスで俺だけが覚えている異世界のこと

作者: 燦々SUN

「ヴヴヴ……オノレ……オノレェ!!」


 肉体を失い、もはや黒き魔力の塊と化した魔王が、憎悪に塗れた声を上げる。


「忌々シキ神ノ使徒ドモメ……貴様ラダケハ必ズ殺ス……我ガ命ニ代エテモナァ!!」


 その雄叫びと共に、魔王の頭上に凄まじい魔力が集中し始める。


「くっ! まだ、こんな力が!?」

「マサル君! 私の後ろに!」

「待つんだ飛鳥あすか! お前の魔力は、もう……っ!?」


 しかし、飛鳥は俺の声を無視して強引に前に出ると、杖を自分の前に突き立て、俺達2人を囲むように防御結界を展開した。


「ヴヴオオォォォーーー!! 死ネェェェーーー!!!」


 その直後、魔王の最後の一撃が放たれた。

 空間そのものを引き裂くような漆黒の光線が、飛鳥の光の結界を大きく軋ませる。


「う、うう、うあああぁぁぁーーー!!」

「飛鳥ぁ!!」


 たちまち結界の表面にヒビが入り、杖を握る飛鳥の両手が血を噴く。


「飛鳥! もういい! あとは俺が何とかする!!」


 嘘だ。賢者である飛鳥に防げない攻撃を、聖騎士である俺が何とか出来る訳がない。

 でも、俺はこれ以上飛鳥が無理をするのを見過ごせなかった。このままでは、飛鳥は自分の命そのものを燃やし尽くしてしまう気がしたのだ。


 度重なる負傷と疲労で酷く重く感じる体を引きずり、飛鳥を背に庇おうと前に進む。こうなったら、俺自身を盾にしてでも飛鳥を守るつもりだった。

 だが、俺が飛鳥の肩に手を伸ばしたその瞬間、不意に飛鳥が振り返った。

 その顔に浮かぶ、どこか申し訳なさそうな笑顔。その表情が、ふっと近付いて来て──俺の唇に、柔らかい感触が触れた。


「大好きだよ、マサル君」


 最後に、そう一言呟いて。

 飛鳥は──結界を解除した。


 音は、しなかった。


 俺の目の前、俺と飛鳥を隔てるように光の壁が出現したと思った、次の瞬間。

 飛鳥は……闇の中に消えた。


「う、ああああぁぁぁああぁぁぁーーーー!!!!」


 光の壁。

 俺だけを囲むように(・・・・・・・・・)、より小さく、より強固に張られた結界に両手をつき、俺は喉も裂けよとばかりに叫んだ。

 しかし、どれだけ叫んでも目の前にあるのは激しくスパークする黒い闇だけ。

 その中に消えた愛する少女の姿は、もうどこにもなかった。


 やがて、その闇が宙に溶け消えた頃、ほぼ同時に光の結界も消え去った。

 俺はバランスを取ることも出来ず、つんのめるようにして前によろけると、呆然とその場に膝をついた。


「バカナ! 貴様、マダ!?」


 正面で驚愕の声を上げる魔王に、虚ろな目を向ける。


 ついさっきまで、死闘を演じていた相手。

 その相手が、この戦いで初めて見せる絶好の隙。

 それを目にしても、手足に力が入らない。

 まるで心にぽっかりと穴が開いたようで、闘争心が一切湧いてこない。

 いっそのこと、このまま飛鳥の後を追ってもいいのではないかという考えすら湧いてくる。


(いや……)


 その時、頭の中にいくつもの顔が浮かんだ。


 俺達が他の魔族に邪魔されることなく魔王との決戦に挑めるよう、体を張って背後を固めてくれた仲間達。


 魔王の渾身の一撃を身を挺して防ぎ、俺が一撃を入れる隙を作ってくれた重戦士の龍平。


 後衛の飛鳥を、親友として最期まで守り抜いた拳闘士の京子。


 そして──俺を守り、微笑みながら逝った飛鳥。


 俺がもし、ここで剣を下ろしたら……かけがえのない仲間達の献身が、犠牲が無駄になってしまう。

 それは……それだけは、ダメだ。あいつらのために……飛鳥のためにも、俺がやらないと!! 今、ここで!!


「うおおおぉぉぉぉぉーーーー!!!」


 俺は、その使命感だけで必死に四肢に力を込めた。

 まるで鉛のように重い剣を振りかぶると、最後の魔力を全力で注ぎこむ。


「ヤメロ、ヤメロォォォォーーーー!!!」

「はあああぁぁぁぁーーー!!!」


 雄叫びと共に、魔王の中心目掛けて剣を振り下ろす。

 それと同時に、剣に込めた全ての魔力を聖なる光に変えて解き放った。


「グオオオオォォォォオオォォォォォーーーー!!!!!」


 断末魔の絶叫と共に、魔王をかたどっていた漆黒の魔力が散り散りになり、光の中に消えていく。


 やがて全ての光が消えた時、そこにはもう何もいなかった。


「はあ、はあ……」


 周囲の気配を探り、今度こそ魔王を完全に滅ぼしたことを確信する。

 そして、それと同時に……この場に生き残っているのが、自分1人だけだと改めて認識する。

 振り返ってもそこには誰もおらず、激戦の余波で半ば廃墟と化した魔王城の玉座の間がただ眼前に広がっていた。


「龍平……京子……」


 ここまで力を合わせて戦い抜き、共に最終決戦に臨んだ戦友の名前を呼ぶ。


「飛鳥……」


 そして、最後に自分を庇って逝った、愛しい少女の名前を。


 その俺の呟きに、答える声はなく。

 次の瞬間、突然目の前の光景が消え去った。



* * * * * * *



(ここは……)


 何もない、上下左右も定かではない白い空間。

 ここは前にも一度……そう、ちょうど1年ほど前に、俺達がクラスごと異世界に召喚された際にも来たことがあった。


(そうか……魔王を倒して、役目を終えたから……)


 そう思い至ると同時に、目の前に光の球体が現れた。そして、そこから無機質な女性の声が聞こえてくる。


──見事、役目を果たしたようですね。人の子よ。


 頭の中に直接響くようなその不思議な声に、しかし俺は何も反応を返さなかった。……反応を返すだけの、気力が無かった。

 だが、球体はそんな俺の様子などお構いなしに言葉を続ける。


──役目を果たしたそなたには、今2つの道があります。1つはこのままこの世界に残る道。そしてもう1つは、元いた世界に戻る道。


 どうでもいい。

 どちらの世界でも関係ない。

 飛鳥がいない世界なんて、どちらも等しく無価値だ。


 そんな風に投げやり気味に思考を放棄する俺に、次の瞬間、聞き捨てならない情報がもたらされた。


──ちなみに、他の転移者は既に元の世界に戻っています。


 ……は? 今、何て言った?

 他の転移者は……もう元の世界に戻っている?

つまり……つまり、それは……


「生きて、る? 飛鳥は、生きてるのか?」


 思わず口から零れたその願望は、しかしあっさりと肯定された。


──召喚された者達は、全員元の世界で生きています。


 その言葉を聞いて、俺の答えは決まった。それならば、俺の選択など1つしかありえない。


「なら、俺は戻る。元の世界に帰してくれ!!」


 そう言った瞬間、体がどこかに引っ張られる感覚を覚えた。

 それと同時に、光の球体がぐんぐんと遠ざかっていく。


──分かりました。では、役目を果たした褒美として、そなたが異世界で得たものはそのままにしておきましょう。


 そして白い空間を飛び出し、虚空に体が投げ出されると共に、最後の言葉が届けられる。


──さらばです、人の子よ。どうか元の世で平穏な日々を。


 その言葉を最後に、俺は意識を失った。



* * * * * * *



 キーーン コーーン カーーン コーーン



起立(きりーっつ)


 ふと気が付くと、俺は聞き慣れた、それでいて酷く懐かしい音と声の中にいた。

 そのことを自覚した瞬間、ガタガタと周囲で椅子を引く音が聞こえる。


「おい、オタ。早く立てよ」


 聞き慣れたその声に半ば反射的に振り返ると、そこにはつい数十分前まで共に戦っていた戦友の姿があった。


「龍平……」


 生きてたのか。本当に。


 そんな感慨を込めた呼びかけは、しかし怪訝そうな視線と不快感が滲む言葉で返された。


「は? なにいきなり呼び捨てにしてんだよ、気持ち悪りぃな」

「え……」

「小田君、早く立ちなさい」


 その言葉に振り返ると、教壇に立つ担任の古田先生が眉根を寄せてこちらを見ていた。


 古田先生……召喚組の唯一の大人として、よくクラスの皆をまとめようとしていた。

 最後は生徒の1人を魔物から庇って死んだ、俺が心から尊敬する大人の1人だ。


 しかし、今の古田先生からは当時の力強さは感じない。どこにでもいる、疲れた中年男性といった感じだ。


 いや、先生だけじゃない。

 こちらを見る、他のクラスメート達。

 実に平和そうな、今の俺から見ると緩み切った表情。そして、その俺を見る視線には友好さなど欠片もなく、不審感と不快感だけが宿っていた。


(なんだ……これは……?)


 その奇妙な、しかしどこか既視感を覚える光景に、俺はただ戸惑う。


 俺は半ば無意識の内に立ち上がり、礼をしながら、黒板横に書かれている日付と時計を確認した。


 7月4日の午前8時42分、朝のホームルームの時間。


 それは……俺達が異世界に召喚された当時の時間そのものだった。


(戻って、きた……召喚された直後に?)


 状況を上手く呑み込めないまま、先生が何か連絡事項を言っているのも聞き流し、俺はクラス中に視線を巡らせた。


(飛鳥……!!)


 そして、自分の右斜め前に、望んでいた少女の姿を見付ける。

 久しぶりに見る制服姿の飛鳥。だが服装が変わっても、学園のアイドルと称されるその美しさには、僅かな陰りもない。


(生きてる……本当に……っ!)


 真っ直ぐ前を見詰め、先生の言葉に聞き入るその姿が、涙でぼやける。

 胸の奥から抑えようのない歓喜が湧き上がってきて、全身が震えた。


 そして、その感情のまま、俺はホームルーム終了の挨拶もそこそこに飛鳥の元へと駆け寄った。


「飛鳥!!」


 俺の呼びかけに、その肩がビクッと跳ねる。

 そして、驚きに見開かれた目がこちらに向けられた。


 その、視線。

 驚きと不審感に満ちた視線に、俺の足が止まる。


 中途半端な姿勢で立ち尽くす俺に、飛鳥の後ろの席に座る少女が剣呑な声を向ける。


「なによあんた。気安く飛鳥のことを呼び捨てにしてんじゃないわよ」


 その声の主は、京子。

 飛鳥の親友である見た目ギャルの少女で、異世界では俺のかけがえのないパーティーメンバーの1人だった。


「京子……」

「はあ? 気安く名前呼ばないでよ。あんたに呼び捨てにされる筋合いなんてないんだけど?」


 しかし、その不機嫌そうな表情には、俺に対する親密さなど欠片も感じなかった。

 ふと気付けば、周囲のクラスメートも先程同様に……いや、それ以上の不快感と不審感を滲ませて俺を見ている。


(なんだよ……なんで、俺にそんな……)


 呆然と立ち尽くす俺の脳裏に、先程聞いた女神の声が蘇った。


──役目を果たした褒美として、そなたが異世界で得たものはそのままにしておきましょう。


 あれは……まさか、あの言葉の意味は……


 導き出された恐ろしい予想に愕然とする俺を余所よそに、1限目の始業のチャイムが響き渡った。



* * * * * * *



 あれから3日が経過した。

 その間、クラスメートと関わる中で辿り着いた結論は、俺にとっての最悪の予想を肯定するものだった。


 俺以外のクラスメート……異世界に召喚された全ての者が、異世界に関わる全ての記憶を失っていたのだ。

 あの女神の言葉、「異世界で得たもの」とは、魔法やスキルだけでなく、知識や経験も含んでいたのだ。


 俺とクラスメートの間にあった、異世界で紡いだ絆は消え去った。

 今の俺は、召喚組を率いる最強のリーダーではなく、クラスでも目立たないぼっちのオタクに逆戻りしていた。

 その事実をようやく呑み込めたのが今朝のこと。

 しかし、この日の昼休み。

 そんな俺の精神をぶん殴るような衝撃的な情報が、京子の黄色い声によってもたらされた。


「ええぇぇ~~~~!!! ウソ!! 飛鳥、福永君と付き合うことになったの!!?」


 京子のその言葉に、クラス中がざわつく。


 飛鳥の「ちょ、ちょっと声が大きいよぉ」という声も、学園一の美男美女カップルの誕生というビックニュースに沸き立つクラスメートによって、あっという間にかき消されてしまう。


「マジかよ、俺らのアイドルがついに!?」

「くっそ、羨ましいぜ!」

「えぇ~~そんなぁ……でも、飛鳥なら仕方ないか……」

「実際お似合いだしねぇ~~」


 クラスメートが様々な声を上げる中、俺はあまりの衝撃に脳が麻痺していた。


(付き合う……福、永……え?)


 クラスの男子にはやし立てられ、照れ笑いを浮かべている男子に目を遣る。


 その男子は、かつて異世界で欲望の限りを尽くした男だった。

 神の使徒という立場とそのルックスを利用して、まずは城勤めのメイドやパーティーで出会った貴族令嬢を次々と毒牙に掛け、そのことが問題視されて城を追放されてからも、町で横暴な振る舞いを続けた。

 そして遂には盗賊に身をやつし、各地で暴虐の限りを尽くした。自ら進んで外道に堕ちた、最低最悪のクソ野郎だ。

 最終的には俺含む召喚組が直々に討伐に向かい、他ならぬ俺の手で処刑台に送った男。


 そんな魔族にも劣るクソ野郎が……付き合う? 誰と? ……飛鳥、と? ……なんだそれは。ありえない。ありえるはずがない。


 しかし、そんな俺の逃避的思考を嘲笑うかのように、クラスでは皆に囃し立てられた2人が、照れ笑いを浮かべながら並び立っている。

 仕舞いにはお調子者の男子が「キスしろよ!」といったのを皮切りに、キスコールまで起こり始めた。


「ええ? そんな、こんなところで……」

「いや、俺達はまだそんな……」


 そんな風に困ったように、しかしどこか嬉しそうに笑った2人が、お互いを伺うように目を合わせた──その瞬間、俺の中で何かが切れた。




 それからのことは、かなり記憶が曖昧だ。

 ただ衝動のままに、クラスメートにとっては訳が分からないだろうことをわめきながら、福永に殴りかかったところまでは覚えている。

 その内、誰かに背後から体を押さえつけられ、クラスの男子全員に袋叩きに遭った。


 もちろん、やろうと思えば反撃は出来た。

 異世界でのステータスを保持している俺なら、クラスの男子全員の拘束など軽々と振り払い、福永を殴り殺すことは容易かっただろう。

 だが、出来なかった。


 異世界で苦楽を共にした仲間から向けられる憎悪。そして何より、かつての恋人(飛鳥)から向けられる恐怖と嫌悪に満ちた視線に、心が折れてしまったのだ。

 結局無抵抗のまま殴られ蹴られ、その内騒ぎを聞きつけてやって来た教師陣によって職員室に連行され、処分が決まるまで自宅待機を命じられた。


 しかし、俺は家に帰ることはなく、学校近くの公園に隠れていた。

 異世界で培った隠密能力をフル活用し、待ち続けること数時間。遂に、待ち望んだ相手を見付けた俺は、その眼前に歩み出た。


「っ!?」

「あ、あんたなんで!?」


 飛鳥が俺を見て怯えたように身を引くと同時に、隣にいた京子が飛鳥を背に庇った。

 こちらに敵意に満ちた視線を向ける京子に胸の痛みを感じながら、俺は一心に飛鳥を見詰めた。しかし、飛鳥はかたくなにこちらを見ようとしない。


「なあ……本当に忘れちゃったのか?」


 異世界で過ごしたあの日々を。

 共に苦難を乗り越え、紡いできた絆を。

 想いを重ね合わせ……深く愛し合った、あの幸福を。


「飛鳥……」


 俺はすがるように飛鳥の名前を呼びながら、ゆっくりと彼女に歩み寄った。しかし……


「いやぁっ!!」

「っ!!」

「飛鳥から離れなさいよ!!」


 飛鳥はその手に持っていた鞄を俺に投げつけると、背を向けて一目散に逃げ去ってしまった。

 京子もすかさず俺に蹴りを放つと、尻もちをつく俺を睨みつけながら、飛鳥の鞄を拾った。


「なんなのあんた! マジキモイ。頭おかしいんじゃないの!?」


 そう吐き捨てると、京子も飛鳥の後を追って駆けて行ってしまう。

 それを、俺は呆然と見送っていた。


「飛鳥……」


 いくら呼んでも、彼女が振り返ることはなかった。

 やがてその後ろ姿が完全に見えなくなってから、俺はようやく立ち上がり、近くのベンチに倒れるようにして座り込んだ。


「……」


 ようやく分かった。

 今度こそ、完全に理解した。


 あの時、あの戦いで、賢者であった飛鳥は間違いなく死んだのだ。

 俺が愛した、俺を愛してくれた飛鳥は、もういない。

 あの異世界で、彼女は死んだ。散り際に見せたあの笑顔が、彼女が俺に見せる最後の笑顔だったのだ。


「は、はは……」


 自然と口から乾いた笑みがこぼれる。

 異世界でもついぞ感じたことのない、圧倒的な孤独感が全身を包んでいた。


 なんだこれは。なんだこの生き地獄は。

 こんなことなら……こんな事実を知るくらいなら、地球になんて戻って来るんじゃなかった。

 せめて……せめて、誰か1人でも、あちらでのことを覚えていてくれれば……。


「ステータス」


 俺の言葉に合わせ、目の前に他人には見えない半透明のウィンドウが出現する。

 そこには、俺が異世界で得たステータスやスキル、その他にも各属性の適性値と耐性値が表示されていた。

 その適性値の1つを、改めて見る。


「……」


 ……やっぱり、ダメだった。

 俺の闇属性適性はゼロ。当然だ。俺は騎士から聖騎士に転職する際、闇属性の適性を完全に捨ててしまったのだから。

 しかし、その闇属性魔法こそが、人間の記憶や感情に干渉する魔法。この生き地獄を変えられる唯一の可能性を秘めた魔法だった。


 ……分かっている。所詮、考えても無駄なこと。よしんば闇属性魔法を使えたとしても、そもそもクラスメート達の中に、異世界に関する記憶が残っているかも定かではない。

 記憶が封じられているだけなら、魔法で解き放つことが出来るかもしれない。だが、はなからなかったこととして記憶すらされていなければ、思い出させることも出来ない。つまり、現状もうどうしようもないということだ。


「……どうすっかな、これから」


 ベンチの背もたれにもたれかかりながら、俺はぼんやりと呟いた。


 出来のいい妹を溺愛している両親は、基本俺には無関心だ。

 しかし、そこには「厄介事を起こさなければ」というただし書きがつく。

 このまま家に帰れば、学校で暴力沙汰を起こした俺には、決して愉快でない事態が待っていることは想像に難くない。そう考えると、家に帰る気もなくなってしまう。


「はっ……俺、どこにも行くとこねーじゃん」


 家にも、学校にも、もう居場所がない。

 いや、そもそもこの世界に、俺の居場所などあるのだろうか?

 こんなことなら、もういっそのこと……


「……ん?」


 その時、開きっ放しだったステータスウィンドウの一点に、俺の視線が吸い寄せられた。

 数あるスキルの中の1つ。聖騎士専用スキル《救世主見参》──自分を呼ぶ声、意志に反応して、その場に転移するスキル──が、反応しているのだ。


「俺を……誰かが呼んでる? ……まさか」


 思考は数秒。迷いは一瞬。

 気付いた時には、俺はそのスキルを発動していた。


 その瞬間、俺は公園のベンチから……いや、この世界から完全に消え去った。



* * * * * * *



 気が付くと、俺は3日ぶりに魔王城の玉座の間に立っていた。

 戻って来たという事実を眼で、肌で感じつつ、俺は自分を呼んだ人間を探して周囲を見渡した。

 すると、近くにある瓦礫の山の向こうから、誰かの声が聞こえた。その声に耳を澄ましつつ、忍び足で声の方に近付く。


「そんな……そんなはずない……きっと、どこかに……ああ、神様……っ!」


 どこか祈るような、悲壮な女性の声と共に、ガツガツと瓦礫をける音が聞こえる。

 その声の主は、透けるような白い肌と美しい金髪を血と土埃で汚したまま、傷だらけの手で必死に瓦礫を掻き分けていた。


「アリーシャ……?」


 背後からそう声を掛けると、その動きがピタリと止まる。

 そして、ゆっくりとこちらを振り向き……その青い目が大きく見開かれた。


「マサル、様……?」

「……アリーシャ」


 アリーシャ・ロズ・フェルベルグ。

 魔王軍に攻め滅ぼされた小国の元第三王女であり、その国で唯一生き残った王族である。

 しかし、彼女は魔王軍への復讐心から、亡国の王族という立場を捨てた。今は、王家の血筋にのみ使えると言われる宝剣を手に戦う、ただの1人の女騎士だ。

 クラスで最後まで生き残った俺達4人を支える大切な仲間の1人であり、魔王との最終決戦の時には、邪魔が入らないよう、他の魔族達を足止めしていてくれたはずだ。

 しかし3日ぶりに会うその姿は、記憶にあるものよりも酷くやつれているように見えた。いくら激戦だったとしても、ここまでやつれるものなのか……?


「マサル、様……本当、に?」


 隠し切れない疲労が色濃く浮かぶその顔に、呆然とした表情を浮かべながら、アリーシャはよろよろとこちらに近付いてくる。

 そして、一瞬の躊躇いを見せた後、恐る恐ると俺に触れ、ようやく俺の存在を実感したのか、一気にその表情を崩れさせた。


「マサル様ぁ!!」


 俺の胸に勢いよく飛び込むと、もう離さないと言わんばかりに力いっぱい抱き締めてくる。


「ちょ、ちょっとアリーシャ、落ち着いて。俺は大丈夫。ちゃんと生きてるから」

「マサル様、マサル様……本当によかった……」


 予想外の情熱的な抱擁に少しドギマギしながらも、その背中をなだめるようにポンポンと叩く。しかし、アリーシャは涙に濡れた声で「よかった」と繰り返すばかりで一向に離れようとしない。

 やがて、俺が「マジでどうしたもんか」と考え始めた頃に、ようやくアリーシャは俺から離れてくれた。


「グスッ、失礼しました。あ、あの、他の使徒の方々は……?」


 泣き腫らした眼で、どこか遠慮がちに尋ねてきたアリーシャに、俺は一瞬言葉に詰まった。

 しかし、一瞬の沈黙の後、俺は端的に言った。


「死んだよ。龍平も、京子も……飛鳥も」

「!? そん、な……」


 告げられた事実に、アリーシャの目が愕然と見開かれる。

 そのことに微かに罪悪感を覚えながらも、俺はアリーシャに尋ねた。


「ここにはアリーシャだけか? 他の皆は?」

「え……あっ、はい。他のメンバーも、全員無事です。ガンツさんが一時危険な状態でしたけど……皆の必死の治療の甲斐あって、5日後にはなんとか回復しました」

「ちょっと待ってくれ」

「はい?」

「今は……魔王との戦いから、何日目だ?」

「えっと……今日で、ちょうど1カ月になります」

「1カ月!?」

「はい……魔王が消滅した後、魔族達は一斉に魔王城から逃げ出したんです。それで、私達も傷を癒して、使徒の皆様を捜索したのですが……」

「……見付からなかった、と」

「……はい。使徒の皆様は、遺体が残りませんから……。それで、他のメンバーは皆様が魔王と相打って亡くなられたのだと判断し、3週間前に撤退を決めました。ですが……ですが、私はどうしても信じられなくて……っ」


 そう言って俯くアリーシャの手を見る。

 傷だらけのその手は、ところどころ爪が剥がれ、血が滲んでいた。


「……」


 ずっと、1人で探していたのだろうか。

 さっきアリーシャが言ったように、俺達召喚組は死んでも遺体が残らない。死んだ瞬間、跡形もなく消えてしまうのだ。

 この世界では、その現象について、「神の使徒は死した後に、神の元へと還られるからだ」と説明されていた。その説明は、ある一面においては正しかったわけだが……それはともかくとして。

 アリーシャは、ずっと探していたのだ。仲間が見切りをつけて去った後も、たった1人で。どこにもいない、俺達のことを……。


「ごめん、心配かけて」


 言葉に出来ない感情で詰まる喉からどうにかそれだけを絞り出すと、俺はアリーシャの手を握り、治癒魔法を行使した。

 そしてポケットからハンカチを取り出すと、半分に裂いてアリーシャの両手に巻く。


「本当に、ごめんな……」

「いえ……マサル様がご無事なら、私は……あっ! 申し訳ありません! 使徒の皆様が亡くなられたのに、なんということを……」

「……ああ」


 本当は、死んだわけじゃないんだが……どうにも全てを話すには、まだ俺の精神は回復していなかった。


「そのことは……今はいいから。それより、ここを離れよう」

「? ……はい。ところで、そのお召し物は……?」


 そう言えば、今の俺は制服姿だった。

 なんとなく咳ばらいをしつつ、「それも、あとで説明するから」とだけ告げて、俺はアリーシャをかした。

 そして、道中で適当に装備を整えつつ(元々持っていた装備は、仲間達が遺品として持ち帰ってしまったらしい)、俺達は魔王城を後にした。



* * * * * * *



「それでは、私が見張りをしておきますので」

「ああ、ちょっと待って」


 魔王城を出て1週間後、いつも通り夜の見張りに立とうとするアリーシャを、俺は呼び止めた。

 あれから1週間、ようやく俺も心の整理がついた。

 だから、今の内にアリーシャには真実を告げておこうと思ったのだ。

 魔王との戦いで散ったと言った、仲間達の真実を。


 それから俺は、アリーシャに全てを話した。

 魔王との戦いで俺1人が生き残り、元の世界に帰ったこと。

 元の世界では召喚された仲間達が何事もなかったように生きていたが、全員異世界でのことは忘れていたこと。

 飛鳥も俺のことを忘れており、あまつさえあの大罪人である福永と恋人同士になったこと。

 それらの現実に耐え切れず、この世界に戻って来たこと。


 それら全てを、アリーシャは驚きながらも黙って聞いてくれた。

 そんな彼女に、俺は自嘲気味に告げた。


「要するに俺は、この世界に逃げ込んで来たのさ。アリーシャが必死に俺を探してくれていたのに、そんなこと少しも考えなかった。魔族の残党がどうとか……人類の復興がどうとか、そんなことどうでもよかった。俺は、ただ……逃げたかっただけなんだ……」


 それは、あまりにも情けない告白だった。

 魔王を倒した英雄? 人類を救った救世主? 違う。俺は、嫌な現実から目を逸らして逃げてきた、ただのガキだ。


 全てを吐き出し、うつむく俺の手に、そっとアリーシャの手が重ねられた。

 顔を上げると、そこには苦しそうな表情をしたアリーシャの顔があった。


「そんな風に……ご自分を卑下しないでください。マサル様は、何も悪くありません」


 そして、1つ大きく息を吸うと、意を決したように告げた。


「不敬も……理不尽な怒りであることも重々承知の上で、申し上げます。私は、アスカ様をお恨み申し上げます。こんなにもマサル様に想われているのに……マサル様を苦しめるアスカ様を、私は、許すことが出来ません……っ!!」


 それは、召喚された者を神の使徒として信仰するこの世界の基準では、信じがたい発言だった。

 場所が場所なら、本人の言う通り、不敬罪で首が飛んでもおかしくない暴言だ。

 しかし……なぜかその言葉を聞いて、俺は胸が少し軽くなった気がした。


「アリーシャ、ありが──」


 お礼を言おうとして、思わず止まる。

 しかし、それも無理ないだろう。

 なぜなら、決然とした顔をしたアリーシャが──突然立ち上がったと思うと、鎧の留め金を外したからだ。


「え、ちょ……」


 止める間もなく、鎧を外したアリーシャは、その下の鎖帷子くさりかたびらも脱ぎ、勢いそのままに肌着まで脱ぎ捨ててしまった。


「アリー、シャ……」


 呆然と名前を呼びながら、月光に浮かび上がるその美しい裸身を見上げる。

 その視線に、アリーシャは一瞬、腕で体を覆う素振りを見せてから──思い直したように首を振り、地面に座り込む俺の前にひざまずいた。


「アスカ様の、代わりになるとは思いません……」


 そして、俺の膝に手を置きながら、真っ赤に染まった顔で俺を見上げてくる。


「ですが、せめて……慰めさせて、頂きます……」


 その顔は、思わず息を呑むほど美しくて……しかし、膝に置かれた両手が小刻みに震えていることに気付いた俺は、すっと視線を逸らしてその両肩を優しく押し返した。


「そんな……そんなこと、アリーシャにさせられないよ……。いくら仲間だからって、そんなことしちゃ駄目だ」

「……仲間だから、するのではありません」

「え?」


 その声に振り返ると、アリーシャは俺の胸に取り縋り、その顔を切なく歪めながら叫んだ。


「ずっと……ずっと、お慕いしておりました!!」


 その頬に、一筋の涙が伝う。


「こんな……傷心のところに付け込むようなことをしてごめんなさい。ですが、私はずっと、ずっと、貴方様のことを……」


 その言葉で、俺はハタと気付いた。

 スキル《救世主見参》は、呼ぶ者の想いの強さと移動できる距離が比例する。

 世界を越えることが出来たということは、それだけ俺を呼ぶアリーシャの想いが強かったということだ。それこそが、アリーシャが俺を想う気持ちの強さを証明していた。


 そのことに気付いた瞬間、俺はなぜか涙を零していた。

 その涙が、どのような感情からのものなのかは、自分でもよく分からなかった。


 ただ、救われた。

 元の世界に戻ってから……いや、魔王との戦いで飛鳥を失ったその時から、ずっと胸の中に居座っていた言いようのない孤独感が、アリーシャの言葉で溶け消えていった。

 こんなにも自分を想ってくれる人がいる。その事実が酷く胸に響き、涙が止まらなかった。


 アリーシャは、まるで子供のように泣く俺を、少し戸惑いながらも優しく抱き締めてくれた。

 ぎこちなく背中を撫でる、その手の感触が心地いい。

 俺は、その心地よい感覚に身を任せ、静かに泣き続けた。

 泣いて、泣いて、泣いて。

 涙が流れるたびに、少しずつ胸が軽くなっていく。


 記憶の中にあるクラスメート達の表情は、いつしか嫌悪と不審感に満ちたものから、共に戦う戦友を見る優しいものへと変わっていった。

 その中心で、飛鳥が静かに笑っている。龍平と京子も、その両隣で明るく笑っていた。


 ……かつて確かにあった、しかしもう二度と戻ることのない光景。

 俺は、そのかけがえのない光景を、瞼の裏にしっかりと焼き付けると……そっと、心の中でさよならを告げた。



* * * * * * *



「おはようございます、マサル様」

「お、おは、よう」


 目を覚ますと、もう朝になっていた。

 きちんと身なりを整え、朝食の支度をしているアリーシャの姿を見て、思わず挙動不審になってしまう。


 ヤバい。

 昨夜のあれは、いくらなんでもナイ。


 色々と覚悟を決めて肌を晒した年下の少女に抱き着き、みっともなくすすり泣く男の図。

 ……うん、控え目に言って相当キモイ。意味不明過ぎて死ねる。

 なんで俺は聖騎士になんてなったのだろうか。こういう時こそ、闇属性魔法で記憶を抹消したいのだが!


「あの、昨夜のことですけど……」

「ひゃい!?」


 アリーシャの呼びかけに、情けない声を上げる。

 そんな俺の反応に少し笑みを零してから、アリーシャははっきりとした口調で言った。


「私は、気にしておりませんから。むしろ、マサル様が私に弱みを見せてくださったことが、とても嬉しいのです」

「アリーシャ……」


 そして、少し頬を染めると、俺に向かって頭を下げた。


「突然あんなことをしてごめんなさい。マサル様が戸惑われるのも、無理ないことかと存じます。ですが……いつか、心の整理がついた時。その時は……」


 頭を上げると、俺を真っ直ぐに見詰める。その力強い視線に、俺は思わず息を呑む。


「近くに貴方様を心から慕う者がいることを、思い出してください。……いつまででも、お待ちしておりますから……」


 そう言って微笑むアリーシャを見て、俺は自然と「それもいいかな」と思った。


 まだ心の整理が完全についたわけじゃない。

 でも……ただ、辛いことから逃げてきた世界だけど、この世界で新しい幸せを見付けてもいいのかもしれない。そう思った。


 その瞬間、俺は魔王との戦いを終えてから、初めて前を向いた。


「うん、分かったよ」


 そう言って、少しだけ笑って。

 俺は、未来に向かって再び歩き始めた。



* * * * * * *



 ──数カ月後


 魔族との戦いにおける人類の最前線にして、最大の城塞都市。

 世界各国の上層部が集まる軍事拠点でもあるその都市の中心が今、多くの人々の歓声で満ちていた。それは、3週間前に魔王城から帰還した精鋭部隊が、使徒が全滅したことを告げて以来、ずっと漂っていた陰鬱としたムードを吹き飛ばさんばかりの感情の爆発だった。


「おお、おお!! よくやった!! 神の使徒の再召喚が、ここで成功するとは!!」

「人類の希望だ! これで魔族の残党などもう怖くない!!」

「……おや? リーダーのオダ様は?」


 再召喚を手配した各国の上層部がそれぞれに声を上げる中、彼らに囲まれる学生服の集団と1人の中年男性は、困惑した様子で周囲を見渡していた。

 しかし、徐々にその顔に理解が広がり、やがて動揺が走る。


「え? あれ? あたし、たしか死んで……?」

「お、俺も……後ろから剣で刺されて、死んだはずじゃ……」

「き、傷……ない。あれ? あれ??」


 誰もが周囲の状況と突如蘇った記憶に混乱する中、1人の少女が真っ青な顔で呟いた。


「マサル、君……わ、わたし、なんてことを……」


 周囲を見回し、愛する……そして、自分が傷付けてしまった少年を探すも、その姿はどこにも見付からない。


「あ、飛鳥……」


 代わりに、つい数日前に付き合うことになったクラスメートが、引き攣った笑いを浮かべながら声を掛けてきた。

 その、仮にも恋人である少年の顔を見て……少女の胸には、物凄い嫌悪感が湧き上がった。


「いやっ!!」


 伸ばされる手を振り払い、思い切り突き飛ばすと、周囲の注目が2人に集まる。

 その瞬間、突き飛ばされた少年に、一斉に凄まじい怒りが向けられた。


「福永! てめぇ!!」

「なんでテメェまで生きてんだよ! さっさと死ね!!」

「うあっ、さっきまであんなのと仲良くしてたとか……マジで吐きそう」


 あっという間に押し倒され、袋叩きにされる少年を尻目に、少女は決然とした表情で呟いた。


「探さなきゃ……マサル君……」


 そして、1人駆け出すのだった。

 愛する少年との、再会を夢見て。











「おお~やっと見えてきたなぁ」

「はい、ようやく着きましたね」

「アリーシャ、敬語」

「あ、ごめんなさ……ごめんね? マサルさ……マサル、の帰還を、皆も待ち望んでいると思うわ」

「つっても、俺って死んだことになってるんじゃないか? 先に戻ったガンツ達が、そう報告してるんだろ?」

「そうね。でもだからこそ、マサル……が、無事だって知れば、皆喜ぶわ」

「……あいつらに会えるのは楽しみだけど、変わり身早いとか言われるんじゃないかと思うと、少し憂鬱だな……」

「ふふ、大丈夫よ。そんなこと言う人は、私がぶっ飛ばしてあげるから」

「ははは、それなら安心だな……じゃあ、行くか」

「ええ」


 そして、2人手を繋いで歩き出すのだった。

 その先に待ち受ける少女との再会など、夢にも思わず。

え? ここで終わり!?

はい、ここで終わりです。

残念ながら、この先の展開は全く考えていませんし、書くつもりもありません。


元カノ(飛鳥)とよりを戻すのか、今カノ(アリーシャ)への想いを貫くのか……あるいはハーレムルート突入か。はたまたどこぞのワードさんとワールドさんのように、女同士のドロドロの愛憎劇が繰り広げられるのか……。

ゴホン、まあ全ては、読者の皆様のご想像にお任せしたいと思います。

読んで頂いてありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
これは、ドロドロの愛憎劇確定っしょ。 しかし、何にしても神さまフォローがひっどいなあ、これ。きっとセーブデータが召喚前と魔王撃破後しかなかったんだろうけど。
[一言] >そこまで来たら流石に女神の悪意を疑わざるを…… 女神はシステム的な存在って感じがするんで、もし悪意があるとするならシステムを構築した者でしょね・・・ 俺はそいつを知っている!創造神であ…
[一言] >しかし、NTR、闇落ちって……そこで真っ先にハーレムが出ない辺り嗜好の偏りが……(汗) ハーレムルートは3周目以降なので、 アリーシャ「ハーレム?・・・はァ??」 飛鳥「はぁーれむぅ?…
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