エピローグ
ーーー5月26日(木曜日)ーーー
朝、目が覚めた
「うーん…」
昨日は大事な人を失った、最後を見届けその後、逃げた黒いパーカー姿の人物を警察に相談した、数時間後に捕まった
これで良かったと私は思った、けど心にはポッカリと穴が空いた気分だった
「朝食とらないと」
私は制服に着替えてリビングに向かい朝食の準備をした、私の大事な人は朝はいつも遅い、だから私が朝早く準備をして起こしに行く、けどもう居ない
ーーー寂しいーーー
一人で朝食をとる、何気ない朝
けど心は空いたまま
すると玄関のチャイムが鳴った、私は玄関に行った
「はい?誰ですか?」
「あ、えっと十華です、可美奈ちゃん?ちょっといいかな?」
玄関の外には三嶋さんだった、私はドアを開けて三嶋さんを招き入れた
「えっと、可美奈ちゃん知ってるかもしれないけど朝のニュース観た?」
「ごめんなさい観てないです…」
「あ、あのねそのニュースで零くんが被害に……」
「はい、会いました…」
「本当なのね……、ご冥福をお祈りします…」
「すみません、私が居たにも関わらず止められなくて……」
涙がこぼれ始めた
「大丈夫だよ可美奈ちゃん、お兄さんが居なくなった悲しみは可美奈ちゃんが一番だもんね」
三嶋さんは私をそっと抱きしめてくれた、私の大事な人と同じ温もりを感じた
「すみませんすみません……」
私は何度も謝った、三嶋さんは嫌味も言わずずっと「大丈夫」と言ってくれた
私が落ち着いたあとに三嶋さんと学校に行った、授業は既に一限目が始まっていた
「あ、今日は小テストがあったんだ」
三嶋さんは思い出したかのように言った
「大丈夫なんですか?」
「平気だよ、あんなテスト」
三嶋さんはいつもと変わらず笑っていた、三嶋さんにとっても私の大事な人は大事な人に変わりないのに笑顔で入れることがとても不思議だった
「そーだねぇ可美奈ちゃん」
「はい?」
「ウチに来る?」
「え?」
「こうゆうのは物凄くおかしいと思うけど家で一人だと寂しくない?」
「そう…ですよね……」
「嫌だったらいいよ」
「嫌じゃないです……お姉ちゃん…」
私は笑った、大事な人、お兄ちゃんを亡くした私は一人になったけれど新しく進むことは出来た
「え!?お、お姉ちゃん!?」
「はい!」
私は精一杯幸せだった、けどこれからの幸せはまた新しい、お兄ちゃんはいないけどこれからはお姉ちゃんがいる
だから私は幸せに生きていく
ーーー5月26日(木曜日)ーーー
時刻 未定
「結局、また救えない未来が確定したか〜」
学校の屋上の柵から足を出してブラブラさせながら空を見ていた
「全く、君は一応アカシックレコード役でしょ〜、しっかりしなさいよ」
うしろからタバコを吸いながら白衣を着た女性が来た
「そんな事言っても〜、それより貴女だって零さんにヒントを与えすぎじゃないですか?一瞬バレるかとヒヤヒヤしましたよ」
「はぁ…、これだからバカメガネは困る」
「むっ!カッチーンときました、てか保健の先生のくせしてタバコとか体に悪すぎません?」
「大人はいいのよ…」
「まさか零くんが彼女を変えるとはねぇ」
「てか君さぁ『救う』て言うのは反則じゃないか?」
「あれ?そうでしたっけ?」
「まぁいいわ、次はヘマをしないでね」
「はーい、それじゃあこの時間はもう一人の私達に任せますか」
「そうね、行きましょうか『5月25日』へ、私はあなた達を見守る役目で貴女はアカシックレコード役けど貴女は彼を救いたいんでしょ、そのために彼女を利用してるんだから」
「人聞きが悪いですよ先生、私は二人のために動くだけですから…」
「あっそ…」




