メッセージ
「先生ぇ!!」
俺は学校につくなり保健室に真っ先に向かいドアを開けると同時に先生を呼んだ
「あら?早いわね、まだ一限もまだよ」
保健室にはいつもと変わらない先生が椅子に座っていた
「先生、あの…」
「何かしら朝から怪我したの?部活?」
先生はニコやかに様態を聞いてきた
「いえそうじゃなく、俺です、斎藤 零寺です」
「斎藤君?あ〜…」
「(良かった記憶が残ってる…)」
「えっと〜…、ごめんなさい誰かしら」
「え?…」
「本当にごめんなさい、一応怪我人が居ない時は名簿を軽く目を通しているんだけど君と直接お話したのは今日が初めてよね?」
「そんな…どういう事だ…」
「斎藤君だっけ?ごめんね、本っ当に覚えてないの、どこかで会ったかしら?」
保健の先生は手を合わせて必死に俺に謝った、様子からすれば本当に忘れているようだったが俺は問いただした
「先生本当に覚えてないのですか?俺ですよ」
「何度も言うかもしれないけど覚えてないの」
「嘘だ…」
俺は先生に近づいてうしろにあった机の中を漁り始めた
「ちょっと君!いきなり何してるの!」
「すみません、探し物です!」
机の中をくまなく探して引き出しの奥の方に前に見た時と同じノートがあった
「あった!これだ」
そのノートを取り出し中を確認した
「間違いない、残ってる」
中は確かに以前の俺が書き残した文字が残っていた、俺はそれを広げ先生に見せた
「覚えてませんか?俺と先生は『5月25日』が繰り返している事を知っているはずじゃないですか?」
「『5月25日』を繰り返している?えっと、ごめんね、君が何を言ってるのか分からな」
先生は困った顔で言った
「本当に…覚えてない?…」
「覚えてないも何も君と会った記憶すらないから分からないわ」
「そうですか…すみませんでした、俺の勘違いでした…」
俺はノートを持ったまま保健室から出ようとした
「(あ、いやまだあった!)」
思い出した、腕時計にあったメモの事を
「すみません、もう一つだけ探し物がありました」
「え、ええいいわよ」
先生は机から離れた、俺は机の下に潜り込み探した
「(あった!)」
机の下からは数枚の紙が貼り付けられていて俺はそれを丁寧に剥がして机の下から出た
「なにそれ?私貼った覚えはないわよ」
「いえ先生が貼ってくれた物です、ありがとうございました」
「はぁ…よく分からないわ」
俺は紙を持って保健室から出て教室に向かった
「あ!零くんどこ行ってたの?」
教室には十華が待っていた
「悪い、保健室に用があった」
「そうなの?てか何その紙?」
「あ、これは〜…、そうだな健康診断の結果だよ」
咄嗟に精一杯の嘘をついた
「健康診断の結果この前貰わなかったけ?」
「あーいや、俺その時に休んでいたから」
「いや居たじゃん、私が聞いた時には『問題なし!』て堂々と言っていたじゃん」
十華は怪しむ目で俺を見てきた、嘘が裏目に出た
「あーーー…、せい、せきひょう?じゃダメかな?」
「ダメかな?てなんで私に聞くの?」
「分からない」
「全く…、まぁ零くんの事だからラブレターな訳じゃないから別にいいけど」
「なっ!?そんな言い方はないだろ!」
「はいはい、私はもう気にしないから安心して」
「なーんかムカつくな〜、まぁいいけど」
俺は保健室から持ってきた紙をポケットに入れた
そして授業が始まり一限目の数学が始まった、前回同様小テストがあり俺は数学のノートを見て設問と答えを暗記して紙に書き小テストは終わった
残りの時間はいつも通り普通の授業で俺は教科書を立ててポケットから紙を取り出し読んだ
『斎藤 零寺君へ、これを今君が読んでいるなら腕時計を壊した事になった、いや壊す程の出来事が起こり真実に近づいたと思っていいかな?』
紙の内容は保健の先生のメッセージだった
『単刀直入に言おう、まず初めとして君がこの繰り返している時間に巻き込まれたのは君の運命を変えるためだ』
「(俺の運命?)」
『そして私はその繰り返している時間を創り出した協力者、否、張本人と言っても過言ではない』
「(嘘だろ、張本人だって?)」
『しかし今はアノ人が所有者だ、私は間違った事にアノ人に持たせてしまった、本当にすまない、アノ人はある日君が死ぬ所を目撃してしまい泣き崩れて願ってしまった』
「(それがアレか…)」
『そこに私が通りかかり創ってしまったんだ5月25日とゆう無限の時間を、この時は最初は二三回程度、解決法を探ると言っていたアノ人だったが幾度となく失敗して君は何回も死んだ、アノ人は何度も泣き「もう救えない」と言い出した、アノ人は君のことがずっと好きだった救えないことに悔しさがあった、私はその思いからか過ちを犯してしまった、それは権限を与えること、権限を与えると時間を終わらせることはもちろん、未来を変えることだって出来てしまう、私は正直止めれば良かったが遅かった、アノ人に渡した瞬間にこう言った「このままずっと一緒に居れる」と』
俺はそれを見て身震いした
『そのあとは君が知っている通り、私は協力者けれどどちらにも属さないただの全てを知っている人間、禁忌を破らなければ大丈夫、破ったらアノ人に殺される、だから私は君にプレゼントを残した三嶋 十華』
「(はは、これ本当かよだったらアノ人はアイツじゃねーか)」
『彼女は一部だが君の事情を知っている、けれど彼女もまたアノ人の支配下だからあまり詳しいことは言えない、それとこっちが本当のプレゼントかな?アノ人は……』
「(斎藤 可美奈…)」
『斎藤 可美奈』
「(くそっ!可美奈が?どうしてだ?いやそれよりも十華から情報を聞くか)」
俺は紙をポケットにいれて授業が終わるのを待った




